目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

狂った狐①




 ——先生、意地悪をしちゃってごめんなさい。


 でも、もう見ていられないです。もう諦めませんか? だって先生が知っているではないのでしょ? だったらもう良いじゃないですか。先生から話を聞いた時は耳を疑いました。でもきっとそれは本当のこと、これから先に起こることもそう。それは先生の知っている彼の唄ではない。だったら、だったら…………僕じゃ役不足ですか?

 僕がで先生と一緒に新しい唄を紡ぎますよ——。





 今日も日差しが強い。

 馬に揺られたアドルフ・リンディは後続の商隊に視線を向け、手を額にかざした。


 <亡霊塚>での闘いは地上を揺らし、地鳴りを轟かせたのだそうだ。

 <監視所>はそれに大騒ぎとなり、四方八方へと早馬を走らせ近隣の集落へ警戒を促した。隻腕のイラーリオはといえば、その地鳴りに何かを予感したのか、独断で<亡霊塚>に突入しようと明け方に向かうと、丁度地上に帰ってきたアッシュ達四人と鉢合わせとなった。


 粗方の事情を確認したイラーリオは四人を再び<監視所>に迎え、「恩に着るぜ」と休息の場を提供してくれたのだった。その後、商隊がシラク村に向かうと出発する際、例の商人がアッシュ達に護衛を頼めないかと、結局は直談判しにやってきたのだ。アッシュは困った顔をしたのだが、アドルフは「大丈夫です。先生も到着が遅れてしまうかも知れないと、先ほど念話をもらいました」と云い「引き受けましょうと」すんなりだった。

 これにブリタは少々憮然とするも——なぜブリタが先を急ぎたいのかは、結局のところ分からなかったのだが、兎に角、それに渋々同意をした。そうして一行は南の大十字路を西に折れ、シラク村までの一本道に馬と馬車を走らせた。








 剣の重量を取るか、それとも身を護るために鎧の重量を取るか。剣術士というものは、大体がその選択を迫られる。それでも、どちらを取ったにせよ結局は身体を護るため、革でも鋼でも鎧を着込むのが普通だ。


 しかし、シラク村の通商ギルドに佇むのは、極限を求めているのか、馬鹿なのか、はたまたは色惚けなのか、腰に片手半剣をぶら下げ、皮の胸当ての他には下半身を覆った巻きスカートと長靴のみといった随分と無防備な女剣術士であった。

 シラク村で女剣術士を見かけるのは珍しい。

 もっと言うと、こんなにも無防備な剣術士を見かけるのは、村史上初なのではないだろうか。だからと、云うわけではないが、通商ギルドの中は随分と騒がしい。



「話を聞きたいんだけど良い?」

 女は、軽く束ねられた腰まである金髪を揺らし、受付カウンター越しに云った。

 カウンターの奥では、でっぷりとした豪奢な衣服に身を包んだ男を中心に慌ただしく何かの会議中のようだ。しかし、女はそんなことにはお構いなく、もう一度「ちょっといい?」と少々声を張った。

 すると右往左往する女職員の一人が足を止め「ご用件を?」と、あからさまに苛々しい表情で女剣術士に答えた。


「ごめんね忙しいところ。最近この辺りで狩人を二人見かけなかった? 人探しなら、ここで聞くのが早いだろうって教えてもらって来てみたのだけれど、どうかしら?」

「さあ、どうですかね。少なくとも私は見かけたことがないですね。人探しの依頼も最近はあがってきませんね。剣士様も狩人ですよね? お仲間を探されているのですか?」

「いいえ、そういう訳ではないのだけれど、でも、そう、わかったわ。あ、そうそうもう一つ。近くにやたらと大きな館ってあるもの?」


「館……そうですね……。まだ残っていればですけれど、村のはずれの岩場を登ったところに旧領主様の館がありましたが、今頃はどうなっているかわかりませんね。なにせ領地がマニトバに併合されてからは、貴族様の姿すらあまり……」

