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第23話  相性 No.22ー13

 昔の無尽。学校で習った記憶はある。

相互扶助の考えで、仲間が集い、お金を出し合い、積み立てる。


順番に、ないしは、仲間でお金に困ると、積み立てられたお金から援助するような組織。


「おたすけばあ」は、その無尽から始まったらしい。

その集まる場所がこのお店の場所だった。

明治、大正、昭和、平成、令和と、その流れを受け継ぎつつ、今は積み立てるとかではなく、メンバーは、それぞれの世界で大御所であり。

メンバー内というより、外部の人で、助けを必要な人を援助しているとか。


つまり、理恵は、そのバックヤードの仕事をしているらしい。


理恵は私からのメールを母親に見せ、母親は組織のネットワークで、すぐ、私の夫の調査を始めたとか。

私は、いつものことながら、宜しくお願いしますと、理恵の母親に母親の組織に、離婚の件は任せることにした。



この数時間だけでも、夫の調査は、かなり進み、所謂、頭の良いエリートではあるけれど、学生時代から、無類の女好きで。それも、年上専門とか。


理恵も理恵のお母さんも、別れたほうがいい、このタイプは、繰り返す、それに、自分の給与は生活費に一切出さないのも問題有り、ケチなのね。

いずみちゃんの財産、すっかり計算してるのよと。


そして、理恵のお母さんは、


「今夜は、大介のところで泊まりなさい。

ご主人への連絡は任せて、理恵のとこに来たことにするわね。

いずみちゃん、大介に可愛がってもらって、自分が不感症ではないという自信を持ちなさい。

私が思うのは、抱かれて感じるって、大切なことよ。まして、いずみちゃんのように美しい人が。

知るとね、世界は変わる。

もう離婚決めたのよ、今夜は少し飲んで、大介に任せて、、ね。」



あれ? あれ? 考える暇などなかった。

私は、大介さんに、ときめいていたし。

大介さんがトレーに載せて持ってきてくれた、紅いカクテル、甘く、少し、カシスの香りのするカクテルを飲み干すと、体から力が抜けた。




気が付いた時、私は見慣れない部屋の大きな、私のマンションの寝室のダブルベッドより大きい、たぶん、キングサイズのベッドに寝かされていた。

横には、大介さんの顔があり。

そっと、自分の体に触れると、私は何も身に着けていなかった。スキャンティさえもはいていなかった。









       (つづく)


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