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Connected-braneA:僕と母




 遥か昔のことです。

 世界とは混沌であり、その混沌とは可能性とも呼ばれていました。可能性の塊は突然にそこに沸くようでしたが、その原理はわかりません。ですが、混沌はまるで海のようであったり、穢れのない新雪の平原のようだったと記されています。

 そこへ何処からともなく「何か」が、その海原なのか雪原を掠めるように翔んでいきました。外典にその姿は明言されてはいませんが、讃美歌ではその姿を鴉だと謳う節があります。これを辿ると、その源流は紀元前にまで遡りシュメールの碑文へたどり着きます。

 話を戻しましょう。

 その海原を掠めた「何か」は混沌を隣り合わせ大地を創り海原を創り、山脈を創り、森を創りとあらゆる生命を創りました。隣り合った混沌は結びつくと新たな秩序を産み出し形を成しました。

 まるでその混沌とは描くためのインクであり、海原を掠めた「何か」は筆のようにそれらを描きました。さながら世界は一冊の本のようです。ああ、敬虔なる信徒よ。その通りです。創世の原典はそのように描かれました。それを描いたのは「神」なのです。そして神は人を創りました。この壮大な物語を描くには更なる語り手が必要であったからです。

 世界にはまだ混沌が残っていたのです。

 最初の人々はその混沌を自在に操り探求をしました。

 神の想い描く物語がどのようなものであるのかと。そして「奇跡」を産み出しました。しかし、道を外れるものも居ました。ああ、ご明察の通り。それは「魔術」と呼ばれました。

 しかし、ご安心を。

 創世の混沌は今では底を尽き、海原にはもう何もございません。

 ですので新たに何かが産まれ出ることはありませんが、「奇跡」は神の御心のままに行われます。ですが「魔術」は衰退をしております。聖遺物を混沌へ還し業を顕現しようとも、それは限られます。

 憂うべきは、人の身でありながら神の業を模倣する「学者」達の存在です。彼らは我々が外典へ封じた真理を読み解くかのようで……。そうです。外典でありながらその理を人の力で行使をしようとする愚か者。乃木家の血筋。そしてそれは今や、神に仇なす僭称者の手に落ちようとしております。


 ——西方教会福音派・外典教会アポクリファ議事録より。



 ※



 永遠なのか、瞬間だったのか。

 暗闇から抜け出し視界に飛び込んできたのは、二十畳近くあるリビングで少年に耳掻きをする女性の姿だった。

 それは幼い頃の僕と母さんの姿だった。



 くるくるとした黒髪はこの頃からそうで、僕は少しでも髪が伸びればいつも人差し指で髪をさらにくるくるとする癖があった。母さんはいつもそれを見て、毬藻みたいになるからやめなさいと云っていた。


「無人、耳掻きをしているときは動かないで」

 そう云った母さんは僕のくるくる黒髪を押さえつけ、モォ! と声を漏らした。

 すると、ゴソゴソとなんとも乾いた音が耳穴の中を転げ落ちていくのがわかった。それは、特大級の耳垢が奈落の底に転げていく音だ。


「ほら、どっかいっちゃった」

 そう云った母さんは、ぐいっと顔を僕に近づけ、覗き込んできた。

 猫のようなアーモンド型の目は母さんの魅力の一つだったが、ちょっと怒ったときのそれは、まるで獲物を狙っているような豹のようで、おっかない。だから僕は母さんを見る前に「ごめんなさい」と先手を打って謝ったのだ。

「いいのよ。でも耳掻きが刺さったら危ないから本当に動いちゃだめよ」

「わかったよ」

「本当に?」

「うん、本当に」

 わかれば、よろしい——ちょっと気取った声で母さんはそう云うとクスクスと小さく笑って僕の頭を優しく撫でた。どうやら、怒っている様子はないようだったし、母さんのその口調が学校の先生を真似ているようで可笑しかったから釣られて僕も、クククと小さく笑っていた。


