新幹線に乗って大きな駅に移動し、俺達は飛行機の搭乗手続きを行っていた。
「にーちゃ~んっ、手続き終わったよぉ」
「おう。そんじゃ時間までのんびりするか」
「兄ちゃん、
これってクレジットカードがないと入れないんじゃなかったか?
「パパのカード家族会員だから」
「なるほど、さすがお金持ち」
「今まで全然使ってなかったんだけどね。パパに
女子高生の娘にやる措置とは思えないな。
「もしかしてあのとんでもない高い宿も
「楽しんでくれた?」
「ああ。最高だった」
「あ、でも引き落とされるお金はちゃんと自分達で稼いだお金だよ♪」
「そこが既に普通の女子高生じゃないんだよなぁ」
頭が下がるぜ。
「お金は有効に使わないとね」
そんな事を笑顔で言ってのける
◇◇◇◇◇
「にーちゃんの隣だーれだっ」
今、
飛行機の後部。三列シートと二列シートを確保することができ、三列の一席は空席のようだ。
「勝利のぽーーーずっ!」
公正なる勝負の結果、俺の隣を勝ち取ったのは
嬉しそうにはしゃぐ
「にーちゃん、お菓子食べる?」
運良く端っこの席を予約できていた俺たちは邪魔の入らない空間で空の旅を楽しんでいた。
にーちゃんにーちゃんと甘えてくる
まだ2日ばかり会えてないだけなのに
飛行機内と言うこともあって大騒ぎすることはなかったが、隣に座る
その途中、何を思ったのか
「ふひひ、にーちゃん声出さないでね♡」
「えっ……? ほっ!?」
あろうことか
「お、おい
「へへへ、にーちゃんのに
「は、はうぅ♡ は、恥ずかしいよ
「もう、
呆れ声の
確証はないが確信はある。
俺は見回りのCAさんや他の客にバレやしないかヒヤヒヤしながらなるべく音が立たないようにブランケットを抑え込む。
「ま、まずいって
「どうかなさいましたか?」
いきなりの声にギクリとなる。
「むぐっっ!!?」
思わず
CAさんが不思議そうな顔で俺に声を掛けてきた。
幸いいかがわしいことをしているとバレたわけではない。なんとかして誤魔化さないと。
「すみません、妹がお兄ちゃんに甘えて戯れ付いてるだけですから」
ナイス
俺はその間に
「にーちゃ~んっ♡」
「あはは。可愛いことしますね妹さん。あと少しで着陸態勢ですから」
そう言って満点のスマイルを浮かべて他へ見回りに戻っていった。
「ふぅ……危ない危ない……危うく変質者認定されるところだった。こら
声を荒げないように静かに苦言を呈するも、当の本人は悪戯がバレた小悪魔の笑顔でテヘペロしやがった。
「えへ♡ 危なかったねにーちゃん」
「お前は俺が変質者扱いされたらどうするつもりなんだ」
「そうだよ
「ヒヤヒヤしたよ~」
「ごめりんこ☆ 我慢できなくて」
そんな危ないひと幕もありつつ、俺達は冬の味覚が集まる土地、函館へと足を踏み入れた。
◇◇◇◇◇
「きたぞほっかいどーっ!」
空港で荷物を受け取った俺達は早速バスへと向かう。
「さあっ、ホテルで荷物置いたらお寿司食べに名店へ行こうっ!」
今回
「実は動画撮影の許可もらってるんだ~。大将のおじいちゃんがウチのファンなんだってぇ♪」
「へえ。随分と高年齢のファンがいるんだな」
「大将が趣味で動画投稿やってるの。お寿司が大好きって動画で言ったらコラボしたいって依頼が来て」
「なるほど」
はしゃぐ
四人で楽しく会話しながら揺られること1時間ほど経った頃に到着したのは随分と古い様相の寿司店だった。
流行ってるようには見えないが古式ゆかしい趣があって俺は好きだなこういう空気は。
「いらっしゃいまし~」
