目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第71話 経験は宝物


 お尻開発プレイ。


 日本ではあまり一般的ではないイメージであるが、ある調べによれば成人女性500人中三割がそれに類するプレイを経験した事があるらしい。


 まあ、どこの500人ですかって話もあるから信憑性があるのか分からないが、性癖として存在している以上は一定の需要があるのだろう。


「せんせぇ~♡ 有紗ありさのお尻、変な感じがするんですぅ。病気じゃないか調べてくださ~い♡」


 有紗ありさはノリノリでナース服の格好のままスカートをまくり上げる。


 ベッドに四つん這いになり、お尻を上げてグイッと引っ張る。


 二人とも綺麗なお尻だ。シミ一つない。


「よーし、それじゃあ触診を始めるぞ。動かないでくださいね~」


「「ひゃん♡」」


 真っ白な雪の丘のようにできもの一つ存在しない無垢の丘。


 ふくよかな丸みとモチモチと柔らかい感触が手のひらを楽しませてくれた。


「興奮した? そのまま普通にエッチでもいいよ?」


 そんな風に希良里きらりが気を遣ってくれるが、俺としても未知を既知としたい欲求に駆られている。


「気にしなくて大丈夫だよ。このままお尻開発といこうじゃないか。可愛い恋人の願いを叶えるのが彼氏の役目だ」


「えへへ。実はちょっとビビってたり」


 希良里きらりでもそういうことがあるんだなとちょっとだけ意外性というか、知らない側面を見た気がして嬉しくなる。


 ひたひたとお尻のもち肌を触り、しばらく堪能してからいよいよ本番に乗り出した。


「ふーむ、最初は俺の指でしたい。いいか?」


 愛しい彼女達の粘膜に触れるものが自分でありたいという独占欲なのだろうか。


 ふと、そんな考えが頭をよぎった。


 このまま無機物に初めての侵入を許すのは、なんとなく自分のプライドが傷ついた気がした。


「いいよぉ、私もそれが良いと思ってたぁ」

「にーちゃんの指で、有紗ありさ達のお尻開発してぇ♡」


 二人の意見は一致した。


 これは何が何でも広げて開発してやりたくなってきた。


◇◇◇

有紗ありさはどうだった?」


「ごめんにーちゃん。ウチ、これちょっと無理。お腹ぐるぐるしちゃって変な感じだった」


「無理はしない方がいいな。相性ってもんがあるから有紗ありさはお尻開発やめておこうか」


有紗ありさちゃん無理しないで。付き合ってくれてありがと♡」

「ごめんね希良里きらりぃ」

「気にしないでぇ」


 先ほどまで使っていた指をジッと眺めていると、それを見た有紗ありさはすかさずタオルで拭き、恥ずかしそうにはにかんだ。


「あんまりお尻に突っ込んだ指見つめちゃヤダ。ちょっと恥ずかしいじゃん」


 いたたまれなくなったのか消毒液を拭きかけて念入りに拭う有紗ありさ


 よっぽど恥ずかしかったのだろうな。


「いやぁ、悪い悪い。ついな」


 しかし、逆に希良里きらりは甘くて切なげな声を出した希良里きらりが身もだえした。


 あの感じ様はもはや才能かもしれないな。


「大丈夫か希良里きらり? 苦しくなかったか?」


「苦しかった……でも、ゾクゾクして気持ちよかったの。兄ちゃん、今度もやめないでね」

「ああ、分かってる」


 うーむ。そうまでおねだりされては断れないな。


 初日から本物を入れるのは通常サイズでもやめた方が良いとされている。


 しかし彼女はそれを望んだ。

 俺は昔から希良里きらりのおねだりには弱いのだ。


 ああまで言われたら断るのも忍びなかった。



 ついさっき初めて異物を挿入したばかりだが、この小一時間ほどでかなりほぐれるようになった。


「うへぇ、しかしアレは思い出すと凄い光景だったね。本当にお尻に入ってくんだもん。他人の見るとえっぐいなぁ。ぶわって広がって飲み込んでるみたいだった」


 生々しい表現の有紗ありさが言うとおり、希良里きらりのそこはまるでくじらが獲物を捕獲するときのように大口を開けているように見えた。


