羞恥プレイは一段落つき、今度はラブホにやってきた。
ラブホテルというのは人生で2回目だ。
前回は最高級クラスのホテルだったが、今回はスタンダードなものを選んでいる。
3人で入るとなると追加料金が必要だったりとちょっとシステム的にややこしかったりするが、手持ちのお金でなんとかなりそうだったので入ることにした。
「なあ2人とも、ちょっと提案があるんだけどさ」
「うん、いいよ」
「まだ何にも言ってないけど?」
苦笑しながら彼女の頭を撫でて髪を梳いた。
「ワイルドで乱暴な順平ちゃん……見てみたいな♡」
「どういうことデスか?」
俺と
どういうことかと説明すると……。
「
「んっと……さっき同人誌に出てくるチャラ男みたいだって言ってたよね。せっかくチャラ男っぽい格好してるんだから、それっぽいムーブしてみていい?って言おうとしたんじゃないかな」
「百点満点だ」
「やっぱり凄いデス……。
人生で初めてのクズムーブ。どこまでできることやらであるが、せっかくならトコトンやってみたいもんだ。
「じゃあシチュエーション考えてみるか」
「順平ちゃんとクズ男って対義語みたいだもんね。純粋に相性悪いと思うよ」
「だよなぁ。あんまり人にイヤな事ってし難いんだよね」
「優しいクズ男目指してみたら?」
「ものすげぇ矛盾した設定だなそれ」
思わず笑ってしまう。優しいけどクズってどういう風にやれば良いのやら。
「あ、じゃあこういうのはどうかな?」
彼女の出したアイデアによって、今から始まる3人でのエッチがかなり楽しいモノになりそうな予感がした。
「んじゃあ
今の俺は金髪で褐色でタトゥー入りの見た目危ない男だ。
できるだけ人を見た目だけで判断はしない主義であるが、同じ格好の男が目の前に現れたらお友達になろうとは積極的に思わないくらいには危ない男だ。
「うん、じゃあ私達もちょっと嫌がってみるね」
「まああくまでプレイだから、本当にイヤだったらタップして合図してくれな」
「分かった」
実はさっきやってみたかった事と言うのは
言葉遣いや相手に対する気遣いよりも自分の欲望を優先させることなど、色々と考えて設定してみる。
俺的にクズ男=自分勝手、あるいは欲望に素直、というイメージがある。
相手のことより自分の快楽が優先のセックスをする感じで、まずはやってみようということになった。
「あ、そうだ順平ちゃん」
「どうした?」
「せっかくだから
「ああ、なるほど。いつか寝取りっぽいシチュエーション見たいって言ってたもんなぁ姉ちゃん」
「うん。やっぱり私と順平ちゃんが
「二人でそんな事やってたのか。じゃあ今度映像付きで見せながらエッチしてあげなよ」
「あはは、それ良いかも。
「自分で言ったのか」
「うん。名付けて、『最後は誰も不幸にならないNTRプレイ』、だってさ」
なんというか、ネーミングセンスが独特だな。自分から恋人を寝取って欲しいと言ってくるあたり、本当に極まってきている。
この頃はラブラブエッチばかりしているけど、元々姉ちゃんは俺限定で寝取られることを性癖としている。
つまり
世の中には一定数、奪い取られることに酷く興奮する人種がいるが、まさかそれが自分の姉だとは露ほどにも思わなかった。
よし、さっきこの姿を爆笑された仕返しに最高の寝取りプレイ動画を撮ってやろうじゃないか。
「
「お任せくだサイ。さっきのでバッチリコツはつかんでマス」
姉ちゃんが興奮するのはあくまで
「あ、そうだ
「あはは、分かってるって」
万が一姉ちゃんに冗談が通じず、ガチのヤツだと誤解されると俺は間違いなく死亡が確定するので取り扱い注意だ。
「それじゃあ始めるか。シチュエーションは姉ちゃんの恋人である
「ご主人様の性奴隷、興奮しマス♡」
実は
メイド服とか着せてみたいもんな。有紗に全員分オーダーしてもらえるように頼んでおこう。
あ、
「よーし、それじゃあ始めるか」
そうして寝取られ風動画の撮影がスタートした。
俺も
一応本気のアウトな時は俺の身体のどこかを3回タップするという合図を決めてある。
俺達はベッドに座り、
ビクリと身を固くした身体を足で挟むように抱き寄せ、カメラに向かってセリフの第一声を発する。
「よーすっ、
「
「今から
俺はできるだけ見たらムカつきそうな喋り方で声を出してみる。こんな喋り方したら確実に姉ちゃんの鉄拳が飛んでくるレベルを想定してのチャラ男ムーブだ。
「そんな怖がって身を固くしないでよ
「そんなこと……無理です……」
「心配しなくても痛くしないからよ。ちゃんと気持ち良くしてあげるからね」
DQNっぽい喋り方はできているだろうか。自分の言動に自信が湧いてこない。
慣れないことはするもんじゃないな。
「写真、ちゃんと消してくださいね……。
「わーってるって。
シチュエーションとしては、姉ちゃんと
というアウトラインを決めた。ちなみに
