大介さんのマンションから横浜の実家に来る前に、私の前日まで住んでいたマンションに寄り、当面必要なモノを持ち出した。
理恵は、携帯電話で誰かに連絡を取り、
「今は大丈夫、あせらなくていいよ、旦那は、銀行で仕事中だから。」
私は、きっと、夫には見張りがついているのだなぁと。
「おたすけばあ」のメンバーは、何人くらいなのかと理恵に聞くと、
「そうね、何万人もいるわよ、今は世界中にいる、、いずみ、大介もメンバーよ。」
何万人もいるのかと、びっくりだった。
「あえて、秘密にする必要もないけどね、誰彼かまわずに、おたすけばあの事、しゃべらないのよ。
うーん、つまり、この組織は、徳川の時代から受け継がれているの、、最近、日本を拠点にした、ある組織ともタッグを組んで、より大きくなったの。
いずみに今回の経費を請求したりは無いから、安心して。
大介だけど、あいつ、子供の時から、神童かと言われた位に、頭良くて、私の自慢の従兄弟だったの、それがね、大学は絶対、美大に行くって、そこから狂ったかな。
超一流大学、国立も私立も受かってたんだよ、それがね、意地を通してさ。
おじちゃんも、おばちゃんも、美大だったら勘当するって。
あいつ、肉体労働してさ、自分で頑張ってて。
私のママは、あいつのこと可愛がってたからさ、、ほっとけなくて、ずっと援助してたんだ。
その恩返ししたいって、あいつもメンバーになったんだよ。
ヨーロッパ中を自由に動いているから、あっち関係の件の時は、かなり役立ってるみたい。
ま、いずみは、安心してて。
私の言う通りに行動してて。
そんなに日数かからないで決着するから。」
私は、うん、うんと頷くだけだったけれど。
大介さんの事を聞いて、ますます好きになり。
「でも、なぜ、大介さんのこと、あのね、、どうして、好きになったらダメなの?」
「解らない? パトロンよ、、大介は、自分で望まなくても、マダムキラーなの、
そのパトロン達、、元貴族のマダム達がね、大介が結婚するなど許さないのよ。
大介も辛いとこね。」
私は、理恵の説明を、半分は理解出来なかった。
パトロンでも何でも、大介さん自身が決める事に口出し出来るものなのかな?
何故、大介さんが、そんな人達に左右されるのかと。
しかし、しばらくは黙っていようと思った。
頭が混乱してきていた。
(つづく)