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第56話 思い出語り・順平ちゃんに仕込まれたい♡【side小春】


 順平ちゃんが花恋かれんちゃんと正式に結ばれ、私たちは四人一緒に一人の男性を愛していくことを誓い合った。


 多くの女性に愛されて、それでもちゃんとみんなを愛する。


 そんな事をやってのけた私の大好きな人は、それが普通のことであるかのように、私たち全員を愛し抜いて満足させた。




 いつの頃だったか、私には不思議な事が起こるようになっていた。


 順平ちゃんの考えていることが、まるで波に乗って運ばれてくるように頭の中に流れ込んでくる。


 直感みたいなものだけど、それを外した事はほとんどない。


 今までの学校生活でも時折感じていた。私は、順平ちゃん限定で考えている事が分かる。


 順平ちゃんの考えていることを無意識に読み取れるんじゃないかって。


 例えば、私は頻繁に順平ちゃんにお弁当を作っていたけど、彼の今日の気分、今日食べたいものはなんなのか、なんとなく分かることが多く、またそれは大抵当たっていた。


 例えば、隣の席で順平ちゃんが教科書を忘れてるような気がしたら、その通りだったり(その時じゃなくて登校した時に分かったりする)。


 そしてそれは順平ちゃんの側も同じ事が言える訳で、何も言わなくても言いたい事が伝わることから、いつしか私たちはクラスのみんなから「熟年夫婦」なんて言われるようになったり。


