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第17話  相性 No.22ー7

 翌週、夫は本当に水曜日は帰宅しなかった。

木曜日、遅刻などしたことのない橋場さんが、1時間遅刻してきたらしく。

女性社員達は、トイレで化粧室で、リフレッシュルームで、ひそひそ騒いでいた。


「みた?! 橋場さん、すごいクマ、、。

ね、だるそうな顔して。

でも、機嫌いいわよ、」


「常務と、昨夜、激しかったのよ。

もしかしたら、朝まで、常務、頑張ったとか、、フフ、、」



それって、一体、何?!

私は、3階には用はなかったけれど、エレベーターで3階で下り、何くわぬ顔で廊下をぶらついた。


秘書室から橋場さんが出てきて。


「あら、モノクロさん、こちらの階に用事?」


「いいえ、あなたの顔を見にきました。」


「あら? まあ? 」


「クマが出来てるとか、聞きましたので。」


橋場さんは、ニコッとして、ぴったり私に体を付けると、小さな声で耳元に囁いた。


「あなたのご主人ですけど、とっても、お強くて。

朝まで、離して下さらなくて。

じゃあね。お仕事、真面目になさい!」



私は、夫も橋場さんも、頭が狂っているのだと。


「あの、常務さんですが。

大丈夫ですか?」


「ご心配なくてよ。常務はプレイボーイ、何人もいるの。


それとね、あなたのご主人は、最高よ、私にとっては、今までの男性の中で最高なの。

あなたのように不感症の女性には理解出来ないでしょうが。」


私は、びっくりした。

夫の事を最高とは。

常務より良いという意味なのか。

そして、不感症って、不感症って、何?

私が不感症ということ?



夫が橋場さんに言ったのかな?

私は、その言葉が、ひどく気になった。


理恵に聞いてみようと思った。

メールをした。理恵に。

私が知らない一般的な事を何でも知っている理恵に。



そして、理恵からの返信を開き、すっかり驚いてしまった。

まさに、私のことだから。


理恵にそのようにメールすると、今夜会いましょうと返信してきた。


私は不感症という病気なのかもしれない。

少し、不安になってしまい。


理恵に会う約束をした。


カギを買わなければならないが、何処で売ってるか、それも、理恵に教えてもらおうと、それが私の悪いところ、チマチマコマコマ面倒なことは投げる。


そして、ついでに理恵に夫の浮気についてもメールしておいた。理恵には何でも話せる。






       (つづく)

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