「こんにちは~。DMしたキラキラアリスって言うものなんですけど」
「おお~。ようこそようこそっ。遠いところをわざわざ」
寿司屋の大将は随分と元気の良いおじいちゃんのようで、高齢ではあるものの快活で気っ風の良い老人であった。
「おおっ、あんたが動画で言ってるデッカいにーちゃんだな。本当にデッカいのう~」
「俺のことも知ってくれてるんですね」
「知っとる知っとる。動画は全部チェックしてるからねぇ」
どうやら
実際に会わせてもらったが、確かに顔立ちはよく似ているお嬢ちゃんだった。
そのお孫さんもキラキラアリスの大ファンだそうで、今回わざわざコラボと聞きつけて東京からやってきているらしい。
「孫の誕生日祝いに何かしてやりたくてのう」
そんな訳で俺は動画の撮影係。
主にキラキラアリスの寿司職人体験をメインとし、お孫さんへのサプライズバースデープレゼントとして、
「わっ、わっ、わぁ~~~~、キラキラアリスッ~~~、本物、本物なの~~~っ♪」
お孫さんは小学校三年生のお嬢さんで、確かに顔立ちは
サプライズバースデープレゼントは大成功に終わり、大喜びの大将から寿司のフルコースをご馳走になって四人の思い出作り一日目は大成功で終了した。
◇◇◇◇◇
「お孫さん、最後は泣いちゃったね」
「あはは。行かないデーって可愛かったね」
「小さい頃の
「え、そ、そうかな」
小さい頃はよく公園で遊んだりもしたもんだが、夕方になって家に帰らないといけなくなると決まって
そんな懐かしい思い出に浸りつつ、俺達はホテルへと戻った。
◇◇◇◇◇
「ほええ……これまたすんごい豪華なホテル」
「思わず魅入っちゃうね」
「兄ちゃんこっちこっち」
高級ホテルの最上階へと案内された俺達はそのあまりにも煌びやかな豪華さに感嘆の声を上げる。
古式ゆかしい旅館とは真逆のゴージャスなスイートルームで今日の成功を乾杯することとなった。
とはいえ、全員未成年であるためノンアルコールのシャンパンで気分だけ味わうのみだ。
「かんぱーーいっ♪」
「まずは
「ありがとう
「そういえば、今回のことを計画したのは二人なのか」
「まーねぇ」
「どのくらい前から?」
「へへへ。それはまだ内緒。まだ計画は途中の段階なのだ」
「え? 途中? まだ誰かいるのか?」
「それは後のお楽しみ♪ それよりにーちゃん。ちょっと待っててね。
「え、な、なに?」
「にーちゃんにプレゼント渡さなきゃ」
「プレゼント? どういうこと?」
訳が分からないと言った感じの
「ひゃわっ、こ、これを着るの? は、恥ずかしいよぉ」
「兄ちゃん喜んでくれるよー♪」
「そうそう、この間なんかぁ♡」
何やら姦しいやり取りが聞こえるが、ようするに着替えを準備しているらしい。
パーティらしくコスプレでもしてくれるんだろうか。
ワクワクしながら待っていると、やがてドレスルームの扉が開く。
「お……、おおおおおっ!!」
そのあまりのエッチ具合に思わず声を上げる。
フリルのついたうさ耳を着け、目の前には三人のバニーコスをした美少女達がいた。
しかもその様相は普通のバニーさんではない。
布面積を極限まで小さくしたマイクロ水着をメインに、うさ耳バンド、チョーカー、ガーターリングに網タイツ。
エロい衣装をこれでもかと追求したエッチなバニーさんが並んでいた。
「「四人でいっぱいエッチしよ♡」」
「は、恥ずかしいよぉ~~///」
おっぱいとお尻にとんでもない食い込みを作った美少女バニーさんに、ハイマックス不可避であった。