桜蓮
文芸・その他純文学
2025年07月18日
公開日
2.1万字
連載中
都会の暮らしに疲れたまひるは、祖母の遺した古道具屋「つくも堂」を継ぐため、古い町へと戻ってきた。
棚の奥に並ぶ道具たちは、どれも誰かの暮らしに寄り添っていたものばかり。まひるはふとした瞬間、それらの“声”を聞くようになる。
それは、言葉ではなく、匂いや手触りや、残された気配で語りかけてくる、小さな記憶たちだった。
古道具に宿る想いと触れあいながら、まひるは過去と向き合い、少しずつ心をほどいていく。
季節とともにめぐる十二の記憶。
これは、忘れられたものたちに導かれる、やさしい再生の物語。
ご挨拶
はじめまして、桜蓮(おうれん)です。
このたびは『つくもびより』のご閲覧、まことにありがとうございます。
物語の舞台は、小さな田舎に佇む《古道具屋兼お道具預かり処・日向庵》。
そこでは、人の手を離れた道具たちが、もう一度「使われる日」を静かに待っています。
彼らの記憶と、人々の想いが、そっと交わる──そんな日々を紡ぎました。
本編は 8月13日 正午より、毎日更新予定です。
ひとつひとつの道具に宿る物語を、どうぞお楽しみください。
桜蓮