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「おとこのこ だから」「おんなのこ だから」って、いわれる

「かみさま、ぼくは おとこのこ だけど、

おはなを そだてるのが だいすきなんだ。


でもね、まわりから

『おとこのこ なのに』って わらわれるんだ……」


ひとりの ちいさな ことりが、

かみさまに そっと つぶやきました。


「わたしも、よく いわれるよ」

と、ヤマドリが くびを かしげました。


『おんなのこ なのに、こえが おおきいね』って。

ちいさく しずかに してないと ダメなのかな……?」


かみさまは、くさのうえに すわって、

ふたりの ことばを やさしく うけとめました。


「ほかにも いるかな……?」


「はい!」と、カエルが とびあがりました。

「おれ、おどるの だいすき!でも、

『カエルのくせに、

 ひらひら おどって、へんなやつ』って、いわれる!」


ヘビも、しずかに くちを ひらきました。

「わたし、きれいな ひかりものが すき。

でも、それを いうと、

『ヘビなのに へん』って いわれて……」


かみさまは、そっと いいました。


「『おとこのこ だから』『おんなのこ だから』

そんなことばで、だれかの

すきなことを とめたり、

じぶんを かくしたり しなきゃ いけないのは、

とても さびしいよね……」


そして、かみさまは そらを みあげて、

このほんを よんでいる、みんなに いいました。


「そしてね……

いちばん いけないのは、

“じぶんと ちがう”っていうだけで

だれかを ばかにしたり、

いじめたり すること。


おとこのこ だから、

おんなのこ だから──

そんなふうに きめつけるのも まちがいなんだ。


みんな ちがって、みんな いい。

それが せかいを たのしくしてるんだよ。


ちがうことは、だめなことじゃない。

ちがうことは、すばらしいことなんだ。」


そして、かみさまは やさしく わらいました。


「ねえ、キミは どう おもう?


すきなことって、

おとこのこ・おんなのこ に かんけい あるのかな?」


そして、“じぶんらしさ”って、なんだろう?


この もりの みんなと、

そして、かみさまと いっしょに──

かんがえてみて ほしいな。」

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