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ハゲの宅配便

 俺達は遺跡にやって来た。また鳥の鳴き声が聞こえる。


「宝があるのはどこだっけ?」


「こっちだぁ」


 源三郎の案内で隠し通路を進む四人。そうそう、この先にボスがいたんだ。


「待っていたぞ」


 ボスの間から、おっさんの声が聞こえてきた。


……?


…………あっ。


 忘れてた!


「おう、強化してきたぞぉ!」


 何一つ悪びれた様子もなく、当然のように声をかける源三郎。素晴らしい図太さだ。


「よし、強くなったところを見せてくれ!」


 えっ、なに普通に受け入れてんの? 聖者?


 つーかよくずっと無事だったな。ゴーレムも特に弱った様子もないし。実は俺達が見てない所は時間が止まってるとか言わないよね?


「では、新しい魔法で!」


 気合十分の雄峰が、新しく覚えた魔法を放つ。


衝撃弾ショック!』


 右手から放たれた魔力弾がストーンゴーレムに直撃した!


「ゴゴゴ」


 唸り声をあげるゴーレム。効いてはいるようだが、まだ倒れる様子はない。


「まだ厳しいか?」


 効いてるなら何度も繰り返せば倒せそうだけど……と思っていたら、クララちゃんが前に出た。


「私が行くよ!」


 剣で岩を斬れるのか? それとも打撃的な攻撃をするのだろうか。


『一閃』


 クララちゃんが振った剣先から、剣の軌道をそのまま前方に伸ばしたような光が一瞬見えた。


 ゴーレムが動きを止め、一秒ほどして光の当たった部分から上がずれて落ちる。落ちた上半身は砕け散り、残された下半身はその場に倒れた。


 つえええええ!!


 ボスを一撃で仕留めるとか、マジで? 三次クラスってこんなに強いの!?


「凄い威力だな。スキルレベルは幾つだ?」


 ライアンが感心したように尋ねる。あれ、こいつは四次クラスだよな?


「それは、秘密です♪」


 小悪魔的な笑顔を見せるクララちゃん。もしかして、この子がチート能力の持ち主か?


「盗ったどぉ!」


 何かを高く掲げて歓声を上げるコソ泥改め大泥棒。そういえばあんな事言って攻撃に参加してなかったな。


「それは、レアドロップのクリスタルダガー!」(※クリスタルとつくと強武器の法則)


 今度はクララちゃんが歓声を上げた。説明されなくても相当なレア物を手に入れたのが分かる。しかも明らかに源三郎用の武器。


「盗んだのか! 良い腕してるじゃないか」


 ライアンも褒め称える。やっぱ強いの? 高いの?


「いくらで売れるのかな?」


 さすが守銭奴エルフは話が分かる!


「売らねぇからなぁ!」


 ちっ。




「クエスト対象の宝はこっちだ。クリスタルダガーに比べたらガラクタみたいなものだが」


 そこまで!? 咄嗟に源三郎に集まる二人の視線。武器を抱え込んで「売らないぞ」と言う意志を改めて示すおっさん。


 ちなみに宝は何か透明な球だった。これもクリスタルか?


「じゃあ、それを依頼主に届けてギルドに戻りましょう」


「あっ、ギルドに納品するんじゃないんだ?」


 てっきりドノヴァンが依頼主に渡すものかと。


「心配は要らん。私が届けておいてやろう。お前達は真っ直ぐギルドに戻ると良い」


 なんだこのハゲ、届け物まで引き受けてくれるのか。


 俺達は宝物をライアンに預け、ギルドに戻った。


「なんだ、宝はライアンに預けたのか。経験値はこっちで受け取れるが、報酬の金は依頼主から受け取るんだぞ? ずいぶん信頼してるんだな」


 何だと!?


 三人と目を合わせる。雄峰と源三郎は疑わしそうな顔をしていたが、クララちゃんは笑顔だった。


「大丈夫だよ」


 さすがクララちゃん、初対面のハゲを信用するとか天使か。


 とか言ってたらライアンがやって来た。


「届けてきたぞ。これが報酬だ」


 ハゲが差し出した金はクエストの報酬額そのままだった。


「おう、1000リゲル。提示された金額そのままだな、ネコババするかと思ったぜ」


「正騎士たるこの私がそのような事をするわけがないだろう」


 ドノヴァンがうまく俺の代わりにチェックしてくれた。でもドノヴァンは俺の情報売った金ネコババしたよね?


 何はともあれ、このライアンという正騎士は馬鹿が付くほど真面目な性格のようだ。クララちゃんが融通が利かないって言ってた意味が分かった。




 人間としては信用できる。できるが……正直、面倒くさい予感しかしなかった。


◇◆◇


現在のPT


ソウタ 大道芸人レベル13


ゲンザブロウ 大泥棒レベル15


ユウホウ 白魔導士レベル12


ライアン 正騎士レベル52


クララ 剣士(?)レベル??

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