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第十二話「まんがこわい」

「1」


 ーー「夢道家」ーー


 私たちは漫画を読んでる。

「うきゃうきゃうきゃ」

 あーもう。うるさいな。

「ポリポリバリポリポリ」

 イライライライライライラ。

「うははは。すごい草草展開うははは」

「う~んあはん。うふんあん」

「おまえ達、静かに漫画を読めないのか!?」


 私は我慢できずについ怒鳴った。

「ええー?だってつい面白くてうきゃうきゃ」

「言ってるそばから!!」

「ふわぁ。飽きた」

「礼奈!?もう飽きたの?この後超草展開が」

「えー?だってこの後、展開読めちゃうしあきる」

 みんなは勝手ながらごちゃごちゃと会話して収拾がつかなかったので怒鳴ったがこの後、父親に怒られたのは解せぬ。


 ーー「おやつモグモグタイムの時間」ーー


 今日のおやつは草寿司だ。

 草寿司とは草の葉を包んでお寿司に固めたモノだ。私もよく食べる。

 さて、自己紹介まだだったな。

 私の名前は夢道亜矢むどうあや15歳。

 スマホでいじってるギャルは鬼村星華。通称女王様。

 草が生えてる胸が絶壁なのが草壁草美。

 丸メガネで曰く付きの人形で遊んでるのが亜季田礼奈。

そこで色気をむんむんとして居眠りしてる白百合姫子。

 最後は腐れ縁で幼馴染の野薔薇真理亜だ。

 今回、私が家にある膨大なたくさんの漫画が読みたいというから真理亜達を誘って見たが相変わらず自由身勝手な彼女達である。

 もっとも、カースト制でクラスを厳しい女王様は相変わらずツンデレなのは愛嬌というがな。

「なー?みんな」

 真理亜が口を開いた。

「なんだ?真理亜」

「俺の怪異談聴きたくないか?」

「別に」「興味ない」「間に合ってる」「ごめんなさい。あん」

「以下省略」

 その話題はもちろんスルーだ。

「な、なんでだよ!?俺の怪異談聴きたくないのかよ!?」

「だってあなたの怪異談理解不能なんだもん」

 女王様に同意。

「前回の北臓さんと花郎さんのなんちゃら怪異談が草すら生えなかったわ」

 あれはひどかったな。

「あれは!!北風と太陽の童話をモチーフしたんだぜ!北臓さんはムシを使って追い出すの対し。花郎さんはよんでしまうという怪異談なんだぜ!!」

「……亜矢ちゃん意味わかる?」

「意味不」

「もう寝ていいかしら?」

「どうぞ」

 すると、真理亜が泣き喚いてしまった。

「ぞんなごどいうなよ。俺のがいだんばパパにどでもぼめられだがら~うわーん」

「あーもうないちゃダメでしょう。ちー」

「チー」

「ツモ!チャンリーツィーピン」

 と、女王様はティッシュを取り出して涙や鼻水でぐちゃぐちゃの真理亜の鼻を噛ませる。

 やれやれ真理亜は昔から泣き虫だからな。そんな女王様は世話好きであり、将来は保母さんになりたいとからしいがそんな風には見えないだろうな。

「わかったよ。私たちが怪異談聴いてあげるから。泣かないで」

 礼奈は優しいが草寿司をいくつ食べるんだ?

「うん。草聴きたいな」

 草美は草寿司の葉をさりげなく持ち帰ろうとしてるのは汚いからやめてほしい。

「本当?俺の怪異談聴きたい?」

「本当本当」

「ああ」

 真理亜は機嫌がよくなったか早速披露する。女王様に撫でられるのをそんなに嬉しいのだろうか?本人も満更でなさそうだな。

「あれは、そう、漫画を怖がる少年がいた。その少年が漫画を怖がる理由はーー」

 真理亜は怪異談を披露した。


「2」


 ーー「鐘技小学校5年3組」ーー


 あー。憂鬱だなー。

  俺の名前は菊池風魔。

 俺は学校行くのが嫌だった。

 なぜならあいつらが。

「よー。風魔」

 噂をすればあいつらがやってきた。

 そして俺にまんがを見せるのだ。

「ひぃぃ!?や、やめろ!?そんなもん見せるなよ!!」

「ほーれ!ほーれ」

 俺が嫌がるよそにやつらは至る所にまんがを見せつける。

 俺は正直嫌だった。

 早く帰りたい。

 ああー。

 と、先生が来たので授業を始める。

 その時しばらくして俺の頭に何かが当たる。

 どうやら、紙切れに何か書いてあった。

『まんが8冊読まないとぶんなぐるからな』

 奴らからの私刑宣告だった。

 はー。まんが見るのはうんざりだ。

 この後奴らからまんがを押し付けられて帰宅した。


 ーー「????」ーー


 俺はポテチの袋を開けてから、まんがを読み始める。

「くくく。かかかか」

 読み始めると同時にポテチを取り出して食らいつく。

 寝るまで一日中まんがを読んでいた。


「三」


 いつものように登校してると奴らが突然まんが取り出してみせた。

「……?」

「あれ?おかしいな驚かないぞ?」

 (あ、やべー)

