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第13話 目には目を



「情報通りだ。どうやら、嘘は付いていなかった様だな」


 それを歩いて発見するのはきっと困難だろうが、空へ鳥の様に舞い上がり、高度500メートルから見下ろしたら一目瞭然だった。

 魔王が盗賊達を懲らしめた河原の上流、街道から10キロほど離れたところ。山の裾を埋め尽くす森の中、不自然に開けた場所があった。

 街道から完全に切り離されており、先日に立ち寄った小さな村で見た地図にも載っていなかった事実から考えると、それは古い古い廃村跡なのだろう。石造りの家が中心地に列んでおり、豆粒大の人の姿も幾つか見える。

 正しく、それは盗賊達のアジトの所在地を知る為、敢えて殺さず、木に縛り付けた盗賊3人が口を割って漏らした方角とピタリと一致。その場所こそが盗賊達のアジトだと魔王は確信する。

 そして、次から次へと溢れ出てくる期待感を止められず、魔王は口の端をニヤリと吊り上げて笑う。


「あのぉ~~……。レイモンドさん?」

「んっ!?」

「本当にやるんですか?」


 その悪人顔を間近で見せ付けられ、顔を引きつらせるしかないアオイ。

 今現在、アオイは飛行呪文を行使する魔王にお姫様だっこされて、空を一緒に飛んでいる状態。

 つい先ほどまでは、お姫様だっこ初体験に顔を紅くしたり、あまりの高度に顔を青くしたりと忙しかったが、今はただただ呆れていた。

 なにしろ、先ほど懲らしめた盗賊達のアジトを襲い、盗賊達が商人や旅人から分捕り、貯め込んでいる財宝を逆に頂こうと言うのが、魔王の思惑なのだから開いた口が塞がらない。


「当然だ」

「当然って、そんな……。」

「喉元を過ぎたら、もう熱さを忘れたか?

 さっき、お前は何に怯えていた? あいつ等がお前に何をしようとしていたか、それを良く考えてみろ?」

「そ、それは……。」


 そんな魔王の無茶を思い止めようと、アオイは言い募ろうとするが、魔王から冷ややかな視線を向けられ、何も言い返せなくなって口籠もる。

 それでも、アオイは素直に頷く事は出来なかった。情報によると、アジトに居る盗賊の人数は40人以上。幾ら魔王が超一流の魔術師とて、その人数を相手にするのは危険が過ぎた。

 また、アオイにとって、犯罪者とは警察に任せるものであり、その処断は裁判所が行うもの。魔王が言う『叩かれたから、叩き返す』という単純で明確な倫理も、平和な国で育ったアオイの倫理観と噛み合わず、どうしても抵抗を感じさせた。


「俺とて、こんな手間は面倒だ。本来なら、御免被る。

 だが、しかしだ……。誰かさんがヘマをしたおかげで路銀が足りないんだよ。

 いや、足りないどころじゃない。次、ギルドへ行ったら、違約金を払わなくてはいけないときている。誰かさんのせいでだ」

「う゛っ……。」


 しかし、これを言われてしまったら、もうアオイは頷くしかなかった。

 そう、商人護衛の依頼を途中解雇された為、当て込んでいた依頼料は貰えない上、契約不履行のマイナス査定を喰らっており、現在の魔王は無一文。資産は所持品のみ。

 それ故、このまま目的地の街へ着いたとしても、数日間のただ働きが決定しており、魔王としては何かしらの方策を立てて、最低でもマイナス査定分を取り戻す必要があった。

 もっとも、それはモテストの歓楽街で無駄遣いばかりを繰り返していた魔王の事情のみ。アオイは結構な額を貯えており、マイナス査定分を支払っても特に困らないのだが、その状態に魔王を追い込んだ原因が自分自身にある為に辛い立場だった。


