14話 元アサシン、みそらとイベントへ行く。〈4〉
みそらに『買い物をして帰る』と伝えられたので、俺は荷物持ちとして、駅ビルと言うところに向かっていた。
★★★★
「バートは何が食べたいの? 今日は、なんでもいいよ」
みそらに言われたので、少し考えてから答えた。
あることの確認をするためだ。
「みそらが作ってくれる、パンパにモーイマッシュと、チンキのモーモが食べたいなぁー」
(試すようなことをしてゴメンな。みそら)
「ごめんねバート。今日は疲れたから夕飯は作るのイヤだ~ぁ。何? バートもゲームにハマったの?」
「みそらは、俺が頼んだ食べ物が分かるのか?」
「分かるよ~。シップウ げきれツ アサシンズ マスターズの、回復食だよね」
(ヤッパリみそらも知っていたか、間違いなさそうだな)
「なら今夜は、弁当と言う物を食べようぜ。みそら」
「うん。そうしよう」
俺達は、エキビルとゆう所の地下で、チンキのモーモにそっくりな、大きなチキンのモモが入っているうまそうな弁当を買い、帰宅をすることにした。
★★★★
家に戻り、リビングに荷物を置いて、俺達は一息ついていた。
「疲れたぁ~……でも、楽しかったね。バート」
「あ、ああ! 楽しめたみたいで良かったよ。俺も、みそらとリョウちゃんが楽しんでいるのを見ていて、喜んでもらえているのが、嬉しかったしな! さて、腹もへったし夕飯を食べようぜ」
みそらに『チンするから弁当をちょうだい』と言われ、弁当を渡して待っていた。
〈チン!〉
温められた夕飯を食べながら、テレビを見ていた時に、ふと思った。
あっ! 昨夜、みそらが持っていた書物を借りて、ちゃんと読んでみるか? イベントで聞かされたことの確認もしたいからな。
「なぁ~みそら、お願いがあるんだけどいいかな~?」
「今日のバート、イベント会場でウエルス国のコスプレをした人と話してから何か変だよ? あの時はリョウちゃんも居たから、あれ以上は言わなかったけど、何か言われたの?」
駄目だ! みそらが心配をしている。
せっかく、みんなで楽しいことをして来たのに。
「違うんだ、俺も、ゲームに少し興味が出てきたんだ! 昨夜、みそらも見ていただろ~、俺ヘタッピだからな! 書物から勉強をしようと思ってな。みそらが昨日見せてくれた書物は、何冊持っているんだ?」
みそらが心配をした顔から、目を一気に輝かせ、テーブルに手をついて、からだを乗り出してきた。
「色々とあるよ。何がいいの? パズル、RPG、シューティング、アクション、格闘」
ゲェ! ゲームとは、そんなに多くの種類があるのか。
どうするか? う~ん……あっ、いい言い方が閃いたぞ。
「折角だから、今日したコスプレのゲームがいいかなぁー」
(1冊は昨夜、みそらが持っているのを確認しているしな!)
「シップウ げきれツ アサシンズ マスターズの本ならジュッ冊はあるよ~。みそらの好きなゲームだからね~」
(昨夜は気にせずに、パラパラ見ただけだったからな……ん? 10冊?)
「そっ、そうだなぁ~。なら10冊かしてもらえるか?」
「うん。お風呂を済ませたら持って行くね! シップウ げきれツ アサシンズ マスターズを選ぶとは、バートやるな! 笑」
「みそらには、負けると思うがな! 笑」
夕飯を終えたみそらは、お風呂を沸かして荷物を持って、二階に上がった。
これで、俺のことが分かるかも知れない……。
ドキドキしながら、俺も自室に戻った。
15話に続きます。