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第66話 過激な過激なゲーム大会


『王様だーれだっ!』


「俺だ」


 全員の視線が集まる。心なしか熱量を感じる濡れた視線だ。たぶん気のせいではない。


 これはアレか? エッチな命令をせよという無言のプレッシャーなのだろうか。


 だがいきなり露骨な事をする勇気がなかった俺は、日和って無難な命令を出した。


「い、1番、ツインテールにしましょう」

「あ、あたしか……ツインテールねぇ」


「あ、じゃあ髪ゴムとリボンとってくるね」


 すぐに動いたのは希良里きらりだった。


「にーちゃんの意っ気地なし~♪」

「な、ナンノコトカナ?」


「まあいきなり露骨なのを言ってこないところは評価してやるよ」


 なんで命令一つで色々言われてるんだろうか俺は? やがて戻ってきた希良里きらりはヘアゴムとリボンを持って櫛で髪を整え始める。


 女の子同士で髪結いをしている光景も非常に絵になっている。



「おお、姉ちゃん可愛い」

「あ、あんまりみるなよ……」



 姉ちゃんは容姿のことも相まってツインテールが恐ろしいほど似合っている。

 下手をすると犯罪的ですらあるな。



「ランドセルとか背負わせてみたい」

「マジで言ってんのかおめえ?」



 姉ちゃんの目は完全にゴミをみるそれだ。残念ながらゾクゾクしたりはしなかった。俺にMの素質はないらしい。



「あ、私の小学生の時のヤツあるよ~。持ってくるね♪」



「お、おい希良里きらりッ! 要らないからっ! 順平のアホ発言をに受けなくていいからっ!」


 言うが早いか希良里きらりはリビングを出て階段を上っていってしまった。しばらくすると戻ってくるが、右手に持ったランドセルとは別にいくつかハンガーに掛かった衣服を持っている。


