「
蠱惑的で、とても魅力的な少女……。そのあまりにも魅惑の美少女に、私は押し倒されていた。
「あ……あ……あの、
「ん~、なぁに?」
「こ、これって……一体どういう……」
ベッドに押し倒された私の身体にのし掛かり、股の間に膝を押し付けられている。
「き、
「私ね、
「で、でも……
「気にしなくていいよ……。
「え、えええっ!? で、でも……」
「とりあえず今日は、私が色々教えてあげる。嫌なら、やめるよ?」
「い、いやじゃ、ないよ……。私も、
「私が今考えてることはね、いずれは、
「そ、それって、へ、変じゃないの? 自分以外に恋人がいるってことでしょ?」
「もちろん、私だって自分の知らないところで他の恋人ができるのは嫌だよ? だけど、皆一緒に愛し合っていけたら、それも気にならないじゃない。お互いとお互いが大切に思い合ってるんだから」
その考え方……ママに似ていた。パパを複数の女性で愛する時の考え方によく似てる……。
「それって、あの人も含まれるの?」
「兄ちゃんのこと?」
私は無言で頷く。正直、興味がないわけじゃない。パパ達が仲良くしている姿を見て、羨ましいと思っていた。
不思議なことに、私は多くの男性に愛されたいとは思っていなかった。
私を愛してくれる一人がいれば、男性は一人だけでいい。私を愛してくれる一人の人を探したい。
そう、パパみたいな人と愛し合いたかった。
だけどそれが困難であることも理解していた。並の男じゃパパみたいにはなれないし、きっと一生叶うことはない願いだと思っていた。
だから女同士ならそんなことで悩まなくて済むと思ったんだ。ずっとずっと忘れてたけど、そのことをやっと思い出した。
「私は、そのことを強制するつもりはないよ。でも、
そして、私はきっとそのまま流されて受け入れていただろう。
だけど彼女はそうしなかった。私の心に問いかけるように目を合わせてくる。
「私と
「どうして、それを私に言ったの? 言わなければ……」
言わなければ、私は知らないところでとろけるような偽りの幸せに浸っていたかもしれない。
でも彼女はそうしなかった。
「私ね、凄く欲が深いんだ」
「え?」
「私も
それから
樋口順平とどのような思いの果てに結ばれたのかを話してくれた。
その間ずっと息が掛かるほど距離が近く、おっぱい同士がくっ付いて擦れ合う。
「……ぁ」
私はそこから動けずに彼女の話に聞き入り、熱に浮かされたようなドキドキに胸を高鳴らせた。
魅入られて瞳に吸い込まれた私の意識は
一人の人を愛するために、自分の恋愛対象の性別すら広げてしまう……。
周りの大切な人の為に自らを変えてしまう心の強さは、素直に凄いと思う。
「ねえ、どうかな……? やってみない? ハーレム♡ きっと楽しいよ♪」
「できるかな、私に……? 男の人、苦手だし……」
「無理なら、これ以上は何もしないよ」
優しく微笑み、
熱に浮かされた身体が急激に寂しさに包まれ、私は思わず彼女の手を掴んだ。
頬に添えられた手を取り、真っ直ぐに視線を受ける。やがてその意志は徐々に私に覆い被さり、唇同士が触れ合った。
「んぅ、
「キスは、初めて?」
「ううん。お姉ちゃんと」
「そっか、残念……。じゃあ、いっぱいキス楽しんじゃお♪
「
「好きな人の為に、いっぱい頑張って大きくしたんだ」
「え? じゃあ、樋口順平のため?」
「そうだよ。兄ちゃん、大きなおっぱいが好きだから小学生の頃から頑張ってバストアップしてきたんだ」
「凄い……好きな人の為にそこまで努力できるなんて……どうして早く告白しなかったの?」
私はバカな質問をしたと思った。ハッとなり慌てて口を噤む私に、
「さっき言った通りだよ。
「凄いよ……私は、誰かのためにそこまで努力できる気がしない」
「人それぞれだよ。私が好きでしたことだもん」
「ねえ、一つ聞かせて」
「なに?」
「どうしてそこまでしたのに、知り合って間もない私やお姉ちゃんを仲間に加えようとするの?」
「私と
「それはそうだけど……」
「私にとってはどっちも大切な人だよ。ホワイトミルクがいなかったらキラキラアリスはあそこまでにならなかったもの」
それは答えのようで答えになっていない。
キラキラアリスとホワイトミルクは比較されることがとても多かった。
私だってキラアリの二人をライバル視していなかったと言えば嘘になるし、大いに意識していたことも事実だ。
彼女達と初めて顔を合わせた時の感動は言葉に言い表すことは難しい。
先日のコラボで直接顔を合わせた時、想像よりずっと綺麗で驚いた。
スマホの画面越しにみるのより何倍も綺麗で可愛い
「だから私、凄く感謝してるの。直接会った時間は短いけど、ずっとずっと前から、
「嬉しい……嬉しいよ
「だから欲深い私は、大好きな二人にも同じ幸せを押し付けたいの。私って、欲深いの。ううん。エゴイストなんだよ」
「そ、そんなこと……でも」
「可愛い♡
「
「そしてそんな私からのお願い。兄ちゃんのものになって♡」
ゾクリ、と身体の奥から這い上がってくるものがあった。
寒気にも似た恐怖を感じるほどの、底冷えする狂気の笑顔。
ああ、そうか……。
きっとこの子にとって、【順平兄ちゃんが喜ぶこと】が全てであり、そのためならどれだけでも自分をコントロールできてしまうんだ……。
恐らく私が樋口順平に
それどころか、彼女の怒りに触れたら無事でいられる気がしない。
そんな危険な麻薬と同じなんだ……彼女の魅力は。
「ねえ、私のおっぱいも触ってみる?」
「いいの? 触ってみたい」
そして、私はそんな彼女の【魔性】に、どうしようもなく魅入られてしまっている。
それが私達……いいや、私を取り込むためのエサだと分かっていても、食いつかずにはいられない。
直接触れてみて分かる、あまりにも柔らかな感触に感動を覚える。
「これが、
焦がれてやまなかった夢の感触。惜しむらくは、既にあの男によって開発されきった後だということ。
認めたくないけど、あの男が嫌いなわけじゃない。でも、独占欲にも似た嫉妬心を抑えることができそうもない。
いつもはフワフワしててお人形さんみたいな女の子なのに……。愛撫の仕方がテクニシャンとかそういうのとは全然違う。
快楽のツボを本能で理解してるのかもしれない。