「逆になれば落ちてくるわよ。ほら、反対の耳見せて」


 母さんはポンと僕の頭に触れると、僕の頭が重たかったのかモゾモゾと居心地悪そうに脚を動かし座り直した。

 僕はといえば、左耳の中でカランコロンと音がしているようで気持ちが悪い。懸命に耳を下にして頭を振ったのだけれど、それが出ていく気配すらしない。母さんは、ホラと云って僕を引っ張って膝枕に頭を乗せ、右耳を覗いた。


 あら! ——母さんは、まぁまぁと続けて右耳を突いて云った。

「あなた、これで音が聞こえているの?」と僕に訊ねた。

 どうやら僕の右耳は垢で塞がっているのか、突かれるたびに、ゴソゴソと乾いた音を耳の中に響かせている。確かに母さんと話をしていても「え、なに?」と聞き返すことが多かった。もっともそれが耳を塞いだ岩盤のような垢が原因かもどうかも定かではなかったが、それは、そう思わせるほどに酷かったのだと思う。


「音は……うーん、分からない。多分聞こえているよ?」

「そう? ならいいのだけど」

「うん」


 ガサゴソガサゴソ——右耳の掘削作業が始まった。


 その音が、次第に少なくなるのが分かると耳がすっきりとし、心地よくなってくる。それに合わせて僕は目をトロンとし、微睡の中に何度も落ちていきそうになった。

 母さんの膝から眺めるリビングには、転げた戦隊ものの人形や、タブレット、その向こうに見える玄関へ置かれた自転車が見えるのだが、段々とそれらの輪郭がぼんやりとしたり、二つに見えたりするようになる。


 微睡の中で僕は、それを買ってくれた父さんのことを思い浮かべていた。毎日仕事に行くのは当たり前なのだと思うが、帰って来ない父さんのことがいつも気になっていた。

 そして夢心地の僕は、何故かそのことを母さんに訊ねたのだ。

 それは、ここ数ヶ月、胸の内に秘めていた謎だった。

 それは口にしてはいけない事なんだと、心のどこかで思っていたから訊かなかったことだった。


「ねえ、お母さん」

「なに?」

「お父さんは、なんで家に帰ってこないの?」

 ここ数週間、家に帰って来ない父さん。

 なんで帰って来ないのだろう?

 たまに母さんは父さんと電話で喋ってるのに、なんで?


「お仕事が忙しいのよ。お母さんは電話で話しているけれど無人なきとは喋っていないものね。寂しくなちゃった?」

 母さんはそう云うと、僕の黒髪を確かめるように優しく撫でて、顔を覗き込んだ。母さんの柔らかい黒髪が僕の顔を撫でて、微睡んだ意識を覚醒させた。


「ううん、違うんだ」

「そっか。なら良いんだけど。今度お父さんに会いに行く?」

「ううん、大丈夫だよ」

「なんで?」

「ん? なんでも」

「そっか」

 小さな胸に誓った誓いを破ってしまったことへの罪悪感から、必死に強がって見せた。ここで寂しいと云ってしまうと母さんを困らせてしまう。それに、寂しいなんて口にするのは子供のすることだ、と矜持を貫こうともしたのだ。

 しかし、そう思えば思うほど胸の内から湧き起こる、モヤモヤした厄介な何かが胃を撫であげ、鼻腔を乱暴に突き抜け、遂には、母さん譲りの黒瞳を濡らしたのだ。

 泣いてはダメだ。

 僕は懸命に目をつむって、小さな口を一文字に強く結んだ。

「無人?」

 母さんが優しく僕の頬に手を触れた。

「なに?」

「今度の日曜日はお父さん帰ってくるから、一緒に石川台まで迎えに行こうか?」

「お父さん帰ってくるの?」

「そうよ」

「お父さん、僕のことが嫌いで家を出て行ったんじゃないの?」

「え? なんで?」

「お父さん、僕に優しくないから」

「そうね、最近はちょっと気難しいかもね。でも——」

 馬鹿ね。そんなはずないでしょ——母さんは、そう云うと僕の狭い額に口付けをした。

 それが合図だった。

 僕は僕の涙腺ダムが決壊しないよう、懸命に目をつむって、懸命に強がって、懸命に楽しい事を考えようとしたが、ついにそれは決壊し母さんのお気に入りの「ちょっと良いキャンバス生地」のエプロンを大粒の涙で濡らした。


