ひっかかる、霞がかかったように、、すっきりしない。
私は、お風呂の湯に、ゆったり浸かり、半分は眠りながら。
私の特技は、眠ることだと。それは、父が言っていた。
尚は、よく眠る。放っておくと一日中寝てると、言っていた。
お祖母ちゃんが、何故、転勤させられるのかな?
私が勤めている会社に、お祖母ちゃんは、全然関係ないし、亡くなったけど、お祖父ちゃんも、関係ないはず。
何故、急に転勤させられるのかな?
そんな、ヤワな会社ではないと思うけど。
だって、社員だって、何千人もいるし、その中で、新入社員の出来の悪い私を、簡単に転勤?
それと、それと、訴えがあったとか。
マサルに騙されたって、何人かの女性が訴えた。
それ、何故、お祖母ちゃんが知ってるのだろうか。
ザブッと湯からあがり、髪にはバスタオルを巻いて、家から持ってきていたパジャマを着て、
化粧水だけ、バチャバチャ顔にはたいて。
お祖母ちゃんの部屋をノック。
お祖母ちゃんは、神妙な顔付きで、ビーズの整理をしていた。
見ているだけで、細かくて、細かくて、嫌になる。
「尚、これね、ガラスやプラスチックのビーズじゃないんだよ。
華は、ただのビーズだと思ってたみたいだけどね。
全部、ホンモノ。 パールも、ダイヤも、サファイアも、メノウも、全部、ホンモノの宝石だよ。
その内に、尚のも作ってやるよ。」
そうなの? えっ?! だったら、すごいね、、
そんなの初めて見た、、ホンモノの宝石のビーズ?
お祖母ちゃんは、一体、何者?
夕食のあとに、お祖母ちゃんは、ベッドとチェストくらいはいるね、明日は休みだろ、華と一緒に、安いのみつけておいでと、ポンと50万円をくれた。
それ以上は出さないから、足りない分は華に払ってもらいなさいと言って。
80才に近いはずだけれど、そんな年には見えない。
若々しいし。だけど、笑わない。
私は、忘れない内にと、疑問に思う事を聞いてみると。
「いずれ、知る事になる。
無尽って、知らないかい?
相互扶助、互いに助け合う組織。
今は、いろいろと形は違ってきてるけどね、、徳川の時代から続いている。
私は、元々、石川の金沢の出身、実家は代々続く武家でね。
(おたすけばあ)という組織の一員なんだよ。
陰ながら、困っている人を助けようという組織だよ。」