「ついでにコスプレ衣装持ってきたよ~」


「い、いつの間にこんなにも……?」


「にーちゃん達が合宿行ってる間に買っておいたんだよねぇ」


 どうやら希良里きらり有紗ありさでこういう日のために準備していたらしい。

 メイド服に猫耳カチューシャ、バニーガールはみたことがある。


 その他にも色々数え切れないほどの衣装が束ねてあった。


花恋かれんちゃん♪」

「え、マジでやらなきゃダメなのか?」

「わ、私も見てみたいかも……」


「こ、小春こはるまでぇ」


「にーちゃん。ツインテールにしてランドセルを背負うところまでが命令ってことだよね?」

「そのとーりっ!」


「さっきと言ってること変わってんぞっ!」

花恋かれんちゃん~、おねが~いっ」


 希良里きらり有紗ありさにおねだりされ、小春こはるからも期待の眼差しを向けられた姉ちゃんは渋々ながらピンク色のランドセルを背負った。


「ついでに小学生の時の帽子もあったから持ってきた」

「ぬぐぐっ……」

「あ~でもツインテールだとかぶれないか。結び目をもうちょい下にしてみよう」


「きゃ~、花恋かれんちゃん可愛い♡ ついでにお洋服もコーデしようよ。さっき新しいの買ってきたから」


 そういえばさっきの買い物で自分以外のサイズも買ってたような気がする。まさか姉ちゃんの分まで用意していたとは。


「ちょ、ちょっと待てって! あ、おもちゃにするなぁ~!」


 そうしてしばらく女性陣のおもちゃになった姉ちゃんのお着替えタイムが始まった。

 ジッと見つめると殴られそうだったので後ろを向いておくことにする。


「できたよ~」


「どれ……おおっ!」


 帽子にランドセル。白のミニスカートにニーハイソックス。

 そしてリボン付きのツインテール。


 どこかメスガキという言葉がしっくりきそうな、特殊性癖の詰め込みセットのような姿にさせられた姉ちゃんがそこにいた。


「恐ろしいほど似合うな姉ちゃん」

「てめぇ後でコロス」


 座り込んでウジュウジュ言ってるが可愛いから怖くなかった。後が怖いけど。


「じゃあ花恋かれんちゃんはしばらくそのままで~」

「うう、は、はじゅかしい……」


 涙目の姉ちゃんは犯罪的に可愛かった。俺がロリコンじゃなくて良かったな姉ちゃん。リアルに合法ロリを見た気がする。


「よっしゃ次いこう~! せーのっ」


『王様だーれだっ!』


「あ、また私だね」


 次は小春こはるである。愛しの花恋かれんちゃんのメスガキコスプレに当てられたのか、ちょっとだけ興奮しているような表情を見せていた。


「えっと、じゃあ3番と4番の人が……王様のほっぺにちゅーをしますっ!」


「3番と~」

「4番だ~」


 命令を受けたのはキラキラアリスの二人であった。言うが早いか二人は小春こはるの両脇にはべって頬を寄せた。


「「ちゅ♡」」


 非常に微笑ましく、百合百合しい光景である。だがすぐに終わるかと思われたほっぺにちゅーだが、それだけでは終わらなかった。


「からの~、はむはむっ」「ちゅっちゅ~、んちゅぅ~」


「は、はうぅ、ふ、二人とも、命令、終わってるから……っ♡ ぁ、耳、耳はダメぇ」

「あむあむぅ♡ ちゅぱちゅぱ♡ れろぉ♡」

「ちゅりゅりゅりゅ♡ ふぅ~」


 頬に舌を這わせてちゅぱちゅぱ♡と吸い始めて、耳へと到達していく。


「おお、え、えろい……」


 百合百合しさは加速していき、その舌先で小春こはるの感度を上げていく。

 やがて二人は示し合わせたように小春こはるのおっぱいに添えられていく。


「ひゃっ♡ あ、あのっ、おっぱい触るって命令は、んぅ、し、してないっ、んひゅっ♡ ぁ、ああ、駄目ッ」


「はぁ、はぁ……こ、小春こはるぅ……ふひっ♪」



 姉ちゃんは姉ちゃんで小春こはるをとられて興奮してるし。相変わらず罪深ぇな。



「はぁ、はぁ、つ、次行こうよ……はふぅ」



 トロトロになったところで王様からストップが掛かりゲームは次に進行した。



『王様だーれだっ!』 


「次は私だねぇ」


 王様クジを引いたのは希良里きらり。妖しい光を湛えた瞳でニッコリと口元をつり上げる彼女に心臓が高鳴った。

 心なしか俺に熱っぽい視線を送っているような気さえしてくる。


「それじゃあ、2番がぁ、王様にキスをする、もちろん唇ね」


 全身の熱量が上がった気がした。口元に指を添える希良里きらりの誘うような仕草は、女性陣ですらドキドキさせたらしい。


「あ、俺だ……」

「(……シッ)」


 希良里きらりが密かにガッツポーズをとったのを見逃さなかった。

 腰に当てた拳をグッと握りしめてヨッシャとポーズをとったのだ。既に口元はニッコニコにご機嫌だ。



「では失礼しますよ王様」

「良きに計らえ~」


 ソファに座った希良里きらりのもとに跪き、顔を近づける。


「ちゅ……」

「んじゅるるるるっ、ぐじゅりゅるるるるっ」


「ほうっ!? んぼっ、んんんっ!?」


 唇が触れ合った瞬間にガシッと頭部を掴み取られ、ソファに押し倒されてしまう。


「お、おい希良里きらりっ、激しいなッ」


 姉ちゃんの制止も振り切って身体全体を擦りつけてくる希良里きらり。シャツをまくり上げて俺の腕をとっておっぱいに添えさせる。


「おうふっ!?」

「れるれるれるれるれるれるれるれるれるれるっ~~~~~」


 激しくディープキスに発展した舌同士の絡ませ合いに興奮が止まらないッ!


「王様、おっぱいはキスに含まれますかッ!!」

「ふみゅぅ、良きに計らえぇ~♡」


 ぺろぺろまっしぐら。俺は犬になるッ! 身体を反転させて希良里きらりを押し倒し――


「ガボフッ!?」

「収拾つかなくなるからやめろッ!」


 姉ちゃんの蹴りが俺の頬を捉えて命令は中断となった。


 倒れ込んだ先で姉ちゃんの縞パンが見えたのは言わないでおこう……。


 まだまだ続くぞっ!!


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