 あのね、無人なきと

 母さんはそう云って僕の頬の涙痕を指でなぞった。


「お母さんもそうだけど、お父さんが無人のことを嫌いになるなんて無いわよ。お父さんはね、凄く不器用な人なの。だからお仕事が忙しくて家に帰れないこととか、そういうことに言い訳もしないしね、まあ、謝りもしないのはダメだけど、誤解されやすいのよ。でもね、決してお母さんや無人を嫌いになったりはしないわ。それは、お母さんが保証してあげる」

「うん」

「だから安心して」

「うん」

「良い子ね」

「でも、なんでお仕事が忙しいの?」

「それはね、無人とお母さんの為に一生懸命にお仕事をしているからよ」

「そうなの?」

「そうなの」

「そっかじゃあ、お父さんは僕を嫌いじゃないんだね」

「当たり前でしょ」

 母さんは、もう一度、僕の髪質を確かめるように頭を撫でながらそう云った。

 安心した僕は、それまで締め付けてきていた悲哀からフワっと開放され、そして鳴りを潜めていた微睡に包まれるのがわかった。

 僕は堪らず涎を垂らしながら、ゆっくりと落ちていくのを感じていた。

 ぐわんぐわんと人形が踊り出し、ローテーブルの向こうでは青い自転車が横に動いたり縦に動いたりし始めた。

 その時だ。完全に貝のように瞼が閉じてしまう前、頬に暖かいものを感じた気がした。

 そして、遠くから母さんの独り言が聞こえてくる。


「ごめんね無人。何があっても決してお父さんを嫌ったりしないであげてね。これから先に起こることは、お母さんが望んでそうすることなの。それでお母さんは少しの間、二人の前から居なくなってしまうけれど安心して、ちゃんと帰ってくるから——」


 また、暖かいものが頬に落ちてきた。

 母さんはこの時、珍しく涙を流していたのかも知れない。

「無人が大きくなったら、きっとお父さんとお母さんの意思を受け継ぐと思うの。それは無人が決めることだから分からないけれど、きっとそうするわ。もし、その時に……いいえ、やっぱりなんでもないわ」


 母さんの独り言はここまでだった。

 そして、僕はそのまま夢の国に旅立った。次の朝にはその事はぼんやりとした霧の向こうにあって、暫く思い出すことはなかった。


 母さんが「後はよろしくね」と、ちょっと近所に出かけるような言葉を残し、突然逝ってしまったのは、それから数ヶ月後のことだった。

 父さんは塞ぎ込んでしまい、まるで何かの抜け殻のようにいつまでも母さんの遺骨を納めた厨子の前から動かなかった。

 何日も何日も母さんの遺骨に向かって「ごめんな、ごめんな」と語りかけながら泣いていた。

 そんな日々がしばらく続いて、いよいよ父さんとの会話が無くなった僕は、機械仕掛けの人形にでもなったように朝起きて、小学校へ行き、帰ってきて配達された夕飯を父さんと黙々と食べて、風呂に入って寝るという毎日を送った。

 そこに会話は無い。辛い日々だった。



「これは母さんとの記憶?」


 一部始終を無人なきと少年とその母の傍で見ていた僕は、唐突に意識が自分に戻ったのを感じ思わずそう漏らしていた。


 この後、無人少年は塞ぎ込んでしまった父さんを不器用に気遣うが、お互いに不器用——どちらかというとある意味子供のような父さんが歩み寄らなかったから、だから、気持ちの距離感は離れたままだったのだ。


