宿から出た俺達は
隣に座る
「あ~、幸せだなぁ……順平ちゃんと恋人になれるなんてぇ」
待たせてしまった分、俺は
肩を抱き寄せて髪を撫でるだけでそのまま溶けてなくなってしまいそうなほど顔をほころばせる。
「
なんて言おうものなら、少し恥ずかしそうにしながら――
「ふへへぇ……♡」
ってな具合ですり寄ってくる。
「
「うん、なぁに?」
「これからもちゃんと二人きりでデートとかしような。そこら辺も二人と話し合おう」
「本当? 私、3番目で良いって思ってるけど」
「考えたんだけどさ、俺は
「そう、なのかな……」
「ああ。でもさ、たぶん完全に平等っていうのは無理だと思う」
「うん……」
「だけど、好きな気持ち、愛してる気持ちには優先順位って無いんだ。なんていうか、俺は二人一緒に好きになったけど、好きになった理由はそれぞれ違うんだよね」
「私も?」
「そう。言葉にするのはちょっと難しいけど、
「うん、でも何となく言いたい事は分かるかな」
「なんだろうな。こういうこと言うと調子の良い浮気男みたいになっちゃうんだけど、俺の中では
「そっかぁ……えへへ、嬉しい♡」
「
「うん。私も、そう思いたいな」
「だからさ、うーん、なんて言うのかな……」
「分かるよ。順平ちゃんの言いたい事、私も言葉にはできないけど、その気持ちは凄く分かる……。私は、正直
「ああ。
だから
「愛してる……。世界の誰よりも愛してる。三人とも、全力で愛し抜いてみせるから」
そのように誓いを立てた。
「うんっ……私も、愛してる」
指を絡めながら歩く俺たちは周りから微笑ましいものを見るような視線を送られ、二人で照れ笑いを浮かべるのだった。
◇◇◇◇◇
バスに揺られること数十分。
俺と
「「兄ちゃ~~ん♡」」
駅に到着すると
「よう、待たせたな」
「
「その様子だと大成功だったみたいだねっ!」
「二人のおかげだって聞いてる。詳しい事を聞きたいところだけど、今は四人で思い出作りをしよう」
「「「賛成~♪」」」
事情の説明も良いが、今は俺達の為に身を砕いてくれた二人にお礼がしたい気分だった。
俺達は新幹線に乗って別の観光地に移動するのだった。
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