目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第36話  ナルシスト No.22ー4


新千歳空港に着いて、涼しいなぁ! が、第一声。

6月29日で、あと1日で7月になる。

だけど、涼しい。東京とは、全然違う。べっとり感がない。

バスに乗る。札幌市内まで、1本で行ける。


私は、キャリーバッグを引きずりながら、支店に行く。


母は、お祖母ちゃんの家へ。


お祖母ちゃんは、お祖父ちゃんが亡くなってから、円山の戸建ての家を売って、南区のマンションに引っ越した。


雪かきが大変だから、マンションの方がいい。

地震を考えると南区だと。


何が根拠なのか、解らないけど。

お祖母ちゃんは、そのように言っていた。


支店は、札幌駅のすぐそばで、すぐ分かった。

新しいビルで、トイレがすごくキレイだった。

ゆったりスペースで、椅子に座って、鏡を見ながら、お化粧を直している女性が何人もいて。


本社と違うのは、ビル全部が同じ会社じゃなく、ワンフロアー、高層ビルの5階だけを使っていた。

ビルそのものは、会社所有で。


私は、挨拶に行く前にトイレに寄り、その新しさと、清潔さ、美しさだけで、来て良かったわと、気分が変わるのだから、単純そのもの。


本社と同じ制服で、トイレ、化粧室で見た女性達は、同じ会社の女子社員だろうけど、

驚いたのは、なーんか、美人ばかりだな! という事。

いい感じで、美人、スタイルも良い人ばかり。

グラマラスという感じの人は、いなかったけど、、これじゃあ、私、負けちゃうなあと。



ドアをノックして、カウンターで受付の女性に名を告げ。

中へ、、キョロキョロ辺りを見て、私は、またまたびっくり。

中年も老年も、若い人も、男性が、素敵で。

あーあ、どうしよう、みんな素敵!!

マサルなんて、別れて良かった、、すごい、素敵な人ばかりで。

私は、単純に、ウキウキしてしまい。



支店長さんも、素敵でしびれてしまい。


「杉下さんでしたね。 忙しい思いをさせましたね。

あなたの机、更衣室、ロッカーなどは、佐々木さんに案内させます。


でね、忙しついでですが、明日は休んで、荷物の整理などなさって。


7月1日から、派遣会社に行って、研修を受けて頂きます。

詳細は、佐々木さんから聞いて下さい。 じゃ、私は、約束があるので、失礼します。」


なんだー?! 研修?! なにー?!

私は、地獄に墜ちた気分で。








      (つづく)

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?