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第41話  ナルシスト No.22ー9



もしかして、お祖母ちゃんは、認知症?

だって、おたすけばあとか、まるで、おとぎ話みたいな事。

でも、マサルがナルシストなのは事実。

自分の裸にも、見惚れていた、いつも鏡に映る自分の姿を、うっとりして見ていたから。


それと、私に、なるべく長く、派遣会社にいるようにしろって。

派遣会社は、子会社になって、社長は男性のはずだけれど、札幌支店の支店長は、女性のはず。


そんなの、お祖母ちゃんが知ってるはずないのに、私に、その支店長の女性、マエハシカエデを調べて欲しいって。

調べるって、どのように?


何を調べるのか、方法も、解らないし。

お祖母ちゃんは、まるで、あきれ果てたというような顔で見ていて。


「尚、お前さんは私の孫だよ。

少し、頭を使って考えなさい!

いいかい?

マエハシカエデもナルシシストなんだよ。

自分だけが素晴らしいらしい。

で、壊し屋みたいだ。


そういうヤカラは許せないからね、強いオキュウをすえるつもりだよ。


その前に、訴えが事実かどうか、徹底的に調べる。


それを、手伝いなさい。

追い追い、説明する。

今夜は、もう寝るよ。

私は午後10時には、蒲団に入る。


尚、門限は10時だからね。」


はあー?!

それは無理、絶対、無理と、騒いだけれど、お祖母ちゃんは、却下した。


それに、お祖母ちゃんは頑固で、何回指摘しても、ナルシストと直さないで

ナルシシストと言う。頑固者のお祖母ちゃん。


そんなんじゃ、新しい彼氏が出来ても、無理でしょう。


お祖母ちゃんは、よく、そこまで、ハッキリ言えるものだと、私の方が恥ずかしくなるような。


「尚、男が必要なのかい?

もう、味を知ったのかい?

どうなんだい?」


そんな事、答えられないし。


お祖母ちゃんの恐ろしさだと思った。


あまりにも、直截的にズバッと聞かれたら、恥ずかしくて、退くしかないもの。


味って? 必要って?


私は、ただ、彼氏がいないより、いた方が、楽しい、、それだけ、なんだけれど。


一人で食事に行くより、素敵な彼氏と一緒がいいし。

で、そのあとに、ゴージャスなホテルへ行けたら、もっと、楽しい。

ただ、それだけなのに。

10時が門限なんて、それは、ない、絶対、無い。

明日は、母に頼んでもらおう。

私は、もう少しで、23になる大人なんだもの。





       (つづく)

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