 記憶の旅は、僕の事はお構い無しに無情に進んでいった。

 音があるようで無い世界、匂いがあるようで無い世界、虚像、そういった僕の記憶の残滓が今でも目の前で流れ心の隙間を埋めていく。隙間を埋めた残滓は、あるべきところに戻ったからなのか、現実味を帯びながら、時には暖かく、時には物悲しげに僕の中に染み込んでいった。


「そっか——母さんは逝ってしまったんだよね」


 厨子の前で項垂れる父さんの傍に立って、僕は静かに呟いた。

 記憶の破片は確かに現実味を伴って僕の中に染み込んだ。

 それでもまだまだどこか他人行儀にそれを見てしまう自分がそこには居て、母さんの死を受け入れる気にはなれなかった。それとも、それを受け入れられない何かがあるのか——父さんの仕事場での記憶がそれなのだろう。


 ——ジジジジ。


 電話が混線したような不快な音がリビングに響いた。

 項垂れた父さんも、ソファーでマックのキーボードを叩いている僕もそれには気が付いていないようだ。と、いうことはこの記憶にはない別の音。不快なその音は、今、実際に聞こえているものだ。


 僕は身体をブルブルとさせて、辺りをキョロキョロと見回した。

 右を見ても何も無い。

 左を見ても何も無い。

 もう一度右を見たが、やはり変わりはなかった。

 そしてもう一度左を見た時だ。


 今では何十倍速もの速さで流れていく記憶の奔流の中、父さんや僕の残像が帯となって動き回る影の裏に、彼女は立っていた。

 それはあまりにも唐突にそこに存在していたように思えた。

 白の彼女だった——白いワンピースに腰まで伸びた銀色の髪に蒼い冷たい瞳。


 彼女は、冷たい視線で僕を絡め取った。

 そして、僕は蛇に睨まれた鼠のように動けなくなった。

 エーリューズニルから迷い出てきた死の女神ヘル。

 そんな風な彼女は神話とは異なり少なくとも下半身は腐っていなかったから、しっかりと脚を動かし、手を伸ばせば届く距離まで僕に詰め寄ってきた。


「メリッサ……」

 僕はこの時、ここまでの記憶の旅の中で名前を思い出せないでいたのだけれど、唐突に想い出したのだ。白の彼女の名前を。そして父さんの記憶の中での出来事が繋がれたような気がしたのだ。彼女が吐露をした彼女の想い。救いの叫び。



 そうだ僕は——。



「やっと想い出したね。嬉しい……」

 メリッサはそう云うと、一度じっと僕の視線を捉えると踵を返し僕の記憶の中を丁寧に脚を運び見て回った。


 父さんの顔を覗き込んだり、幼い僕の横に腰をかけ、横顔をじっと見つめた。「可愛いのね」なんて子供を見守る母親のような優しい目をしたかと思うと、父さんのあまりもの無気力な毎日に苛立ち「この人達が無人を苦しめたのよね」とボソと呟いた。

 全てが何十倍もの速度で流れていく記憶の奔流だったが、その全てはすっかり理解できる。それはメリッサも同じで、幼い僕の日々に嘆いたり、喜んだり、怒ったりあらゆる感情を顕にした。


「ねえ、無人」

「うん」

「この後、あなたはこの夫婦の勝手な計画に巻き込まれていくの。あなたのために。その言葉を免罪符にあなたを苦しめる。そしてあなたは、あなたの世界を造ってそこに逃げ込んだ。私も同じ。両親の勝手な想いに振り回され身も心も穢され、そしてあなたの世界を見出して、そこに逃げ込んだわ」


