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7-6

『ああ。』

そういえば小鹿こじかからの連絡ではその辺りを詰めるとは聞いていたが。

『まだその辺は聞いてないんだ、悪いがわからない。』

『…そうか。なあ、雪久ゆきひさ。もし木綿子ゆうこを送る時は私たちは一緒に行ってもいいんだろうか?メイメイのお母さんでもあるし。』

『それはわからない。日奈木ひなきの方にも聞かないと。』

『そうか。』

シャオは俯いて拳を握る。

『雪久に言ってもしょうがないが…メイメイは今でも木綿子の傍で寝ている。取り上げると泣くから…どうやって説明したらいいんだろうな。』

雪久の脳裏に指しゃぶりしていた幼子が浮かんだ。

『まだわからない子供にどうやって…。』

シャオは唇を噛むと目をぎゅっと瞑ってからにこりと笑って見せた。

『ごめん。こんなこと言っても仕方ないのに。』

『いや、そんなことはない。家まで送ろうか?』

『ううん、ここでいいよ。独りで帰れるから。じゃあ、またな。』

『ああ、また。』

長い髪をさらりと揺らしてシャオは帰っていった。

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