闇令嬢、憧れの魔法騎士になる~家の恥だと言われたので、飛び出して自分の力で生きていきます~
厳座励主(ごんざれす)
異世界恋愛ロマファン
2025年06月17日
公開日
7.7万字
完結済
この国では、扱える魔法の色によって、個人の価値が決まる。
もっとも尊ばれるのは『赤』――炎や雷などの自然魔法を扱い、国の守り手である魔法騎士に必須とされる色。
貴族の令嬢リシェルは幼い頃から騎士に憧れ、魔法の才能に夢を抱いていた。
けれど魔法色判定の日、彼女に与えられた色は、人々から忌み嫌われる『黒』だった。
「黒なんて、呪いと死を呼ぶ色よ!」
「うちの家名に泥を塗った恥さらしが……!」
家の中で人目に晒されぬよう幽閉され、生涯を閉じるだけの運命。
だが、絶望の淵にいた彼女の前に現れたのは、自らを『闇の精霊』と名乗る黒いモフモフの獣。
「お前の魔法は、世界にたったひとつの“闇”だ」
その言葉を聞いてリシェルは思う。
夢を諦めるのは、まだ早い。
実家を飛び出し、名前も身分も偽って、リシェルは騎士団試験に挑む。
誰にも言えない闇の力を手にして。