なかよし会。私は知らなかった。
熊倉先輩は知っていたのだろうか。
熊倉先輩は、大学に貼ってあったポスターで、知ったらしい。
返済の必要の無い奨学金。
個人だけでなく、研究所などの団体に出資しているとか。
審査は厳しい。
一旦、審査に通っても、不正が認められたり、怠けていたりすると、奨学金はストップするようで。
本来は、本人からの申し出で審査に入るが、熊倉先輩の熱意に、月子さん個人として、動いたとか。
月子さんは、以前、私のように、ただ、がむしゃらに働くしかなかった時期があったそうで、
自分と私を重ねたらしい。
条件は、弟一人ではダメ、私と弟をセットとして、出しましょうと。
月子さんの話は、ぴったり15分で終わった。
次に、一言も口を差し挟まないで、静かに食事をしていた理恵さんが話し出す。
理恵さんは、話し出すと、かなり事務的で、冷たさを感じるくらいだった。
おたすけばあの歴史について。
現在のおたすけばあの概要。
私は、つい最近、マエハシカエデについての件で、おたすけばあの力は知っているはずだと。
つまり、日本に限らずに、大企業に強いおたすけばあってことらしい。
母の入院、治療費については、今後、私が30歳になるまで、おたすけばあで持ってくれるとか。
また、現在住んでいるアパートを出て、地下鉄駅寄り、私ががバイトをしているレストランの斜め裏西側にある、少し古いが、マンションに引っ越してほしい。
引っ越し費用、家賃、共用費などは、すべて、私が30歳になるまで、おたすけばあでみてくれ、一切合切返済の義務はない。
夢のような話で。母も、弟も了解したらしいが、何故、私のような人間に、尚も、おたすけばあのメンバーなの? 月子さんは、
「意固地にならないで、好意は受けて。
私は、辛い時期に、ひとつだけ光があった。
その光をしっかりつかんで生きたの。
その光は、現在の夫。
子供も3人いる。 ワタルさん、運なのよ、あなたの。
必死に真っ直ぐに懸命に頑張ってきたよね。
自分の事は無視して。
メールボックスも見ないんだからね。
神様は見てるのよ。
あなたのお父さんは、あなたと同じ、自分より人、困っている人、病気で苦しむ人を助けてきた、、
その子供よ、あなたは。
神様は見捨てたりしない。
あなたが、できるようになったら、世の中に、何かの形で恩返ししたら。」
私は、信じてみようと。
なかよし会と、おたすけばあを。
そして、ひとつだけ、質問をした。
(つづく)