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第39話  ナルシスト No.22ー7

「お祖母ちゃん、しばらくの間、宜しくお願いします。」


「いつまでもいなさい。 さあ、尚の好物だけ用意したから、食べて。 」


うがいをして、手をきつい消毒用の固形石鹸で洗って、食卓に向かう。


 お祖母ちゃんのところは、外部の菌を家の中に入れない工夫が、とても、うるさくて、マンションに移っても、それは同じで。

玄関の前には、消毒用マットが敷かれているし。

お祖母ちゃんは、体裁ではなくて、実用、清潔、それを第一としているみたいで。

お祖父ちゃんが生きていた時は、私には、そんな事、どうでもいいのにと思うような事で、二人で言い合っていた、ちょくちょく。



お寿司も、ザンギも、ウドの酢味噌和えも、すごく、すごく美味しくて、黙々と食べていたのが、


「尚、あんたを、転勤させたのは私だよ。

尚は、あんな、下劣な男に抱かれていただろう、別れさせなくちゃならないからね。

フチガミマサル、あの男、ナルシシストだね。」


私は、のどがつまりそうになり、胸が苦しくなり、お祖母ちゃんが渡してくれた水を飲んだ。


「あ、あ、、びっくりしたー、、

なんで、なんで、お祖母ちゃんが知ってるの?

で、でね、お祖母ちゃん、ナルシシストじゃなくて、ナルシストでしょう。」



「まあ、説明するには長くかかるよ。

フチガミマサルについては、何人かの女性が訴えていたんだよ、騙されたってね。

調べていて、お前が、杉下尚がちょくちょく、フチガミマサルの部屋に通っていると、写真付きで、私の孫娘じゃないかってね。

私の子は、尚のお母さん一人だから、嫁ぎ先は杉下だと、知ってる人は知ってるからさ。

好いて、体の関係があって、女の方から、頻繁に通っているとなると、別れなさいと言っても、反って、燃え上がらせるだろう。

で、お前をこっちに呼んだ。


フチガミマサルは、自分ほど良い男はいないだろうと勘違いしてるようだ。


 本社の総務で、尚の上司の女性で三田さんていたろう。

鶴のように痩せてる女性、あの人は土曜は、決まって、フチガミマサルの部屋に泊まってたよ。

まあ、彼女は、36になるから、小遣いでもせびる相手だったんだろうけど。」


私は、えー?! はあー?!? なんで!

それって! 私は何だったの? 三田係長も、

マサルが抱いてたの? 10才以上年上じゃん、、

ヒモみたい。







       (つづく)

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