「うん♡ ねえ順平ちゃん、お願いがあるの」
「分かったぜ
私はまだ言葉を発していない。でも順平ちゃんは私の心を読み、湯船から上がって床に寝転び、私の手を握ってくれた。
男の人の、順平ちゃんの喜ぶ仕草は何か。それは私の本能が知っている。
私の中にはその確信に近いものがあった。
それは私の本能の中に刻まれた、魂の記憶なのかもしれない。
前世もそのまた前世も、私はきっと彼に恭順して、こうして奉仕をしてきたに違いない。
恋して、愛して、自分の全てを捧げ尽くして……。
そんな小説のような文言が自然と思考に浸透していき、何故だかそれがもの凄くしっくりきた。
そう、私はずっと前から、生まれる前から順平ちゃんのことを愛していた。
そんな気さえしてくるくらいに、私は喜びを感じながら腰を動かした。
あの日、私はずっと分からなかった感覚の理由が分かってきた気がしたんだ。
多くの人を愛する順平ちゃん。多くの人に愛される順平ちゃん。
私は、そんな彼の心を支えるために、この波動を受け取る力を神様から授かったのかもしれない。
◇◇◇
「すぅ……すぅ……」
「むにゃぁ♡ にーちゃん好きぃ♡」
「兄ちゃん……♡ はみゅぅ♡」
「はひぃ、じゅ、じゅんぺー、しょんなところ、舐め舐めするの、ら、めぇ……むにゅむにゅ……」
思い思いの幸せな夢を見ているらしい
私は彼の頭を膝に乗せて髪を撫でた。
男の人らしい固くてゴワゴワした腰の強い髪質すらも、私の奥にある”女”を疼かせた。
「ん……ぁ……
「あ♡ ごめんね、起こしちゃった?」
「いや、ふわふわして気持ちいい感じがして目が覚めた。
「うふふ♡ 今日は大変だったね。疲れてない?」
「今は心地良い脱力感があるくらいだ。ぶっちゃけ疲れは全くないな」
「そうなんだ。やっぱり順平ちゃん、絶倫さんなんだね♡ かっこいいよ♡」
心からの本心だった。強くてたくましい順平ちゃんの肉体が、私のツボを刺激して疼いてしまう。
でも、私が順平ちゃんの事を好きになったのは、危険を顧みずに他人を助けることができる勇気だから、今の順平ちゃんじゃなくなっても愛し続ける自信がある。
「はぁ、気持ちいいな……
「うん、順平ちゃん♡」
「
「うん、私も♡」
見下ろした順平ちゃんの瞳が訴えるままに、私はその身を倒していく。
大きな胸が邪魔をしてやりにくいけど、順平ちゃんも頭もずらして私の求めに応じてくれた。
「んちゅ……♡」
唇同士がふれあい、私の中に再び多幸感があふれてくる。
その余韻に浸っていると、眠っていたはずの三人の気配が濃厚になった気がした。
「あーーっ!
「ズルいっ、私もチュッチュしたいーっ」
「お前また勃起してるじゃないか。節操なしめ」
「そげなこと言われましても……」
すっかり目が覚めてしまったみんなが一斉にキスを求め始め、私たちは再び互いの熱量をぶつけ合うのだった。