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第10話  異世界金貨はプチブルの香り.








  2 :名も無き妖精

    鏡叩き割って寝ろ


  3 :しまった!ここは糞スレだ!

    __________

    <○√

     ∥ 

     くく

    オレが止めているうちに他スレへ逃げろ!

    早く!早く!オレに構わず逃げろ!


  4 :名も無き妖精

    異世界のお姫様の着替えシーンが覗けるんですよね


  5 :名も無き妖精

    いいからはやく写真うpしろy


  6 :名も無き妖精

    この手のスレ何度目だ

    雑談スレでやれ


     ~~糞スレ終了~~


  7 :孤独の俺◆4noig329de

    どんなふうに繋がってるのか詳しく説明してくれよ

    見えてるだけなのか向こうにいけるのか

    全身鏡なのか手鏡なのかでぜんぜん違うだろ


  8 :名も無き妖精

    ネタにマジレスカコイイ


  9 :名も無き妖精

    どんな風に繋がってるとか・・・・

    1本のスジに決まってるだろう


  10 :名も無き妖精

    通報しました


  11 :名も無き妖精

    1まだぁ?


  12 :1

    鏡から異世界行ってきました

    鏡の向こうは中世の屋敷(廃屋)だったよ

    そこにいた異世界生物の写真撮ったからうpしとくよ

    今からもっと冒険してくる!

    他にもなんか面白いもん見つけたら写真撮ってくるわ

    <画像アドレス>


  13 :名も無き妖精

    向こうに行けるって設定か

    1が向こうに行ってる間に鏡割っておいてやるよ


  14 :名も無き妖精

    グロ貼るなボケェ


  15 :名も無き妖精

    怖くて開けないんですが、どんな画像?


  16 :名も無き妖精

    でかいゲジゲジ


  17 :名も無き妖精

    ゲwwwジwwwゲwwwジwwww

    どう見てもクモだろこれwwwww


  18 :名も無き妖精

    なにこれ?


  19 :名も無き妖精

    あし多くね?

    あし多くね?


  20 :名も無き妖精

    ガチじゃんコレ


  21 :名も無き妖精

    1はプロCGクリエイター


  22 :名も無き妖精

    >>21

    よかった・・・・・脚の多い巨クモはいなかったんや・・・


  23 :孤独の俺◆4noig329de

    やけに展開早いな!

    気をつけて行って来いよ!


  24 :名も無き妖精

    さっそくこのクモ擬人化しようぜ!


  25 ;名も無き妖精

    異世界の蜘蛛だから

    異蜘(いく)たんですね


  26 :名も無き妖精

    イクッ!イクッ!イッちゃう!


  27 ;名も無き妖精

    いい加減にしろよ


    そこはアナザーワールドのスパイダーだから

    アナルちゃんだろう


  28 :名も無き妖精

    なぜそうなるwwww




 ―――――――――――――――――――――――――




 こんな調子でレスが続いていく。


 よかった、アホばっかりで。


 とりあえずスレのほうは適当にレスしながら運用するとして、写真が足りないから次はちゃんと撮影もしなきゃな。






 ◇◆◆◆◇






 今日は異世界には行かないことにして、こっちの世界のことを整理することにした。

 オクで出しているものは一度すべて引き上げておく。幸い入札入ってる商品がなかったから助かった。

 親にはちょっとデカい仕入れ先を開拓したからしばらく留守がちになると言っておいた。まあそれで嘘ではないからな。

 あと、部屋には絶対入らないように釘を刺すことも忘れない。まあ、母親にそんな釘を刺してもまさにヌカ釘なんだけどな。入ってくるときはどんどん入ってきちゃうだろうし。普段は鏡には布でもかけて隠蔽しとこう。



 次は金貨について調べた。


 まず金貨の重さが1つ40グラム。本物の金、――つまりこの世界の金と同じ金属元素で且つ純金製なのだとすれば、今の大体の相場の1グラム4000円で換算したとして……、なんと16万円にもなる。10枚で160万円だ。まあ、これはあくまでも超楽観的な試算だけれどもな。


