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第10話  ワタルとナオ No.9ー9


 ナオのお祖母さんについて、尋ねた。


「尚さんは、おたすけばあのメンバーではない。

お祖母さんがメンバー。元締めかな。

日本の全国にバラバラに存在していたものを、ひとつに纏めた人。

しっかりした組織を構築した人。

世界的な組織にした人。

今から60年ほど前にね。


私達三人、みんな、まだ生まれてない。


資金面、法律面、私達みたいに、組織専属で動く者の生活、、単に、金銭的に救うだけでなく、悪い奴らを処罰する、そのように規律を作って。


  尚さんのお祖母さんは、私達はマイさんと呼んでいる。


けど。それ以上は知らない。


 語学にも、経済学にも、才能がある、人脈がすごい、、


私達が知ってるのは、それくらい。


  顔は尚さんに似てる。


若い時は、きっと、可愛らしかったはず。


美人というより、愛らしい。


絶対に笑わないけど。」


ふーん、そうなんだ、だから、ナオは魅力的なんだ、


自分では気付いていないかもしれないけど、ナオは魅力的なんだ。


 私は、宜しくお願いしますと頭を下げた。


 理恵さんが、忘れるところだったと言い、紙袋を渡してくれた、中には、びっしり、サラダ味のプリッツの箱が。


「会社で会えないから、渡してほしいって。

ナオさん、カウンターにオデコぶつけて、私達に、ワタルを宜しくって、、。


いい子だよね。だけど、ちょっと、変わってるね。


こんなに、プリッツばっかり!」


 ホテルの1階、玄関まで送ってくれた。タクシーを呼んでくれて、弟に食べてもらってと、ホテル名が入った紙袋を。


 私達が食べたと同じお料理のお弁当とか。タクシー代だと言って、理恵さんが、私のジーンズのポケットに。五千円札をねじこんで。


  月子さんは、最後に今夜は、メール、その他のボックスを整理しなさいと。

約束よ!と。


 私は、素直さを忘れていたのかもしれない。

急に、貧しくなって。

生きることだけに必死で、意固地になっていたのかもしれない。


今夜は、メールを整理しよう。


熊倉先輩にも、ありがとうとメールを送ろう。

高校時代の友達、頑張って、頑張ってと、メールを送ってくれていた、Yや、Wや、Aに、長い間、返信しなくてゴメンねと、メールを送ろうと考えた。


 私は、ひねくれてしたのかもしれない。

しらずしらずに。

素直になろう。

ナオのように素直に。







        (了)

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