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第6話  ワタルとナオ No.9ー5

 バスセンターから西に向かって、創成川公園を越え、北に向かう。


 二人は、航空会社のホテルに泊まるのだと言って。


「大事な話だから、静かな所がいいでしょう、私達の泊まる部屋で話しましょう。」


私は、曖昧に、はいと小さく答え。

すると、ツキコと名乗った人が、


「お腹空いたなあ! ルームサービス頼んであるから、夕食一緒に食べてね。


ワタルさんは、好き嫌いないでしょう。


ま、こちらの調査では、アレルギー無しだったよ。


和食だけど、お肉メインの頼んでおいた。あーあ、お腹空いたわ!!」


二人は、寒いねとか言いながら、腕に掛けていたスーツのジャケットを羽織り。


私は、この人達、北海道の人じゃないなと。私は、暑くてならないのに。


リエと名乗った人は、ホテルに向かって、歩きながら、


「ワタルさん、あなた、スマホか携帯かしらないけど、メール見ないの?」


「いえ、見ます。 派遣の仕事依頼はメールで来ます、だから、見ます。」


「ふーん?! すると、、無視してるの? 」


ツキコと名乗った人が、


「拒否してるんじゃないよね、戻らないんだから。


熊倉三郎君ね、あなたに、かなり、メール送ったみたいよ、、


何度送っても、返信なくて、それで、彼が直接、私達の会に依頼してきたのよ。


あなた、沢山メール届いても、 無視できちゃうの?」


「あ、あの、先輩のメールですか?」


「熊倉三郎君のもだけど、私も、リエさんも、メールしたのよ。」


「あ、私、いろんな事あって、、避けてて。


高校の友達とは、、避けてて。」


ツキコと名乗った人は、がっと振り向き。


先頭はツキコと名乗った人、二番目に私、最後にリエと名乗った人、一列になって、速足で歩いていた。


「あ、もしかして、あなた、メールボックス、振り分けしてるんじゃない?」


「あ、はい、そうです。


母と弟と会社、レストランのオーナー、ナオ、それだけは、振り分け1で、


それ以外は、その他。


なので、その他は見たことない。」


今度は、リエと名乗った方が、


「メールボックス、その他の方、イッパイになってるかもね。


 一度、整理したら?」


それについては、返事をしなかった。

今の私には不要だと考えていたから。

だいたい、熊倉先輩は、何を勝手に依頼したのだろう。そういうお節介が、私は嫌いだった。







       (つづく)

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