目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第18話  相性 No.22ー8

 理恵は、手書きの地図をスマホで写したものを添付してきて、「おたすけばあ」で待っていると、メールを送ってきた。


 私は、そのような店は行ったこともなく、机に向かってからもスマホを開き、地図を拡大しながら、マジマジ見る。


 銀座5丁目? そのあたりは、ちょくちょく歩いているはずだけれど、

「おたすけばあ」という店は知らない。


ビルとビルの谷間にある、古い店らしく。

まあ、行ってみようと思った。


 いつもは、会社の帰りにスーパーかデパ地下で買い物をして、さっさと帰宅して、夕食の準備をするのですが、今日は、する気がしない。


私は、友達は、料理など何も出来ないと思っているようだが、結構、料理好き。

高校生の頃から、自分のお弁当も作ったりしていた。


 二十歳の誕生日に、祖母が証券会社に口座を開いてくれて、株取引のノウハウを教えてもらうようになると、大学帰りも、急いで帰宅して、パソコンを開くようになり。

外食より、自分で作った安全なものを食べて、投資に神経を集中していたいようになり。



もともと、多少なりとも、ずれている性分のようで、株取引をするようになり、ずれ方がひどくなったのかもしれない。

友達が、彼氏、彼氏と浮かれていても、私は、異性には、全く興味がなかった。


お金儲けをしたいのではなく、勝負なのだ。

自分の予想があたるか、外れるか。

面白かった。


 祖母は株。母はFX。

私は、母が真夜中にパソコンに向かって、チマチマやって、今日は2万、昨日は、1万5千とか言っていたのを、小さな頃から、見ていて。

やるんだったら、祖母のように、3百儲かった、、5千、いった、と、桁が大きい、株取引をしたいと思った。



私も母も祖母も、所謂、投資のセンスが、いや、才能だろうか、血筋的にも、あるのだろう。


私は、大学を卒業する時には、すでに、8千万ほどの余剰金があった。

余剰金とは、つまり、証券会社の口座に、いつでも株を買えるようにプールしてあるお金で。

持っている株を、その時点で現金換算したならば、ゆうに、2億を越えていた。



しかし、そんな私が証券レディーになりたいと願っても、証券会社では、いらないと振ったわけで。


自分の思い通りにならないのが、世の中なのだと、その時、初めて知ったはずで。

多分に、のんきです。









        (つづく)


この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?