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第3話

危うく人生ジ・エンドになるところだった。


完全気配遮断を使いつつ裏路地っぽいところを抜ける間、人の死体が転がっているのを見た。中々にデンジャラスな世界なのかもしれない。


そういえばアルカナ・オンラインの中にはアサシンギルドがあった。この世界にもおそらく人殺しを商売にしてる奴らもいるのかもしれない。治安はかなり悪そうなので気を付けよう。


とりあえず、宿にでも泊まって安心したいところだが金がない。MMOでは金貨銀貨銅貨で取引していたが……。ふと屋台を見ると、若いカップルが肉の串焼きを小銅貨で買っていた。なるほど小銅貨1枚だいたい100円くらいのイメージっぽい。


警備兵とおぼしきオジサンが道の傍らで剣を腰にぶらさげ、眠そうにふあとあくびを噛み殺しながら立っていた。ここなら先ほどのようなチンピラに襲われる心配はなさそうだ。


俺は一旦スキルを解除した。


改めてステータスを確認すると、初期のステ振りすら終わってなかった。SP(スキルポイント)を消費してスキルを使う仕様は変わらずで、SPが枯渇寸前になっていた。座るとSPとHPの回復が早まる仕様だったと思うので、とりあえず俺は邪魔にならない場所を選んで胡坐をかいて座る。


SP回復を待つ間、初期のステ振りを済ませる。ステータスはS(筋力)、V(持久力)、A(素早さ)、D(器用さ)、I(知能)、L(運)の6種類。


俺の知っているゲーム知識だと、ステータスは一度振ってしまうと課金アイテムをつかわないと振り直しができない。この世界にも振り直しアイテムがあるのかはわからないので、ここは慎重に。


セオリー通りにいくと、ステ振りは職業とそれに紐づくスキルと相性の良いステータスに振るべき。俺のメインスキルは完全気配遮断なので斥候タイプのジョブ……まずは盗賊のジョブを取得すべきか。


盗賊と言えばA(素早さ)、L(運)を多めに振ってしてクリティカルヒット攻撃を素早く連打する型がセオリーだが、俺はI(知能)に極振りする。


それには理由がある。それは……。


ステ振りを終えた俺は、再び裏路地へ引き返した。


……


Name:Hide(BassLv1)

Job:beginner(JobLv1)

HP:16

SP:30

Status:S(筋力)1、V(持久力)1、A(素早さ)1、D(器用さ)1、I(知能)9、L(運)1(Rest0)

Skill:完全気配遮断、言語理解、鑑定

所持金:0arc


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