「……と言うか、お前はさっきから文句ばかり言っているが、この方法はだな。

 その昔、ある偉大な女魔術師が編み出した魔術師向けの由緒ある正しい金策なんだぞ?」

「ええっ!? う、嘘っ!?」


 結局、アオイは魔王を説得しきれず、魔王曰く『魔術師向けの由緒ある正しい金策』は開始される。




 ******




「へへっ……。たまんねぇ~ぜ……。」


 その時、盗賊団のボスは酒樽の中に両手を入れ、それを掻き集めては両手の間から零す一人遊びを何度も繰り返していた。

 台所の真下にある事を考えると、本来の用途は野菜などの貯蔵庫。その狭くて薄暗い地下室に鳴り響く独特の音色の正体は貨幣。

 金貨、銀貨、大銅貨、小銅貨と几帳面に分けられており、さすがに金貨と銀貨はまだまだ余裕があるが、大銅貨は2樽目、小銅貨は3樽目がぎっしり満載。そろそろ新しい樽が欲しいところ。

 その総額は最初こそは計算していたが、途中から面倒臭くなり、所有者のボス自身も知らないが、軽く見積もっても余生は遊んで暮らせるだけの額は確実にあった。

 しかも、これ等はたった1年の盗賊働きで得たものなのだから笑いが止まらない。ボスはニヤニヤと笑いながら一人遊びを繰り返す。


「これだけ有れば……。くっくっくっ……。」


 日課として、この地下室を昼食後に必ず訪れる度、ボスは思う。どうして、もっと早くこうしていなかったのだろうか、と。

 実を言うと、ボスは1年前までは真っ当な冒険者だった。それもBランクを所持するベテランと呼ばれる冒険者であり、更に遡れば、国主や領主に雇われて、戦争に参加。勲功第一を目指して、いつかは国主や領主の目に留まり、貴族となるのを夢見た傭兵だった。

 ところが、30代半ばを越えた辺りから戦働きが辛くなり、冒険者稼業一本に転向するが、それもやはり40歳を越えた辺りから辛くなり、そろそろ『引退』の二文字が頭にちらつき始めていた。

 傭兵にしろ、冒険者にしろ、その仕事内容はハードである。パーティ内で担う役目や種族差もあるが、生涯現役という者は滅多に居ない。大抵の者は肉体的なピークを越える30代後半辺りから引退を考えて、第二の人生を歩む為の準備に入る。

 しかし、飲む、打つ、買うの三拍子が三度の飯よりも大好きなボス。第二の人生を歩めるだけの貯えなど有りはせず、似た様な境遇の仲間を募り、格下ランクの討伐依頼を行う事によって、その日暮らしを辛うじて保っていた。


「いや、まだだ。まだ足りない。

 ようやく巡ってきたチャンスを活かさないでどうするよ。もっと、もっとだ……。」


 転機が訪れたのは1年前。街道へ頻繁に出現するゴブリン退治とその巣の捜索及び、駆除の依頼を受けて、この廃村跡にゴブリンの村を見つけた時、それがすぐに閃いた。

 ここは廃村跡だけあって、水場に恵まれていた。街道から近くもなく、遠くもなく、深く茂った森と大地の起伏が存在を上手く隠しており、その発見し辛さは自分達がここを見つけるまでにあった苦労の数々が何よりも物語っていた。

 その上、北の魔術学園都市『モテスト』と南の海運都市『アナハイム』の中間地点。人々の行き交いはとても多く、盗賊稼業を行う場所としては絶好過ぎる場所だった。

 おまけに、レゴン国とスベガス国の国境沿い。古くから犬猿の仲である両国だが、侵略国家として名高い大陸中央のインランド帝国がいよいよ間近に迫り、周辺国を巻き込んでの軍事同盟を3年前に結んだばかり。

 当然、お互いの緊張を無駄に高めたくないという理由から国境沿いに軍を派兵する事は有り得ず、盗賊団として最も警戒する国軍を相手にしないで良いという最高の条件すら整っていた。