 平均よりも大分大きい俺のモノをいとも簡単に飲み込んでいく様子を見ると、希良里きらりにはお尻プレイの才能があったと思えてならない。


「すっごく気持ち良かった♡♡ 希良里きらり、変態だったかもぉ」


「どうやらお尻って割と性感帯らしいな。相性とかもあるから希良里きらりには才能があったんだろう」


 余韻に浸る希良里きらりの瞳には先ほどまで感じていた喜色の残滓ざんしが残っているように思える。


 あのプレイで無茶をすると裂傷を起こしたり筋が切れて大変な事になると言われている。


 それでも彼女には非常に相性がよかったようだ。

 あろうことか希良里きらりは繋がったまま体制を変え、器用に足を上げて体を反転し仰向けになる場面もあった。


希良里きらりって体柔らかいんだな。そういえば昔バレエやってたっけ」

「うん……。ダンスもするから、柔らかく保ってたの。有紗ありさちゃんも柔らかいよぉ」


「ほらほら、にーちゃん見てみてぇ♡」


 それを受けてか得意げに足を上げ始める有紗ありさ

 その角度はほぼ垂直に上がっていき、寝転がりながら"Yの字"から"Iの字"になっていく。


「うおお、すげぇ」


 2人のパンティが丸見えだ。


 先ほどまでの扇情的な光景が視界に鮮やかに蘇ってくる。


 2人は先ほどまでの感想を言い合い、思い出しながら余韻に浸っている。


「へへへ、希良里きらり良かったね。兄ちゃんの童貞もらえたね♡」

「うん♡ 後悔も、悔しさも、全然ないけど、やっぱり初めてをもらえるの、嬉しいだもん」


 心の内側にビリビリと伝わる喜びの感情。


 何故だかそんな感じがする。そういえば、俺の童貞を最初に捧げたのは有紗ありさだった。


 そしてアナル童貞を捧げたのは希良里きらり

 ある意味でバランスを取ったことになるのだろうか。


 他人の目からすれば馬鹿げたことかもしれないが、希良里きらりにとっては涙するほど嬉しいことなのだろう。


 その感情の証明は頬を伝う透明なしずくが証明している気がする。


「俺も、嬉しいよ。希良里きらりが喜んでくれて」


「えへへ、兄ちゃん♡」

「にーちゃん♡」


 動物のグルーミングみたいに自分の匂いを彼女達にすり込んでくる2人をナデナデする。


 所有証明欲求とでも言おうか。


 愛しさと独占欲が相まって二人を自分のものだと伝えたくてたまらない気持ちで溢れていく。


 それを受け取った二人のなんと嬉しそうな表情だろうか。


「やっぱりウチも頑張るから、にーちゃん今度は有紗ありさにも入れてね」

「いいぞ。ゆっくりで良いからな。ちゃんと開発に付き合うから一緒に気持ちよくなろう」



 どうやら満足してくれたらしい二人の表情と息遣いに男としての矜持が満たされた気がした。


 征服欲が満たされて高揚感が募る。


「ねえ兄ちゃん」

「なんだい希良里きらり


 甘えるような瞳。またこの目で訴えられると兄ちゃんはなんでも言うことを聞いてあげたくなってしまう。


「今度は、もっとハードなことしてみたい♡」

「もっとか……。例えばどんなこと?」

「んっと、縄で縛ったり、バイブ使ったり」


「なるほど。ソフトSM的なヤツってことだな」

「そう。本格的なのはちょっと怖いけど」

「いや、俺もさすがにろうそくとか鞭とかは勘弁だ。でも軽く縛ったりするくらいはやってみたいな」


「ねーねー。それだったらウチもできるかも、お尻に突っ込むのはちょっと時間かかるかもだし、二人とも縛ってにーちゃんが調教してぇ♡」


 二人しておねだりされたら断ることなどできはすまい。


 そういえば小春こはるもそういうこと興味ありそうなこと言っていた気がするな。


 性癖の広がりはどんどん拡張していく。これからが楽しみだ。



 春休みはまだまだ続く。


この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?