旭川動物園、富良野の日帰りツアーから、バスセンターに戻り。
殆どは、小さなお子様連れの若い女性ばかりのツアーで、問題なく終了して、ホッとしていた。
子供は可愛い。男の子も女の子も、可愛い。
センターの中に、バス会社の事務所があって、そこに狭いけれど更衣室がある。
そこで、ユニホームから私服に着替える。
私服といっても、私は、ジーンズにTシャツ。
それも、高校時代から着ているもので、くたくたになってる。
もう、慣れてしまって、周りの人の目は気にならない。
ユニホームは、変わった。
とても素敵なスーツに。
スカートとスラックス、どちらを使ってもいいらしく。
寒くなった時のために、ジャケットやハーフコートまでセットされていた。
ナオのお陰。ありがとう、ナオ。
バスセンターを出ると、目の前に女性が。
もし、男性だったら、無視して逃げただろう。私は足が速い。
女性だったことと、相手は二人。
なんか、上手く言えないけど、磁力みたいなものを感じて。
背の高いスレンダーな方が、
「熊倉三郎君に頼まれて。」
無造作に後ろに柔らかい髪を一つに纏めた方が、
「杉下尚さんに、、明確に言うと、杉下尚さんが、お祖母ちゃんに頼んで、その、お祖母ちゃんの依頼で、来ました。
今、8時過ぎてますね。
お疲れとは思いますが、レストランの方は、今夜はバイトはお休みでしょう。
30分だけ、付き合って下さい。私達の話を聞いて下さい。」
熊倉君は、高校のいっこ上の先輩で、私が高校2年の時、熊倉君が生徒会長で、私が副会長だった。
尚の名前出されて、しばし、考えて。
「尚のお祖母ちゃん、笑います?」
「笑わないね、ね、ツキコさん、笑ったの見たことある?」
「無いわ、、無い、、リエさんの方が付き合い長いよね、、笑った事ないのかな?」
尚から聞いていたから。
二人を試しているわけじゃないけど。
ついでに、もうひとつ、聞いてみる。
「尚のお祖母ちゃんて、コーヒー好きですか?」
リエと名乗った方が、
「コーヒーは苦手、嫌いらしい、日本茶しか飲まないわ。」
ツキコと名乗った方は、
「あの人が出席する時は、コーヒー禁だよね。」
私は、二人の話を聞く事にした。
それにしても、二人は、スレンダー過ぎで、爽やかで。
また、リエと名乗った方は、ぞくぞくする美しさで。
(つづく)