 私には、それが凄く嬉しかった。でも、肝心の大切な想いだけは伝わらなくて。


 それでも彼の考えていること、求めていることならほとんど分かった。


 数え上げればキリがないくらい……。


 気のせいとかじゃなくて、きっとそういうことが出来るっていう確信が、今日になってようやく分かってきた。


 そのことが顕著になったのは、あの日。


 そう、私が初めてを順平ちゃんに捧げた日のこと。


 順平ちゃんとの夢のような一夜は、今まで知らなかった甘美を幾度となく味わうことになり、私はこれまで感じていたことが真実であることを知った。


 私は膝の上で眠る彼の髪を撫でながら、あの日のことを思い出していた。


◇◇◇


 ~私と順平ちゃんが初めてを迎えた旅行の日~

 それはあの初めての夜のこと。


 処女を捧げ、夢見心地のような幸福感に包まれながら布団に横たわっていた。


 お腹の中で熱い液体がトプトプと波打っているのが分かる。


 そっと触ってみると、内膜を守っていた破瓜の証が愛液に混じって流れ出していた。


 精液の白と、処女の赤。


 二つの色が混じって大分薄くなっていたけど、私の一番大事な証を捧げることができた喜びで、再び優しい熱量が子宮にこみ上げてくる。 


「はぁ、はぁ、はぁ……嗚呼、幸せぇ」

「大丈夫か小春こはる?」


「うん。もっといっぱい感じたい。ねえ順平ちゃん」

「いいぞ小春こはる。今夜はたっぷり愛し合おう」


 順平ちゃんはこちらが何も言わなくても私の言わんとしていること、願っている内容を察してくれた。


 伸ばしてくれる彼の手を取り、半分身を預けながらお風呂場へと向かった。


 しばらくお湯に浸かり、体を温めていると再び男の人の体温を感じて気分が高揚してくるのが分かる。


 こうしているとよく分かる。


 一番大切な想いを伝えた今なら、彼の考えていること、求めていること、全部が分かる。


 そして、私がどうしたいのか……。


「順平ちゃん、お願いがあるの」

「なんだい小春こはる?」


 体の正面に回り込んだ私を優しく抱き留めてくれる順平ちゃんを見つめながら、私は内側に湧き上がってくる渇望を口にする。


「私、もっと順平ちゃんに染められたい。ご奉仕、させて♡」


 自然と甘い声が出ていた。


 熱く高ぶったことを知らせてくれるように、そこは熱くたぎって私を求めてくれる。


 普通なら躊躇するような恥ずかしい事でも精神が高揚している私にとっては幸福感が勝って躊躇はまったくなかった。




 自分の行為が好きな人を満足させていることに歓喜が湧き上がってくる。


 幸せの固さを口の中で感じつつ、更に深い場所まで。


 大好きな人の肉体の一部を、自分が気持ちよくさせてあげられることの幸福。


 そして何より、私の体、いや心には、その彼が感じている心地よさが伝わってきた。


 これは「そんな気がする」というレベルじゃない。


 その体全体が打ち震えるような喜びの波動を感じて、私自身の多幸感が限りなく増大していく。


 恥ずかしい事をすればするほど、私が順平ちゃんの女なんだ。

 所有物なんだって強く実感できて興奮と幸福感が強くなった。


 たぶん、私は世間的には変態なんだと思う。


 普通は男の人に所有されたい、跪いてご奉仕したいなんて思う女は多くないだろう。


 でも私はそうしたい。むしろ自分の全てを捧げて喜ばせてあげたい。


 それが私のもっとも幸せな形だから……。


 それは、彼が私のもっとも純粋に願っている形を実現させてくれると確信しているから。


 普通の男の人なら絶対に無理な、限りなく高い私の理想を全部叶えてくれる神様みたいな存在だからこそ、私は彼に全てを捧げたいと思ってる。


小春こはる……」

「うん、分かった」


「まだ何も言ってないぜ?」

「うん、でも、こうしてほしいんだよね?」


 順平ちゃんの視線が私の胸に注がれていることに気がついて、私は重たい脂肪の塊を持ち上げる。


「ああ、正解だ。さすが小春こはるだな」

「えへへ。こうだよね」

「ああ、頼めるか?」


「うふふ……お願い順平ちゃん」


 私は内側から湧き上がってきた渇望を目で訴える。


 やっぱり彼も私の思いを汲み取って、その願いに応えてくれた。


小春こはる、奉仕しろ」

「はい♡ かしこまりました♡」


 尊大な言葉遣いで命令を受けた瞬間に股間に粘り気のある液体が流れ出してお湯に溶けたのが分かる。


 言われなくても分かってる。

 でも言葉にしてもらえるともっと嬉しい。


 命令口調の順平ちゃんに従う私の中に生まれた歓喜の感情が奉仕を情熱的にする。




 服従……。


 そんな言葉を頭の中で反芻するだけで、私の心は異様な興奮に包まれた。


 こうしていると、ダイレクトに彼の考えていること、求めている事が伝わってくる。


 ここを刺激して欲しい。あっちを舐めてほしい。

 もっと強く圧迫してほしい。こすってほしい。


 言葉にしていない順平ちゃんの心の声が、手に取るように分かって嬉しくなる。



 求められるままに、そして喜びのままに、彼の欲している快楽を与えるために体を動かす。



 無駄に大きいばかりだった胸が初めて役に立った事実は、筆舌に尽くしがたい歓喜を私の中に生じさせる。


 男の人にはジロジロ見られるし、変な人にはしょっちゅう声を掛けられてイヤな思いばかりしてきた。


 それでも私が完全に人間不信にならなかったのは、順平ちゃんがそばにいて、ずっとお友達として守ってくれていたから。


 嗚呼、私、やっぱり変態だ……。


 こんなエッチなことが出来てしまうなんて、ついさっきまで考えもしていなかった。


 私は、きっともの凄い表情をしているに違いなかった。


 順平ちゃんが私の見下ろし、多幸感と絶頂の余韻を味わいながら髪を撫でてくれる。


 順平ちゃんが感じている幸福度の強さ、満足の深さが確信めいた感覚で理解できた。


 やっぱり私は、順平ちゃんの心が感じている、言うなれば波動のようなものを感じることができるらしい。


 他の人で感じたことはない。


 順平ちゃんだけが私の特別なんだ。


 もっと、もっと理解したい。あなたの全てを知りたい。

 あなたの全てを満足させてあげたい。


 私の全てを差し出して、私の全部であなたを愛したい。


 他の全部を投げ打ってでも、私はあなたに尽くします……♡


 愛してます、私の大好きなご主人様♡


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