博物館教育論~二つのピンチ~(終話)
いままつ
「違うわよ、片山田くん。そこは選択肢のBが正解よ」
青ざめる片山田くん。
「マジか……。じゃ、じゃあ、次の問題は?」
「それはGよ」
「がー! ことごとく外してんじゃねーか!」
片山田は卒倒した。
「本当に授業聞いてなかったのね」
「俺、単位、落とした……」
首をもたげる彼は、本当に絶叫しそうなほど、一瞬でやつれた。
そこへカンナが横槍を入れる。
「情けないわね。まだ中間試験じゃないの。期末試験で取り戻せばいいのよ」
確かにカンナが言うことも一理ある。
「そうよ。まだ諦めるには早いわよ。頑張りましょう、片山田」
涙目の片山田くんは小さく頷いた。まるであのときの私とは真逆であった。
(終話・終)