「あと1年……。いや、あと半年も稼げば……。」


 これ等の好条件を列べて、ボスが話を持ち掛けると、パーティの面々は多少の躊躇いを見せながらも話に乗った。

 なにせ、パーティの面々はボスと似た様な境遇。将来の心配をしながらも、飲む、打つ、買うを止められず、それでいながら世の中を一人前に恨み、己の不甲斐なさは棚に上げる愚か者達。甘い言葉に弱かった。

 但し、彼等は始末の悪い事に只の愚か者では無かった。ベテランと呼ばれるランクB、ランクCにまで至った40歳前後の冒険者だけに経験豊富な上に良い意味で臆病だった為、街郊外を拠点とする盗賊としては一流の条件を持っていた。

 実際、最初は7人で始めた盗賊団だったが、あれよあれよと成長してゆき、今では50人を超える大所帯となり、ボスは本拠地のアジトに居るだけで上納金を得られる美味しい立場となっていた。


「そうさ。南の新興国へ行けば、貴族の地位だって買えるぜ……。

 ぷっ!? ……この俺が貴族だとよ! くっくっくっくっくっ……。」


 だが、その美味しい立場がボスを見誤らせた。

 目標額を稼いだら足をすっぱりと洗い、戦争が起こりそうにない平和な南方の暖かい国へ行き、余生を慎ましくも悠々と暮らす。それが当初の計画だった。

 しかし、面白いくらいに稼げるものだから欲に眼が眩んでしまい、当初の目標金額をとっくにオーバー。もうちょっとだけ、もうちょっとだけを繰り返して、とうとう今日という日を迎えていた。