 メリッサはスッと硬直した僕に寄り添い僕の胸に手を当て、小さな顔を預けた。


「凄く凄く居心地が良かったの。そこでは私を苛む病もない。草原を駆け巡っても、森を自由に散歩しても大丈夫。街の露天商の前に座って、お値段の交渉だってできた。そこでは私は薬師だったから、街の人とも仲良く気遣いあいながら暮らせたの」

 でも——メリッサは小さくそう云うと、僕を見上げ濡れた蒼い瞳で視線を絡ませた。


「お父様は、そんな私に嫉妬して——」

 ごめんなさい、話がそれちゃったね——メリッサは悲しげな顔を伏せ、また僕の胸に顔を埋めてそう云った。

「無人」

「うん」

「この記憶を取り戻していって、その後はどうするの?」


 メリッサの声はどこか湿った耳触りだったのだけれど、凛としていて彼女という存在を美しく浮き彫りにしている。でも、その問いを投げかけた時は違った。鼻の奥で声は詰まり、それは悲しげなピアノの和音のようだった。

 そして、彼女は半音下がった声でそう云って、僕を惑わす。


「私ね、ルエガー大農園での生活も、亡者塚での戦いの中だって、あなたと過ごした全てが愛おしいの。そこには私を縛るものは何もなくてね、私は心からあなたを愛せた——」


 聞いたことのある言葉、懐かしさ、メリッサの言葉は僕の記憶の隙間にそういったパーツを埋め込んでいった。すると目の前のメリッサを儚げに想い、割れ物を大切に包み込むよう、彼女に腕を回そうとしていた。



 ——今は心をしっかり持ち、折られるな。でなければ、お前の意思とは関係なくメリッサはお前の全てを奪っていくぞ。



 どこかからか声がした。

 記憶のどこかで覚えのある低く鈍い大鐘のような声音は心の芯を握り締めるようで、どこかボケっとした僕の頭の中を打ち据えるようだった。だから僕は我にかえると雷に打たれたように両手でメリッサの肩を押し返したのだ。このまま彼女を抱きしめてはならない。それは本望ではないと。

 乱暴に肩を押されたたメリッサは銀髪を振り乱しキッ! と鋭く冷たい視線で僕を睨みつけた。随分と僕を引き裂く気まんまんのようなそれに、少なからず戦慄を覚える。すると彼女は僕の腕を内側からはたき一歩後ろに下がった。

 そして「そう」短く云った彼女は銀髪を乱暴に掻き上げて、もう一歩二歩と後ろに下がった。


「無人! 無人!」

 すると記憶の中の父さんが久しぶりに——恐らくそうだ——僕の名前を呼んだ。

 廊下の向こうにある自分の部屋から勢いよく飛び出した僕はといえば、それに嬉々と走って父さんの座るソファーへ飛び込んでいた。


「いいわ」メリッサはその光景を眺めると、また短くそう云った。

 そして小さく——あの女……。そう呟いた。


「あなたは、この日から次第に自分の心の弱さに膝を折ってしまうの。よく見て思い出して。愛に飢えて、見捨てられることを恐れ、狂気の色に自分を染め上げていくの。でもそれはそれで良いのよ。悲観しないで。それが無ければ私は救われないのだから」


 どうだろう。

 メリッサの最後の言葉はどこか諦めの言葉なのではないかと、儚げに聞こえたのだ。その証拠にメリッサは俯き、幼い僕の姿へ視線を落とすと寂しく目を細めていたのだ。そして、何度か幼い僕と父の顔へ視線を送ったメリッサは小さくため息をつくと「残念」と小さく漏らし僕へ視線を戻した。幾許かメリッサの瞳は濡れていた。それが怒りなのか、悲哀なのか。それは今となってはわからない。


 そして、最後に小さく微笑んだメリッサは記憶の風景から忽然と姿を消していった。

 それを合図に記憶の奔流は、さらに速さをあげて僕の目の前を流れていく。そして、誰の思惑か分からないが、速さを緩めた奔流は次の場面を僕に見せた。




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