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第9話  ワタルとナオ No.9ー8

 なかよし会。私は知らなかった。

熊倉先輩は知っていたのだろうか。

熊倉先輩は、大学に貼ってあったポスターで、知ったらしい。


 返済の必要の無い奨学金。

個人だけでなく、研究所などの団体に出資しているとか。

審査は厳しい。

一旦、審査に通っても、不正が認められたり、怠けていたりすると、奨学金はストップするようで。


 本来は、本人からの申し出で審査に入るが、熊倉先輩の熱意に、月子さん個人として、動いたとか。


 月子さんは、以前、私のように、ただ、がむしゃらに働くしかなかった時期があったそうで、


自分と私を重ねたらしい。


  条件は、弟一人ではダメ、私と弟をセットとして、出しましょうと。


 月子さんの話は、ぴったり15分で終わった。


次に、一言も口を差し挟まないで、静かに食事をしていた理恵さんが話し出す。


理恵さんは、話し出すと、かなり事務的で、冷たさを感じるくらいだった。


 おたすけばあの歴史について。


現在のおたすけばあの概要。


私は、つい最近、マエハシカエデについての件で、おたすけばあの力は知っているはずだと。


つまり、日本に限らずに、大企業に強いおたすけばあってことらしい。


 母の入院、治療費については、今後、私が30歳になるまで、おたすけばあで持ってくれるとか。


また、現在住んでいるアパートを出て、地下鉄駅寄り、私ががバイトをしているレストランの斜め裏西側にある、少し古いが、マンションに引っ越してほしい。


 引っ越し費用、家賃、共用費などは、すべて、私が30歳になるまで、おたすけばあでみてくれ、一切合切返済の義務はない。


  夢のような話で。母も、弟も了解したらしいが、何故、私のような人間に、尚も、おたすけばあのメンバーなの? 月子さんは、


「意固地にならないで、好意は受けて。


私は、辛い時期に、ひとつだけ光があった。

その光をしっかりつかんで生きたの。


その光は、現在の夫。


子供も3人いる。 ワタルさん、運なのよ、あなたの。


 必死に真っ直ぐに懸命に頑張ってきたよね。

自分の事は無視して。


メールボックスも見ないんだからね。


神様は見てるのよ。


 あなたのお父さんは、あなたと同じ、自分より人、困っている人、病気で苦しむ人を助けてきた、、


その子供よ、あなたは。


 神様は見捨てたりしない。


あなたが、できるようになったら、世の中に、何かの形で恩返ししたら。」


  私は、信じてみようと。


なかよし会と、おたすけばあを。


そして、ひとつだけ、質問をした。







        (つづく)

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