あとは適当にアドリブだ。
途中で噴き出さないように注意しなければな。
◇◇◇
小春を擬似的に脅して手籠めにしちゃうプレイはめちゃくちゃ気に入ってくれたみたいだ。
「
「はひぃ……未経験の快楽でした……」
それは良かった。目標の優しいクズ男ができていたかは正直分からないが、満足を与えることはできたらしい。
「
「うん。まだ色んなところが痺れてるよ……」
息を弾ませながらベッドに突っ伏す
「
「ダイジョブ、ワタシ、興奮、デス」
普段以上に片言が加速している。どうやら本当に興奮しているらしい。
三人でベッドに川の字になって寝転び、うつ伏せで並びながら動画の再生ボタンを押した。
「うーむ。こうしてみると本当にただのDQNだな。優しいクズ男にはほど遠いな」
「そうかな? ちゃんと順平ちゃんの優しさは伝わって来たけどなぁ」
「それは
「私にとっては百点満点かなぁ。意外と向いてるかもしれないよ」
「いやまあ、興奮はしたけど終わった後の罪悪感が凄いな……。これは
「そうかな。みんなイケると思うよ」
「ワタシも、そう思います。ワタシも、して欲しいデス」
「でもやっぱりちょっと優しすぎるかなぁ。最初はもっと乱暴にしても良いと思うよ。その方が最後の方の優しさが際立つと思うし」
「それってDV男のやり方じゃんか」
「えへへ。なんかアレだね。私って順平ちゃんを好きにならなかったら、ダメ男にハマるタイプかも。今の順平ちゃんだったらお金貢いでセックスお願いするのかな」
「いやそれもう優しさとかなしの本気のクズじゃんよ。なんか嘘でも想像すると悲しくなるからもうやめようぜこの話題」
「うん、ごめん。私もちょっと興奮の余韻で変なこと言ったね。あくまでプレイだって分かってるから楽しいと感じるだけだもんね」
「ま、たまに刺激を求めてやる分には良いだろう。俺も興奮したのは事実だし」
「そうだね。あ、どうせならさ、動画の上映は花恋ちゃんとエッチするときにやってみようか」
「姉ちゃん喜びそうだな。グヒグヒ言いながらよがりそうだ」
実際結構際どい喘ぎ声を出しながら倒錯的な性癖に喜びを見出すのが姉ちゃんだ。
その前に一発くらい殴られるだろうが、それを込みにしても気持ち良くなってくれるだろう。
「ご主人様、
「いつも思うけど、恋人じゃダメなの?」
「恋人、嬉しいデス……。我が家、夫に仕えるのが女の幸せ。恋人、夫、ご主人様、デス」
片言で伝えてくる
「やっぱり
そして二人を並べてみると顔もそっくりに見えてくる。
恍惚の表情で奉仕を喜ぶ性格もそっくりだった。
「うれしいデス…。ご主人様に分かってもらえて、はぁん♡ んぅ、
どうやら
何に嫉妬したのかというのか。それは多分本人も自覚していないだろう。
奉仕者としてのレベルが誰よりも高いことは、多分誰もが認めるところだろう。
その
と、ぼんやりとではあるが、何となく俺はそんな風に感じた。
それをもっとハッキリと自覚するのは、俺達の関係性がもっと深まってからになるのだが、この時の俺はまだその程度の認識しかしていなかった。
「ふはぁ……クズ男らしいことする暇もなかった」
「ご主人様は、やはりご主人様であれば、よいデス」
「私もそう思う♡」
その後、シャワーを浴びて小麦肌のクリームを落とし、タトゥーは家に帰ってから希良里達に落としてもらった。
◇◇◇◇◇
翌日、
「やっぱり普通の格好が一番落ち着くなぁ……クズ男ムーブは色々と心が削れるからたまにだけにしたいもんだ」
「にーちゃん動画みたーっ! チャラ男セックスッ、ウチもヤリたい♡」
「兄ちゃんあんなに激しくできるんだ♡ 私もやって欲しいなぁ♡ ねえ兄ちゃん。もっといっぱいご奉仕するから私達もしたいなぁ♡」
「ほら、やっぱり私の言った通りだったでしょ? 花恋ちゃんもして欲しいって」
「マジか……クズ男大好評だな」
まさかの大好評であった。
まあ、たまになら自分のカセを外した激しいのも悪くないけど、人格的にあんまり向いてないので本当にたまにだけにしてもらおうかな。
「今度はメイド服にしてぇ、首輪も付けてみよっか♡」
「希良里サン、それ、とても素敵デス♡」
「またバニーガールやってみたいね。若菜ちゃんも誘ってみようか」
女の子達はキャイキャイと姦しく次はどんなエッチをするか相談している。
ハーレムという特殊な環境を、彼女達はとことん楽しんでいるようだ。
(若菜ちゃんももう少しで落とせそうだし、これから楽しみだなぁ♡)
そんなことを希良里が呟いているとは、この時の俺は露知らず。まさかあんな形でハーレムに加わるとは思っていなかった。
まあ、知っての通り、このあとの旅行で希良里が若菜を落とし、希良里のためにハーレムで処女を捧げることになるのだ。
彼女との関係の発展も今後の課題となっていくだろう。せっかく皆でやってるハーレムだから、できれば仲良くしていきたいものだ。