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第8話

「とにかく、しっかり食べなさい。」


「え?だって、お母さんが…」


「お母さんのことは心配ない。」




おかしいよ。

私が見たことないってことは、多分、お父さんだって見たことないはず。

なのに、お母さんを放っておくようなことを言うなんて…




(あ……お父さんは、お母さんが泣いてる理由を知ってる…?)




「どうしたの?ねぇ、一体、なにがあったの?」


「いいから、早く食べなさい!」


お父さんは普段なら言わないようなきつい口調でそう言った。




私は無理にごはんを口に運んだ。

とにかく、今はお父さんの言う通りにして…

お母さんの泣く理由を聞くのはそれからだ。




ずっと泣き続けているお母さんが心配で、味なんてよくわからなかったけど、とにかく私はごはんを食べ続けた。



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