『ああ、それはやっかいだな。まあ、
『悩ましいですよ。本当に…もし真実を明かせば遺骨を譲り渡すなんてことはあるんでしょうか?』
『うーん、どうだろうなあ。さすがに厳しいだろう。失踪した妻が記憶喪失で異国人と愛し合って子供まで作って死んだなど、受け入れられないだろう。』
『そう、ですね。俺は
『
『なるほど。…となると煉陽明の話は難しいですね。まさにそれになってしまう。』
『うん。』
『もう一度煉陽明にそのあたりの話を詰めたほうが良さそうですね。彼が返すと言ってる以上はある程度は希望は通したいところです。』
『じゃあ、明日連絡しよう。彼が良い返事をしてくれるといいが。』
『そうですね。』
翌日の夜、電話口で小鹿はこちらの計画通りになったと話した。珍しく不機嫌そうな声だった。
『どうしました?計画通りではないんですか?』
『そうだが…僕と煉陽明が話している時にメイメイが来てしまってね。ちょうど遺骨の箱を見せてもらっていたから彼女は激しく動揺して泣いていた。』
『それは…。』