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第28話  相性 No.22ー18



 夫と会うことなく、事は順調に進められていたのか、すすっと、離婚出来た。

慰謝料などは、一切、いりません。

車でも、洋服でも、私が買ったなど、関係ありません、あなたのモノですから、全部、持って行って下さい。


夫は、急きょ、シンガポール支店に転勤になったようで。

私は、自分にも責任があったのだろうなぁと、おぼろげに感じていた。


 妻に相談出来なかった、自分の両親にも、職場の上司にも相談出来なくて、仕事のストレスの上に、お金の心配も。


理恵は言った。

ある意味で、いずみに対して、男らしくありたい、夫らしくありたいって、考えていたみたい。

月に30万は軽く取られるマンションに、いずみのお陰でタダで住まわせてもらって。

高級車を買ってもらって、スーツもゴルフ道具も、高級品を買ってもらって。

すまない、申し訳ないって、思ってたみたいと。

また、きっと、贖罪の意味っていうか、贖罪の気持ちが、せめて、毎晩、感じない妻を抱くという行為になったんじゃないかなとも言って。



私は、気付くべきだったのだろうか。

夫の苦悩に。

知らない内に出来ていた子供の養育費、そういうのだったら、出してあげたのに。



そして、理恵は少し、怒りを込めて言った。


「私、ママがシングルマザーで育てられたでしょう、、ママは覚悟の上だったから。

その相手の人に、一切、頼らないで、私を育てたのよ。

ママとぶつかった事もあるけど、ママの女としての意地みたいの、立派だと思う。

そう考えると、いずみの旦那に養育費を要求してきた二人の女、変だと思う、なんとなくね、、男が結婚してから、もっさりと要求してきて、なんかさ、私は、そういうの、嫌いだよ。」


私は理恵の話に、なるほど、なるほどと思い。

「おたすけばあ」には、


「離婚に際して、慰謝料等、私は一切いらないが、夫が今後も払っていくべき、二人の養育費について、少し多すぎるかもしれないので、出来れば、減らしてやってほしい。」


と、頼んでおいた。


職場の秘書課にいた、夫の浮気相手の橋場さんが、急に退職した。

次の人への引継ぎも何もなく退職し、女子社員達は、常務と何かあって別れたのだろうと噂していた。

しかし、私は知っていた。橋場さんは、シンガポールに行って、私の元夫と暮らしている。



「おたすけばあ」って何だろう?









      (つづく)

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