 ちなみに、この盗賊団をボスと共に始めた他の6人も同様である。誰一人として、足を洗っていない。


「な、何だっ!?」


 突如、立っていられないほどの大地震。

 大銅貨、小銅貨が満載されている酒樽ですら倒れ、大量の貨幣が地下室の床に転がって広がり、それ等が揺れに合わせてジャラジャラと喧しく鳴り響く。

 その激しい揺れは十数秒ほど続き、四つん這いとなって揺れに耐えていたボスは揺れが止むと同時に走った。


「……何てこった」


 地震の最中に聞こえていた音から予想はしていたが、地下室から上がると、台所は酷い有り様だった。

 ここ、盗賊団のアジトは住人が70人近く居り、規模としては小さな村に匹敵するが、その存在は秘密。当然の事ながら、他との交流は無い。

 それ故、アジト内の物資は基本的に商人や旅人から強奪した品々となる為、普通なら誰でも簡単に買える様な何でもない品が貴重品となる場合がある。

 例えば、この台所ではガラス製や陶器製の食器がソレに辺り、そう言った貴重品を使えるのはボスや盗賊団幹部の特権であった。

 その粉々となった品々の中、密かに気に入っていたマグカップを見つけて、ボスは肩をガックリと落としながら深い溜息をつく。


「共同庫の酒樽が倒れてなきゃ良いが……。

 あいつ等、飯の我慢は出来ても、酒の我慢は出来ねぇ~からなぁ~……。」


 だが、その落胆がボスに冷静さを取り戻させた。

 ボスは頭を右手でボリボリと掻きむしると、外の騒ぎは聞こえていたが、玄関を素通り。階段を足早に上って行く。

 そして、二部屋ある内の片方のドアの前で立ち止まり、ドアをノック。中からの返事を待たずにドアを引くが開かない。

 どうやら、先ほどの地震で立て付けが悪かったドアが更に悪くなったらしい。この際、ドア自体の修理を心に決めて、ボスは引くドアを壊す覚悟で強引に蹴り押し開けた。


「ひぃっ!?」


 当然、部屋の住人は驚愕した。

 歳の頃は十代の半ばか、それ以下。まだ幼さを顔に残す少女は目をワナワナと震わせて見開き、座ったままベットの奥まで後退って怯える。


「済まねぇ! だが、大丈夫だったか! 怪我は無いか!」


 その遙か年下の少女を懸命に気遣い、言葉は乱暴ながらも優しく尋ねるボス。

 この一点だけを取ってみても、ボスにとって、少女がどんな存在なのかは語るまでもない。

 事実、少女の気を惹く為だろう。少女が着ている服は貴族の女の子が着る様なドレスであり、部屋の内装も、調度品も驚くほどに豪華だった。

 ところが、ますます少女は身体をブルブルと震わせて怯えるばかり。ボスが望んでいるであろう答えを選び、ひたすらにウンウンと頷き、返事は返さない。

 それは盗賊団に捕まって以来、ボスが少女へ行っている毎晩の仕打ちを考えたら当然の反応と言えた。


「くっ……。」


 ボスは口の中で『何故だ』と吐き捨て、奥歯をギリリと噛み締めながら心をささくれ立たす。

 衣食住、その全てを可能な限りの最高のモノを与えているにも関わらず、まるで靡こうとしない。会話ですら、最初の夜に数回だけ交わした程度。もう何ヶ月も泣き声しか聞いていなかった。

 そんなボスの苛立ちを煽るかの様に外の騒ぎは一向に止まないどころか、ますますボスを呼ぶ声で溢れており、ボスは半分だけ開いている部屋の突き出し窓の板を勢い良く全開にすると、苛立ちを露わにして思いっ切り吠えた。


「さっきから、ギャー、ギャーとうるせぇ~んだよ!

 いつまでも、ガキみたいに騒いでいるんじゃねぇ! ……って、何だっ!? ありゃっ!?」


 だが、ボス自身も外の光景を見るなり、目を飛びださんばかりに驚いた。

 何故ならば、正面、左右のどちらを向いても、視線の先に土の壁があった。それも盗賊団のアジト周囲に生えている杉の木のてっぺんしか見えないくらいの高い壁である。

 慌てて窓の板を外して、ボスが屋上へ上がると、昼前までは無かった筈の壁は背後にも有り、まるで大都市の城壁の様にアジトの敷地四方をグルリと囲んでいた。


「んっ!? あれは……。」


 その天変地異ですら有り得ない光景に驚きを悠に通り越して、ボスは茫然となりながらも辺りをキョロキョロと見渡す。

 そして、気付いた。アジト南側の壁中央の上に見知らぬ若い男女が立っており、その2人の内のどちらかが何やら小さな黒い靄の玉を地上へ落としたのを。


「ま、まさか……。デ、デスナイトっ!?」


 やがて、小さな黒い靄の玉は地上へ落ちると、闇を深めて、人間大の大きさまで膨れあがり、その深淵の中から美しい白銀の鎧を身に纏った骨が姿を現す

 それをボスは知っていた。冒険者として、いつかは英雄になるんだと野心を燃やしていた若き日、ある迷宮の最奥で出会った経験があった。

 その名は『デスナイト』、特Aランクのボスモンスターであり、通常はハイランクの地下迷宮などの奥に引き籠もって出てこないが、もし外へ迷い出てきたら、たちまち国家災害レベルの絶望を撒き散らす恐ろしい存在。

 但し、アンデット種であり、弱点を多く知られる為、準備さえ怠らなければ、他の特Aランク、Aランクのボスモンスターと比べたら与し易く、デスナイトを倒してこそ、名実共に一流入りとされる冒険者達の登竜門的存在でもある。


