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第5話  ワタルとナオ No.9ー4

 旭川動物園、富良野の日帰りツアーから、バスセンターに戻り。


 殆どは、小さなお子様連れの若い女性ばかりのツアーで、問題なく終了して、ホッとしていた。

子供は可愛い。男の子も女の子も、可愛い。


 センターの中に、バス会社の事務所があって、そこに狭いけれど更衣室がある。

そこで、ユニホームから私服に着替える。

私服といっても、私は、ジーンズにTシャツ。

それも、高校時代から着ているもので、くたくたになってる。


 もう、慣れてしまって、周りの人の目は気にならない。


ユニホームは、変わった。


とても素敵なスーツに。

スカートとスラックス、どちらを使ってもいいらしく。


寒くなった時のために、ジャケットやハーフコートまでセットされていた。


ナオのお陰。ありがとう、ナオ。


 バスセンターを出ると、目の前に女性が。


もし、男性だったら、無視して逃げただろう。私は足が速い。


女性だったことと、相手は二人。


なんか、上手く言えないけど、磁力みたいなものを感じて。


 背の高いスレンダーな方が、


「熊倉三郎君に頼まれて。」


無造作に後ろに柔らかい髪を一つに纏めた方が、


「杉下尚さんに、、明確に言うと、杉下尚さんが、お祖母ちゃんに頼んで、その、お祖母ちゃんの依頼で、来ました。


 今、8時過ぎてますね。


お疲れとは思いますが、レストランの方は、今夜はバイトはお休みでしょう。


30分だけ、付き合って下さい。私達の話を聞いて下さい。」


 熊倉君は、高校のいっこ上の先輩で、私が高校2年の時、熊倉君が生徒会長で、私が副会長だった。


尚の名前出されて、しばし、考えて。


「尚のお祖母ちゃん、笑います?」


「笑わないね、ね、ツキコさん、笑ったの見たことある?」


「無いわ、、無い、、リエさんの方が付き合い長いよね、、笑った事ないのかな?」


 尚から聞いていたから。

二人を試しているわけじゃないけど。


ついでに、もうひとつ、聞いてみる。


「尚のお祖母ちゃんて、コーヒー好きですか?」


リエと名乗った方が、


「コーヒーは苦手、嫌いらしい、日本茶しか飲まないわ。」


ツキコと名乗った方は、


「あの人が出席する時は、コーヒー禁だよね。」


私は、二人の話を聞く事にした。


それにしても、二人は、スレンダー過ぎで、爽やかで。


また、リエと名乗った方は、ぞくぞくする美しさで。






       (つづく)

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