ナオのお祖母さんについて、尋ねた。
「尚さんは、おたすけばあのメンバーではない。
お祖母さんがメンバー。元締めかな。
日本の全国にバラバラに存在していたものを、ひとつに纏めた人。
しっかりした組織を構築した人。
世界的な組織にした人。
今から60年ほど前にね。
私達三人、みんな、まだ生まれてない。
資金面、法律面、私達みたいに、組織専属で動く者の生活、、単に、金銭的に救うだけでなく、悪い奴らを処罰する、そのように規律を作って。
尚さんのお祖母さんは、私達はマイさんと呼んでいる。
けど。それ以上は知らない。
語学にも、経済学にも、才能がある、人脈がすごい、、
私達が知ってるのは、それくらい。
顔は尚さんに似てる。
若い時は、きっと、可愛らしかったはず。
美人というより、愛らしい。
絶対に笑わないけど。」
ふーん、そうなんだ、だから、ナオは魅力的なんだ、
自分では気付いていないかもしれないけど、ナオは魅力的なんだ。
私は、宜しくお願いしますと頭を下げた。
理恵さんが、忘れるところだったと言い、紙袋を渡してくれた、中には、びっしり、サラダ味のプリッツの箱が。
「会社で会えないから、渡してほしいって。
ナオさん、カウンターにオデコぶつけて、私達に、ワタルを宜しくって、、。
いい子だよね。だけど、ちょっと、変わってるね。
こんなに、プリッツばっかり!」
ホテルの1階、玄関まで送ってくれた。タクシーを呼んでくれて、弟に食べてもらってと、ホテル名が入った紙袋を。
私達が食べたと同じお料理のお弁当とか。タクシー代だと言って、理恵さんが、私のジーンズのポケットに。五千円札をねじこんで。
月子さんは、最後に今夜は、メール、その他のボックスを整理しなさいと。
約束よ!と。
私は、素直さを忘れていたのかもしれない。
急に、貧しくなって。
生きることだけに必死で、意固地になっていたのかもしれない。
今夜は、メールを整理しよう。
熊倉先輩にも、ありがとうとメールを送ろう。
高校時代の友達、頑張って、頑張ってと、メールを送ってくれていた、Yや、Wや、Aに、長い間、返信しなくてゴメンねと、メールを送ろうと考えた。
私は、ひねくれてしたのかもしれない。
しらずしらずに。
素直になろう。
ナオのように素直に。
(了)