「ですないと? ボス、そりゃ何なんです?」

「見た目から言って、スケルトンの上位種ってところだろ。大した事ねぇ~よ」

「んな事より、あの剣と鎧を見ろよ! 光ってるぜ!」

「ああ! 噂に聞くマジックアイテムって奴かもな!」


 逆に言えば、一流を目指した者しか知り得ない恐ろしさ。

 地震の発生後、ボス邸前に集まっていた盗賊団の下っ端達はデスナイトの実力を侮りまくり。

 欲に目が眩んだ数人に至っては、デスナイトの煌びやかな装備品を我がモノにしようと、武器を片手に駆け出してさえいた。

 ソレもその筈。まさか、まさか、国家災害レベルのボスモンスターが日常の直中にいきなり現れるなど想像の範疇外。

 その分を弁えぬ愚者達へ対して、デスナイトは淡く光輝く剣を持つ右手と白銀に輝く盾を持つ左手を大きく左右に開いて、身体全体で十字を描くと、数拍の溜めを作り、右足を力強く一歩踏み出すと共に心臓を鷲掴みする様な雄叫びを轟かせた。


「ま、間違いねぇっ!? デ、デスナイトだっ!?」


 その途端、下っ端の8割が麻痺したかの様に動きを一時的にピタリと止め、その内の3割が文字通りに腰を抜かして、その場へ尻餅をついた。

 しかも、次の瞬間。デスナイトを中心にして、大地にひび割れが走ったかと思ったら、大量のスケルトンが地中よりのっそりと姿を現す。

 正しく、それはボスが若かりし日に見たデスナイトの特殊能力『ソウルクラッシュ』と『スケルトン大召喚』の2つだった。


「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?」


 すぐさまボスは形振り構わず逃げ出した。嘗て、自分は一流に決してなれないと身の程を知ったあの日、仲間達を見捨てて、我先に逃げ出した時の様に。




 ******




「ふぅ~~……。伝説級を使うのは久々とは言え、たった2回でこれほど消耗するとはな。

 やはり、ヒトという器は不便で仕方がない。何か、良い手を考えねば……。しかし、これは我ながら傑作だな」


 盗賊団のアジトを一望する事が出来る壁の上から見える光景、それを言葉で表すなら『鬼ごっこ』だった。

 最初こそ、盗賊達はデスナイトへ威勢良く立ち向かったが、あっさりと数人が葬られると、ようやくデスナイトの脅威を知って、誰もが一目散に逃げ出した。

 幸いにして、デスナイトも、デスナイトが召喚したスケルトンも、それ程の素早さを持っていなかった。例え、追いかけられても、逃げれば、逃げるほどに距離の差が生じ、盗賊達は胸を安堵にホッと撫で下ろした。

 ところが、逃げて、逃げて、辿り着いた盗賊団アジトの敷地端。四方をグルリと囲んでいる壁の存在を目の当たりにして、逃げ場が敷地内にしか無い事を知って愕然とする。

 それでも、まだ余裕はあった。デスナイトは無理にしても、スケルトンは決して強敵ではない。盗賊達は人数の多さを武器にして、スケルトンを少しづつ倒してゆき、極論を言ってしまえば、意識をデスナイト一匹に集中していれば良かった。

 だが、スケルトンの数が半分にまで減った頃、新たな絶望が盗賊達を襲う。デスナイトが不意に立ち止まったかと思ったら、出現した時の様に雄叫びを放ち、大量のスケルトンを再び召喚したのである。

 しかも、その召喚は暫くすると再び繰り返され、盗賊達の疲れと共に倒されるスケルトンの数は次第に落ちてゆき、既にスケルトンの数は盗賊団の人数を遙かに超え、100匹近いスケルトン達が骨をカタカタと鳴らしながら盗賊達を追いかけ回していた。

 その愉快な光景を見下ろして、魔王は腕を組みながら満足そうにウンウンと頷くが、隣に立つアオイはいつもながらの魔王の容赦無さに未だ付いて行けず、茫然と目が点。大口をアングリと開けて固まっていた。


「はわわ……。」


 力尽きて走るのを止めた者から順に命を奪われてゆく恐怖の鬼ごっこ。それはアオイが我を取り戻して、救いの手を差し伸べるまで暫く続いた。




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