「あー、なるほどね。岩場って北側のかしら?」

「ええ、そうですそうです」

「ありがとう、ごめんなさいね忙しいところ」

「いえ、お気をつけて」


 職員はそんな、定型句を口にすると、奥で「さっさとしろ!」と苛立ちを露わにした、でっぷりとした男に急かされた。そして「すみません、では」と足早に奥へと姿を消していく。

 剣術士は、それを眺め「どこの世界でもああ云う輩はいるのね」と、片手を腰に軽くため息をつく。目を細め、もう一度その嫌な男を一瞥すると振り返った。

 その時だ——バタン! と勢いよく扉を開け、外の通りから男が駆け込んできたのだ。


「ナウファルさん、シャクールさん達の商隊が到着しました!」

 男がもたらした急報に通商ギルドは、にわかに騒めき始め、奥のでっぷり男が「おお! そうか! それで無事なのか?」と重たい身体を跳ね上げた。椅子は蹴飛ばされ、それまで会議をしていた木製のテーブルは、一度ガタンと宙に浮く始末。ナウファルと呼ばれた男は、歩くごとに何かしらか周囲に迷惑をかけるようだ。


 だが、ナウファルはそんな事を意に介することはない。

 評議会の代表を勤める彼は、すっかりシラク村の村長気取りであり、ゆくゆくは村を町に、町を都市に育てようと野望を秘めた野心家である。そして、少しづつだが結果も出している。だから周囲は自分をもっと敬うべきだと、彼は思っている。


「シャクールは? シャクールはどこだ? アスリーヤは?」

 ドシンドシンと身体を揺らしホールに躍り出たナウファルは、女剣術士を押し退け、急報を知らせた男に詰め寄った。


「何があったの?」と剣術士は、先程応対をしてくれた職員に訊ねると「評議長の弟の商隊が、予定よりもだいぶ遅れて村に到着したみたいです」と、溜息を混じりに答えた。女職員曰く、先程目にした会議の様子は、その弟を捜索するために隊を編成するものだったそうだ。









 途中、野犬の群れに襲われ、野盗に襲撃されたアッシュ達一行であったが、それは、道中、雨に降られたというほどの瑣末なことで、難なくシラク村へ到着をした。商隊の代表を勤めた商人——シャクールが村の門兵に到着を告げると、門兵は雷に打たれたように跳ね上がり慌て村の奥に駆けていった。


 もう一人の門兵は「ご無事で」とシャクールにかぶりを下げるのだが、シャクールはそれに不機嫌を隠すことなく「これのどこが無事だというのだ」と毒づいてみせる。それに門兵は、顔をしかめ「すみません、ここではなんですから中へ」と東門を開いた。

「失礼な男ですね」とブリタが一連のやり取りを眺め、ボソと呟いた。

「娘さんを亡くしていますしね、今は仕方ないかもですね」と、アドルフはそれに何気なく返した。とくに彼を庇うつもりもなかったのだけれど、どうもそれは、ブリタにはそう聞こえたようで、いつもの包み隠さない怪訝な表情で「フン」と鼻を鳴らした。






「シャクールは? シャクールはどこだ? アスリーヤは?」


「東門に到着されましたが——」とナウファルに答えた男だったが、「そうか」と冷ややかに返されると、彼に押しのけられ危うく転倒をするところだった。女剣術士はそれに「あぶない!」と駆け寄り、あわや転倒寸前だった彼を助けたのだ。


「怪我はない?」と、女剣術士は通りをノシノシと歩いていくナウファルの背中を追いかけながら、抱きかかえた男に声をかけた。男はなんとなく顔を赤ながら「は、はい、ありがとうございます」と、思わず声を上擦らせた。剣術士はそれに、フフフと笑みを浮かべると「それじゃね」と軽く男の肩に触れ、通りに姿を消していった。


