放課後。俺は
「昼休みは大変だったなぁ」
「あはは。二人とも大胆だったね」
お昼休みは非常に大変であった。
お弁当を持ってきてくれたキラキラアリスの二人だったが、アイドル並みに有名な二人であるから、その影響力は凄まじい。
彼女達は定期的に俺の教室へとやってきてお喋りに興じたりしていた。
そのおかげでクラスの男達はソワソワするし、女子生徒達は可愛い後輩にメロメロだ。
だが彼女達はそんな先輩達を適当に相手してすぐに俺達の元にやってくる。
そして持参したお弁当を食べて嵐のように去って行く。
彼女達が入学してきてからの一年間、この光景は我がクラスのみならず三年生の名物となっていた。
まあ、その光景も今日で最後となったわけで。
クラスメート達も随分と寂しそうにしていたものだ。
とりあえず俺が二人としっかりと仲良くしておくことで他の男達に目を光らせている事をアピールすることになる。
「まあ俺がいなくなっても目を光らせている事が分かれば変な気を起こすヤツも減るだろう。嫉妬して変なことするヤツはどうしたって出てくるだろうし」
「有名人の苦労だね。凄いなぁ二人とも。私にはできないや」
「なにも二人と同じ事をする必要は無いさ。誰にだってやるべき事は違うんだからな。
やがてその絡み方は恋人繋ぎに変わっていく。
「守ってもらってばかりじゃダメだから、私も強くならなきゃね」
「今回の事で
「うん。頼りにしてるね、素敵な旦那様♡ なんちゃって♡」
只でさえ
甘めのフェイスにおどおどした態度。そしてなにより目を引く爆乳が野獣のような男達の欲望を刺激してしまう。
一言で言えば、
俺でさえ目を逸らしていた
「順平ちゃんなら、いつでもいいからね♡」
「お、おう……」
「ま、まあなんだ。こうやって
こんなところで
誤魔化すために絡めた手を引き寄せる。身を任せた
「でも、私は高校生活楽しかったよ。ずっと順平ちゃんが一緒にいてくれたから」
「そうだなぁ。思えば中学からずっと一緒だったもんな。俺も楽しかったよ
「うん♪」
「そうだ。二人を迎えに行くまで時間もあるしさ、どっか寄っていかないか?」
「うんっ、嬉しいっ」
「どこに行こうか。
「うん。でも順平ちゃんと一緒なら平気だよ。あ、駅前のカフェに新作のケーキがあるって
「なるほど。よし、じゃあ今日は甘いもの食べにいこう」
「うん♪」
満面の笑顔を見せる
◇◇◇◇◇
駅前のカフェにやってきた俺達。
運良く目的のケーキが最後の四つだけ余っており、俺達は自分達用と
ここでは目的のケーキの他に
「いよいよ今週から免許合宿だな」
「うん。一緒に行ってくれるのは凄く心強いよ。それに、今回は
姉ちゃんか。
そういえば今回の一連の流れを仕組んだのは恐らく姉ちゃんなんだよな。
昨日旅行から帰ってから、さっそく姉ちゃんに確認しようと思ったが、夕べは大学の友人の家に出かけていたので会えなかったのだ。
嫌が応にも合宿からは姉ちゃんと同じ場所に行くことになるし、なにより姉弟なので一緒の部屋に泊まることになっている。
調べたら
恐らく姉ちゃんが今日という日を予見して三人一緒の部屋に設定したに違いない。
「姉ちゃんともしっかり話をしないとな」
姉ちゃんはレズビアン。それはもう間違いないし、
その真相は確かめないといけない。
俺達はお洒落なカフェで数日後に出発する免許合宿への思いを語り合った。
そして、いよいよ合宿の日がやってくる。