サンザインを応援する声は、
日に日に高まっていった。
政府は相変わらず質素倹約を推し進めていたが、
人は金を使うようになってきていた。
ゼニーの力がめぐっていくのを、
サンザイン達は感じる。
シッソケンヤークは相変わらず、
手下の魔人を繰り出してくる。
サンザインはそのたびに魔人を倒し、
洗脳されているようなら洗脳をとく。
グリフォンというものを最近見ないなと、
ちらと思ったが、あまり気にはしなかった。
いつものように飯店のサーチに反応。
しかし、反応の形が少し違うと、エノは首をかしげる。
それでも、サンザインたちは現場に急行する。
そこで見たものは、
空から攻撃が降って来るものだった。
サンザインたちは変身し、攻撃の出る場所を見定める。
「ずっと上空だ!高いぞ!」
レッドは確認する。
かなり高度の高い空から、
魔人が攻撃しているようだ。
いくらなんでも攻撃が届かない。
どうしたらいいだろう。
悔しげに空を見ると、
攻撃の合間を縫って、一台の空を飛ぶバイクが。
逆光で黒く見えるが、
間違いなく、それは、空を飛ぶものだ。
レッドはその操縦主を知っている。
「ラク!」
「団長、間に合ったようですね」
レッドはうなずく。
ラクは空飛ぶバイクをレッドのそばにつける。
「乗ってください。団長」
「かなり高くまで行くぞ」
「このバイクを信用してください」
「ああ、ラクの腕は確かだ」
レッドはバイクに飛び乗り、
ラクが操縦する。
「いくぜ!」
「はい!」
空飛ぶバイクがうなりをあげて、上空に向かう。
雲を越え、町が見えなくなっても、
敵の姿はなかなか見えない。
「ラク」
「はい」
「一連戦いが終わったら、また」
「また、ダンパ開いてください」
「ああ」
「約束ですよ、団長」
「俺は約束を破るような節約が嫌いだ」
上空に、レッドは影を見つけた。
「あれだ!」
「はい!」
二人はそれだけで通じる。
バイクが猛スピードで突っ込む。
レッドは、ゼニーの力の武器を、構えた。
「サンザインは負けない!覚えとけ!」
武器はブレードとなり、
その切れ味は、すさまじいものだったという。