「なに、あのいかにも『俺凄いですよ』な空気撒き散らしちゃって」


 初見から印象の悪いナウファルのことを思わず毒づいた剣術士は、肩を竦めナウファルの背中に向け舌を出すと、反対方向に足を向けた。そして、両腕を頭の後ろに組み、何か考え事をしているのか「ここも違うのかなー。リーンさんの云ってた館も違うところなのかなー」と、独り言をブツブツと漏らしながら、通りを西に向かった。




 一陣の風が生暖かい空気を通りに運んだ。

 騒がしくなってきた通りに、少しばかりの土埃が舞った。

 剣術士はそれに目を細め、そして足を止めた。いや、足を止めたのはが理由ではなかったようだ。剣術士は両手を解き、片手半剣の柄に手をかけた。


「ひゃー、いかにも悪そうってのが来たわね」

 左手を額に掲げ、目を細める。

 通りを騒がしく行き来する村人に旅人達が、その先で騒めき、そして通りのかたわらへ、はけていった。剣術士は、通りのど真ん中を馬に揺られやってくる一団を視界に捉えた。

 一団は暗く、黒く、そして淀んで見えた。先頭の馬に揺られるのはおそらく魔導師だ。その後ろに続くのは、布で双眸を隠した気味の悪い僧兵が四名。


 剣術士は、僧兵を見るのがこれが初めてのようで「きっしょ」と声を漏らし「全部で五名様と」と、今度はその頭数を呑気に数えたのだ。人々が通りの傍に避けていくなか、剣術士はお構いなしに、その一団と同じ視線上を歩いた。








 金髪の女剣術士に気がついたレトリックは「狩人か」と小さく漏らすと、後ろをゆくパナヨティスが横に馬を並べる。この僧兵は馬の蹄の音さえも隠匿するかのようで、静かにレトリックの横に並べると、彼は酷く狼狽した。


