ホワイトミルクの二人と同居することになった。
大学の課題で忙しいが頼み込んでボディガードとして姉ちゃんにも合流してもらい、引っ越しなんかの手続きは明日以降進めていくことになる。
まずは親御さんの許可を取らないといけないので、その連絡をすることになったのだが、それらは電話一本ですぐに取ることができたらしい。
「うちの親って甘いんですけど、時々こういう冒険をさせたがるんですよねぇ」
――コクコク
ロシア語らしき言語で喋っていたが、そこでも小声でぼそぼそと喋っているので普段からあんな感じなのだろう。
彼女達の親御さんは随分と娘を信頼しているようだ。こんな大事なことを電話一本で許してしまうとは……。
下手をすると娘が危険な目にあっていたかもしれないというのに、そこは気にしないのだろうか。
若干モヤ付いてしまったが、人様の家庭事情に首を突っ込むモノではない……モノではないのだが……。
「娘が危険な目にあう寸前だったかもしれないのに……、もうちょっと何かあっても良いじゃないでしょうか」
「え?」
「すみません。人様の家庭のことですけど……。ちょっとモヤ付いてしまったというか」
「あ、いえいえ。お気持ちは有り難いですよ。うちの親ってちょっと特殊っていうか……まあ色々ある人なんで」
これ以上は踏み込むべきではなさそうだ。
我ながら、らしくないイラつき方をしてしまったようだ。
平常心平常心……。
「樋口、サン……クールに見えて……情熱的……デス」
「あんなじゅんぺーは久しぶりに見たなぁ」
「もともと凄く熱くなりやすいしナイーブだからね。順平にーちゃんは」
後ろからそんなことを言われている。格闘で強くなってからはあまり出なくなっていたのになぁ。
いや、
その日は事務所での打ち合わせや新しいマネージャーの手配。
諸々の手続きやらなんやらに付きっきりとなった。
◇◇◇◇◇
それは激動の1日が終わりを告げ、一人部屋のベッドで横になっていた時の事だ。
「ふう……色々ありすぎたな……」
ホワミルの二人がいるので一緒に寝るのはマズかろうと、俺はかなり久しぶりに一人で寝ることになった。
一度は眠りについたのだが、寝付けなくてフッと目が覚めた……。
「寝れない……どうしよう」
気分が昂ぶってしまっている。あんな凶器をもった相手とガチバトルをしたのなんて初めてだ。
戦いの後って気分が昂ぶるってのは今までもあったりしたが、ここまでではなかったのだ。
「すっっっっげぇムラムラする……」
種の保存本能とでも言おうか、戦いの昂揚感が性欲に変わり、さっきから勃起しっぱなしなのだ。
しかもなんで昨日じゃなくて今日なんだろうか。
昨日は色々と考えることが多すぎて昂ぶっている暇がなかったのかもしれない。
一息付ける今になってやっと身体と感情が追いついてきた感じだ。
皆が寝静まった頃、ペニスが異常にバキバキになってしまい、ムラムラしてしょうがないである。
「順平ちゃん……」
そっとドアが開き、
「
トコトコとこちらに近寄ってきたかと思ったら、抱き締められて押し倒されてしまった。
「うわっとッ!?」
薄暗い常夜灯のオレンジ灯りの中だったので咄嗟には反応できず、そのままベッドに倒れ込んだ。
「どうした
「……心配した」
「え?」
「あんまり無茶はしないでね……。私、心配で」
「そうだな。心配掛けてごめん。でも大したケガじゃないからさ」
「うん、分かってる。分かってるけど……」
「すまん。そういう問題じゃないよな。でもさ、こういう時のために強くなったんだ」
「そうだね。頭では分かってるんだけど」
「分かってる。心配掛けたな」
「にーちゃん」
「兄ちゃん」
しばらく
理由は同じらしく、両腕に抱きついてくる。
「心配したよぉ」
「悪い。俺もついさっき自覚したよ」
「あ……順平ちゃん……、昂ぶってるんだ」
「悪い……ムードなくなっちゃうな」
「そっか、にーちゃん戦いの後でムラムラしてるんだね」
「ごめんね、気が付かなくって」
「いやいや、そんなの……いや、そうだな。みんなで鎮めてくれるか。あの二人がいるから、静かにな」
薄暗い部屋の中でも分かる真剣な瞳を見て考えを改める。
三人ともがすぐに動いた。
最近はこういう動きのシンクロ率もどんどん高くなっていく。
今日の三人は手加減してくれないらしい。
いつも以上の激しい愛撫に彼女達の感情が乗って伝わってくるようだ。
この夜、俺達は幾度にも渡って生命の証明を交換しあい、身体中をキスマークと噛み跡だらけにされるのだった。
半開きになったドアの隙間から、熱い視線を注いでいる銀髪美女のオナニーに気が付く事なく。