目の前の光景が脳を焼け付かせるような興奮に掻き立て、あたしは自らを慰める。
弟の順平が恋人の
それは本来あまりにも当たり前の光景であり、焦燥する要素は本来ありはしない。
でも、
その
しかしどうだろう。あたしはあり得ないほどメスの本能を刺激され、脳髄が痺れるような高揚感と興奮をもたらしている。
「ぐひっ♡」
女としては致命的な笑いが出る。あたしはきっと酷い顔をしているに違いなかった。
「
弟の事も大好きなあたしは性癖直撃な興奮でフリーハンドに絶頂しそうになるのを堪え続けた。
「
「き、
「
「
「寝取られスキーって本当なんだね」
目の前で
抵抗のそぶりを見せながら、私の体は快楽に身を任せてもだえていた。
「
「な、なぁにぃ、
そんな中で
「
その雰囲気に便乗した
目には映ってないのに、その空気感だけで笑っているのが分かる。
不本意なのに、興奮してしまう。
それに伴って快感もうなぎ登りだった。
まったく、なんでこんな性癖になってしまったのか。
思えば中学の頃、弟に男を感じた頃からこうなる事を望んでいたのかもしれない。
日に日にたくましくなっていく順平をおかずにした自家発電は年を追うごとに頻度が増していったものだ。
偶然を装って順平のお風呂に突撃した事もある。
姉弟の間柄で色っぽい展開になるわけにはいかず、網膜に刻みつけた順平の腹筋や胸板を思い出して激しく……なんて日々が続いた。
いつしか風呂場から順平の下着をこっそり持ち出したりもするようになった。
部活帰りで汗まみれになった順平のトランクスを嗅いだ時は神経が焼き切れるんじゃないかってくらい興奮したし、危うく処女膜破ってしまいそうになるほどだ。
本当に度し難い性癖だ。ぞんざいに扱われるほど興奮し、時折やってくる順平と
「聞きたい。
それはあたしがまだ蚊帳の外だった卒業旅行での話。
初めてを迎えた順平と
好きな人が自分の知らないところで得た経験が、あたしを焦燥感と敗北感を伴った背徳的な興奮に誘っていく。
「知ってる?
「ひぐぅう♡」
自分の知らない
そのことがあたしの嫉妬心を燃え上がらせ、順平にはどうあっても敵わないことを改めて知らしめた。
あたしの悲壮感を伴う激しい興奮を感じ取ったのか、順平がこちらに視線を送ってくる。
自分が××されているところを想像すると更に滾る。
悲しい気持ちと嬉しい気持ちと、どうしようもなく興奮して喜んでしまう気持ちがミキサーに掛かったようにグチャグチャとなって感情をかき乱す。
だがあたしの快感はまだ終わっていない。
同じか、それ以上に激しくイカされた
「
きっと酷い顔をしているであろうあたしを、
優しく温かい笑顔。その表情一つとっても、「もう
「
「はい♡ ご主人様の命令のままに」
わざわざ芝居がかった口調で、しかし心からの本心であろう嬉しそうな声で順平の命令を受諾する
許可を得た
「
「ふふ♡
いつの間にか体位を反転させられ、あたしの小さな体は順平の腕力でいとも簡単に持ち上げられる。
正面から抱きしめる
ぞんざいに扱われるほどに感じてしまうあたしの性癖を、世界で誰よりも理解してくれる二人によって、絶頂を飛び越えて甘い快楽の泉に沈む。
◇◇◇
「さ、さすがに限界だぁ」
「姉ちゃんお疲れ。体痛くないか?」
「らいじょう、ぶぅ……ふひ」
寝取られ、奪われ、貶められる行為の後、
まるで父と母が子を慈しむように両側から抱きしめられ、あたしは眠りにつくまでそのぬくもりを感じ続けていくのだった。
あたしの性癖は度し難い。
しかし、それら全部を理解し、受け入れ、望む全てを与えてくれて、そして全部を優しく包み込んでくれる大好きな二人に囲まれたあたしは、きっと世界一の幸せ者に違いなかった。
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