「パナヨティス」と慌ててレトリックは、布の巻かれた双眸のあたりに視線を向ける。それに僧兵は「ああ、どうする?」と短く答えた。

「アッシュ・グラントは東の広場にいる。このまま早駆けても良いが」とレトリック。

「どちらにせよ、後方の憂は排除するのが良かろうよ」と、パナヨティスが静かに答えると「俺が行こう」と馬を降り、レトリックに手綱を渡した。

 レトリックは、かぶりを縦に振ると「念の為、警告はさせて欲しい」と今にも飛び出しそうなパナヨティスへ言葉をかけた。例によって僧兵はそれに「ああ」と小さく答える。


「そこの狩人! 我々はメルクルス神派が導師フェルディアの徒。神に仇なす狩人アッシュ・グラントの捕縛を命じられている。そこを通るが良いな!?」

 そう叫んだレトリックは馬上から僧兵達を制し、歩みを止めた。

「アッシュ・グラントが狩人? それ情報が古いよ?」


 剣術士も足を止め馬上の魔導師を見据える。

 レトリックはその返答に眉をひそめ「どういうことだ」と剣術士に訊ねると「大崩壊、知らないの?」と間髪を入れずに答えが帰って来た。

 それにレトリックは、どうやらこの剣術士は我々を通す気は無さそうだと値踏みをすると馬上の全員へ馬を降りるよう手で合図を送った。


「大崩壊は無論知っているさ。アッシュ・グラントも生きているのでしょ?」

「勿論、生きているよ」

「話になりませんねお嬢さん」

「そう? 生き残ったアッシュ・グラントは狩人ではなくなっていたのよ」

「なんの与太話ですか。嘘をつくならもう少しマシなのがあるのでは?」


 レトリックは半ば笑うようにそう云うと僧兵達に前へ出るように指示を出す。

 ゆらりと四人の僧兵がそれに従い前に出ると、レトリックは<言の音>を紡ぎ始める。


「あらら、信じてもらえないかー。なら仕方ない。どちらにしても、今アッシュがこの村に居て、あなた達がそれを狙うっていうなら——」


 女剣術士は片手半剣を抜き放ち正眼に構えると「あなた達にはここで沈んでもらわないとね。先輩に怒られちゃう」と、片目を瞑ってみせた。

「パナヨティス」と、レトリックは女の構えに合わせ左の正拳を前に突き出す。

「ああ」と答えた僧兵は、他の僧兵に散開するように指示を出す。

 相手は、よりにもよって<外環の狩人>だが、レトリックは<楔>を突き立てるのは、この女でも良いのではないかとも思ってしまう。しかし、フェルディアの勅命を無碍にもできない。だから何回か、かぶりを横に振り迷いを払う。


 そう、妻と娘を呼び戻さなければならないのだから。


「さてと、私はレトリック。あなたは?」

「ライラ・リンパル。見ての通りの剣術士で見ての通りの<外環の狩人>よ。で? こっちの世界の男達は、か弱い女を囲んで襲うのが流儀なわけ?」

「こっちの世界? か弱い? ライラ、何を云ってるので?」

 レトリックは、やはり半ば笑いながら突き出した拳を開き、クイッと何度か動かして見せた。言葉は無用、後は闘うのみ。その合図だった。


「キザな男」


 ライラは顔を引き締め一言零すと、両手で剣を握り、くるりと回し身体を旋回させる。

 身体を振り抜く勢いは半転したあたりから急加速し、そのまま僧兵の一人に上段から刃を叩きつけた。

 僧兵はその刃を半身で躱しライラの右の二の腕を押しこみ、足払いを放つ。しかしライラはそれを読んでおり、ひょいと飛び上がると僧兵の胸ぐらに強烈な蹴りを叩き込んだ。着地と同時に僧兵へ詰め寄ると、浮いた身体の鳩尾を柄で打ち据える。

 これには堪らず僧兵は嘔吐し、地面でもんどり打った。

 レトリックは「おい!」と、半ば気を失いかけた僧兵に声をかけ、首根っこを掴むと急いで、その場を離れた。


「手を出すな」


 すると、それを脇目に僧兵のパナヨティスが一歩前に出ると、手甲を装備した両手を構えライラと真正面から対峙する。

 左の手刀を構え右の拳は締めた脇の下で次の一撃を準備する。

 頭はぶれず体幹を捉え、ライラがどのように動こうが恐らくそれについてくるだろう。そして、スーっと深く息を吸い込む音が聞こえると、それはピタリと直ぐに聞こえなくなった。

 最後にパナヨティスは脇をキュッと締め、左足を少し前に出し、そこに体重を乗せた。


「あら、お得意の魔導強化は?」


 ライラは眉をひそめ、目の前の僧兵を警戒した。

 恐ろしく隙のない目の前の僧兵は恐らくまだ自身を魔導で強化をしていない。それなのに、この威圧感。下手に動けば、手刀で腕なり脚なりを飛ばされる未来が頭をよぎる。


「言葉は無粋」

「あら、こっちの彼はダンディー。私の先輩にその極意を教えてあげてもらえる?」

 ライラはそう答えると冷ややかに笑いを浮かべた。



 先に動いたのはパナヨティスだった。

 構えた手刀を締め戻し、右足を勢いよく踏み込むとそのまま右の拳を前に突き出す。ライラはそれを、ひらりと後方に飛び退き躱すが、撃ち抜かれた拳の後を追いかけた風がライラの顔をなぶった。

 それに「チッ!」と舌打ちをしたライラは、そのまま間髪を開けず前に踏み込み真正面から剣を振り上げ袈裟斬りに撃ち抜くが、パナヨティスはそれを誘っていたのか右の手甲で、刃を弾き左手でライラの胸当てを掴むと身体ごと下に引きずり下ろした。

 ライラはそれに耐えきれず前のめりと倒れ込む。

 パナヨティスはそれに半身をずらし、顕になったライラの延髄に素早く手刀を掲げ、垂直に振り下ろした。


「こなくそ!」

 ライラは気合の声をあげ、右足を踏ん張り右肩をグイと内側に入れ込むと器用に身体を捻り込み僧兵の手刀を躱した。するとそのまま身体を浮かせ、一回転させると僧兵の腕を目がけて片手半剣を叩きつけた。


 ギャン!