 もしもこの金貨を売るとして、そもそもこんな正体不明な品がオクで売れるのかという心配があった為、ネットオークションで「金貨」を検索。


 ……あ、ダメだコレ。

 出品されているものは、当然といえば当然か、正規品(信用ある機関で発行された保証書付きの金貨のことね)ばかり。

 中には胡散臭いものも出品されてはいるんだけど……。

 と、いろいろ見ていると添付画像に興味深いものを見つけた。


 ゴールドテスター。


 金の持つ運動エネルギーを電気化学的に演算してうんたらかんとかで、金の含有率を調べられる便利な機械なのだそうだ。こんな便利なものがあるとは、と検索をかけてみたら驚きの24万円。高けぇ……。

 しかし、これがあれば24カラット(純金)まで計測ができる。この金貨が何カラットかはわからないが、仮にこれで計測して24カラットなら、相当に美味い。とりあえず、機械を持ってそうな金買取センターにでも持ってってみよう。



 次は精霊石。


 無加工の宝石のような青い石だ。つーかラピスラズリの原石なんじゃねーのかなコレ。ブラック企業にいたころ数回扱ったことあるわ。

 精霊石っていうからには、特別になにか効果があるのかどうだかわからないけれど、ただのラピスラズリの原石だとしたら価値としては大したことない。サイズも小さいし。

 そういえば、シェローさんの手にあった石は青くなかった。もし、お導きをクリアーするたびに宝石の原石がもらえて、もらえる石がランダムだった場合、「当たり」の石に当たったらすごいぞ。石のサイズはだいたい拳大だけど、もしダイヤモンドでこのサイズの石だったら「億」もあるで……。

 ま、そんなでかいダイヤを売れるツテがあればの話だけどなー。


 とはいえ精霊石は宝石なのか、それとも魔法の石なのか、ちょっと情報が足りないのでこれも一旦保留として、まずは金貨の価値を調べるために金貨1枚を握り締めて家を出た。


 家の軽自動車に乗って隣町の金買取センターに向かう。

 隣町にしたのは、売ろうとしている商品があまりに出所不明で怪しいからだ。とりあえずはまだ売る気ないんだけどな。一応の用心ってやつだよ。


 金買取センターは、質屋然としており、表からは中の様子がわからない。こういう店のほうが出所不明な貴金属とか売りやすそうではあるな。駐車場に車を止めて、サッと入る。

 窓口の店員に、金の買取を頼みたいと金貨を見せる。

 たんたんと検品してから件のゴールドテスターを取り出す店員。固唾を飲んで見守る俺。頼む! 頼むぞー! 24金来い!!


「お待たせしました。こちら24カラットのゴールド40.3グラムですね。本日の金の買取金額がグラム3821円ですから、査定額は多少色を付けさせていただいて、コチラになります」


 154000の数字を出した電卓を提示する店員。



 キターーーーー! 24カラット! 実はせいぜい18カラットくらいかな? と思ってたのに純金! 純金ですぞー!!



 ……ついつい熱くなってしまったが、さてどうする。売る気は正直なかったが、思いのほか良い金額が出ちゃったぜ。このまま売ってしまっても構わないが……。


 ……ま、いいか!


 売っちゃおう! そんで無駄使いしよう!



 事務的に免許証の提示が求められた以外、なんの詮索もなく買い取りは終わった。今俺の手には154000円がある。ネトオクで1ヶ月がんばっても純利益でこの額が出るのは稀だ。

 それが一日でなー……。

 もうホントに異世界との交易で生活するしかねぇ……。異世界怖いとかもう言ってらんねぇ……。



 その日はその後、ラーメン屋でトッピング全部乗せ大盛り味噌ラーメンを食べて(なんと餃子も付けた)、スーパー銭湯でひとっ風呂浴びて、缶ビールを買って帰って晩酌して寝た。



 いやぁ、本当に贅沢って良いものですよね! 


 え? セコイ?

 2年もニートしてるとこんなんでも大贅沢なんだよ!







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