 俺は突然の出来事なのでつい怖がることを忘れていた。

 なので大げさに怖がると奴らは安心してそのまま登校に向かった。

 この時、俺は奴らから疑惑を持たれるきっかけを与えたことに気付いてなかった。


 ーー「鐘技書店」ーー


 俺は本屋でいろいろまんがを見ていた。

「お?これ面白そうだな。これにしよう」

 俺はこの時油断をしていたかも知れない。

 なぜなら奴らに見られていたからだ。


 俺はその本買った帰り道奴らと遭遇した。

「おい、風魔!買った奴見せろ!」

 俺はしぶしぶ買ったまんがを見せるとやつらに取り上げられてしまった。

 そしてリーダー格の男が俺のシャツの首元を掴んだ。

「よくもだましたな!?風魔。覚悟はいいか?」

 俺はとっさに殴られる前に言った。

「だましてなんかないさ。ちゃんとまんがは怖いぞ」

「なにおー。さっきまんがをじっくりと見て買ったくせに」

 俺はため息をはいた。

「……しょうがないな。黙ってるつもりだったんだが。本当にまんがが怖い奴を見せてあげよう。明日俺んちに来い!見せてあげるから」

 するとリーダー格の男は俺のシャツは引き離した。

「はん!いいだろ!でもしょうもなかったら、ぶんなぐるからな!」

 するとやつらはそのまま帰った。

「……」



「4」


 ーー「菊池風魔の自宅」ーー


「きたぞ!風魔!!」

 風魔は彼らを出迎えする。

「来たか!あがれ」

「ケ」

 風魔の自宅に上がり込んでいた彼らは急に夏だというのに寒気を感じていた。

『しくしくしくしく』

 何やら女のすすり泣く女性の声がして彼らはびびってしまった。

「これはなんだよ!?風魔」

「ああ。これはな昔、まんがを破り捨てられた自殺した若い女性がここの家に棲みついているだぜ。噂をすればな」

 彼らの背後にいつのまにか髪が長い白の血だらけのワンピースの女性が破り捨てたまんがを携えながら立っていた。

 その時彼らは一目散に逃げ出して、次の日からまんがが本当に怖がるようになった。



「はは。たまんねーぜ♪」

 風魔は彼らだけでなくクラスのみんなからにもまんがを取り上げていた。

「ねー?あたしにもまんがあとで貸して」

「いいぜねーちゃん。いくらでも貸すからな」

 先程の血だらけのワンピースの女性は風魔の姉だった。

 風魔は姉に泣きついていじめっ子からごまかすために芝居を打ったのだ。

 血だらけのワンピースは部活の演劇部に借りたもの。急激に寒気がしたのはクーラーを全開まで温度を下げたによるものだった。

 迫真の演技だったのかいじめっ子の彼らは難なく信じこんでしまった。

 そんな彼らは欲を見せたのかクラス全員からまんがを取り上げられる。

 そんなまんがの中に奇妙なまんがを発見して風魔はその一冊を取り出して読み始める。

「お?面白いな」

 するとパラパラとまんがが面白くて止まらないのである。

 いや、止めることができなかった。

「な、なんだよ!?これは?」

 風魔達はまんがから逃れることはできなかった。なぜならそこに髪が長いボサボサの若い女性が立っていて風魔達を睨んでいるから。

 そして読み始めてるまんがが黒く塗りつぶされて彼らはまんがの世界引きずり込まれて閉じ込められてしまった。


「ただいま」

 風魔達の母親が遅く帰宅すると、部屋のまんがの荒れ放題に驚いていた。なのでだらしなさにカンカンだった母親はまんがを全て廃品回収に出すことを決めた。

 その後、風魔達の行方は未だ知らない。




「という怪異談だな」

「……」

 真理亜が怪異談を披露するとみんなは静かに黙ってしまった。

「どうした?亜矢まんがだぞ?ほれほれ」

 亜矢はそのまんがを見て怖がってしまった。

「真理亜!頼むまんが持っていてくれ!!」

「よっしゃー!」

 真理亜はこの時まんまとまんがをせしめて喜んでいた。……この時までは。


 ーー「真理亜の部屋」ーー


「へへ。ちょろいちょろい♪」

 真理亜は早速借りたまんがを読もうとするが急激に青ざめてしまった。

「ひぇぇぇぇぇ!?」

 借りたまんが全てスプラッターサイコホラーだった。


 ーー「????」ーー


 亜矢はその日、機嫌が良かった。

 真理亜がまんがをこわがらせようと逆手に取ったのだ。

 でも、本当に亜矢はまんがが怖くなる事態が発生する。

 そう、実際に女のすすり泣く声がしたのだ。

 不安になった亜矢は周囲を見渡すと誰もいなかった。

 その時にふとよんでいたまんがを読むとそこのまんがに大量の髪の毛が挟まれていた。

『まんがこわい?』

 誰かがそう呼びかける女性の声がした。


 ーー「鐘技家」ーー


 友紀は機嫌が良かった。

 友人達から大量のまんがを譲ってくれたからだ。

 真理亜だけでなく亜矢からも大量のまんがが送られてきたのだ。

 無論曰く付きのまんがもあるがお祓いの心得がある友紀にとっては慣れたモノである。

 そんな友紀にとってはまんがはこわいのはなかった。

 唯一こわいのは祖母の怒鳴り声くらいであり、この後散らかったまんがを整理する羽目になってしまった。


 まんがこわい 完

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