 それをパナヨティスは左の手甲でまたもや弾くと、けたたましい金属音をたてた。ライラはその衝撃に身体を捩らせ、思わず地面を転がった。









「あらら、凄い闘いですね。強化をしていなくてアレですか。くわばらくわばら」


 先程、地面でもんどり打った僧兵の手当てをするレトリックは、二人の闘いを目の当たりにし、かぶりを横に振るった。

 地面を転げたライラを追撃するように、パナヨティスは何度か踏みつけを叩き込むが、それは素早くゴロゴロと転がるライラを捉えることはできなかった。


 ライラは何度か転げると身体を跳ね上げ、体勢を整える。

 対するパナヨティスは、その間に再び構えを立て直す。手刀を前に拳を脇下に。そして今度は、何かを口ずさむ。それは、メルクルス神派の真髄。肉体強化の術だった。他の神派、流派でも勿論その類の系統は存在する。しかし、その中でも極めて極限まで強化をするのは、メルクルスの<言の音>だけなのだ。故に、それは対峙するものにとっては、大きな脅威となる。


 僧兵の身体を縁取るように緑の光がゆらゆらと明滅する。

 パナヨティスの上腕、太腿、胸、至る所の筋肉が隆起したのがわかる。それに僧兵が使う体術の中でも、この強化を底上げする呼吸法で更に強化をはかる。そして、パナヨティスは、フーっと息を吐き出し「覚悟はいいか、おん——」と云いかけた。のだが、ライラはそれを最後まで耳にすることはなかった。


 風が吹いていた——最初のそれは鋭く吹き抜けた。



「パナヨティス!」

 耳につん裂くように聞こえたのは、レトリックの絶叫だった。

 レトリックの絶叫と共に転げ落ちたパナヨティスの頭。噴き上がる鮮血と共に、その僧兵の身体は前のめりに倒れていった。


 ——二度目の風はふわりと辺りを包み込んだ。

 ライラは何が起こったのか、最初は理解できなかった。

 しかし、ふわりと風がその場を包むと、腹這いになった僧兵の躯の傍へ忽然と姿を現した女の姿を見て、ようやく理解をした。あの女が僧兵の頸を飛ばしたのだ。


 あれは——。


 燻んだ唐草色の上品なドレスに、不機嫌な白い顔。

 綺麗に波打った上質な金髪は腰まで流れ、ふわりと広がっている。そして、気難しい切長の双眸に浮かんだ——赤黒い蛇のような瞳。


「あんた、ミネルバ・ファイヤスターターね」ライラは構えた切っ先を、その女に向け腹の底から声を出していた。


「ご明察。そう云うあなたは?」

「ライラ・リンパル。あんたが狩人を連れ去りまくるから、大忙しよ」

「あら、心外。私がこれまでに実験をしたのはたったの四人」

「嘘ばっかり」

「まあ良いわ。今はあなたに興味は無いの」

「私は、おお有りよ!」


 ライラは叫ぶと、大きく踏み込み、剣を横一文字に薙ぎ払った。

 それにミネルバは転がったパナヨティスの躯を蹴り上げ、後方に飛び退いた。


「この性悪女!」


 ライラは自身の横一文字に、僧兵の躯が真っ二つになるのを見届け、その隙間から後方に飛んだミネルバの姿を鋭く見据えた。


「口のきき方に気を付けなさいよ、この雌豚が」


 そして二人は、間合いをとり睨み合う。

 再び風が通りを吹き抜けていった。




この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?