第2節 禊
サーラは白大理石の聖なる泉でカームの聖別の元禊を受けた
泉の水はプラチナに輝き大きな翼を持つ女性と民たちのステンドグラスを染み通った煌めく光が水面を揺らしサーラの白絹を輝かせた
白い細い肌を艶めく光が転がる
「神子様……さあ……」
身の回りは少女たちがする
紫の瞳にプラチナの水面が光をなげた
「神子様」
可愛らしい少女は黄金の髪を白絹でゆい
サーラの手をそっと額にいただく
少女たちは厳選されたであろう貴族の子女
神子のお手伝いをした……それだけで婚姻の儀式では
有利である
でもサーラはそれに戸惑い……
だって歳もそう変わらないあどけない少女に身の回りをさせるなんて……
「お名前は?お友達になって?」
少女は平伏した
「私の名などお耳汚しであらせられます巫女」
「お友達になりたいの……」
サーラが少女の手をとった
「聞かれたいとご命令ですか?」
「命令です」
華やかにお笑いになる神子に少女は腰を折った
「ルキオともうします」
ああ……どうか!どうかお耳汚しになりませぬよう
「いい名前」
ルーテルが脇で苦笑している
「この神子は手強いわよ!ルキオ」
「ルーテル様」
ルキオ小首をかしげる
「お友達!言い出したらきかないぞー!」
戸惑うルキオ
サーラがくすくすと笑った
「お友達になってもらうから」
わがままなんである
ルキオ花のように笑った
「素晴らしいお方」
神官達はサーラの体を覆う薄衣に目を向けるも許されず範囲にちかづくこともゆるされない
「カーム!やり過ぎです」
ひとばらいもたいがいに
「ごりっぶくですか」
「もちろん!」
サーラは里の民と笑い合い……歌いあい……過ごしたのだ
ルキオも友達にしたいし
神官は兄にしたい
「私……わがままよ?カーム」
「楽しい方だ」
「野山の動物とすら……親友だったからね」
ルーテルも人が悪い
サーラが腕組みする
カームはお父さん
この迷惑な物言いに周りは仰天!
「犬が欲しいの」
「そしてね」
サーラ様!
神官達には兄!カームは父
ルキオは友!
言い出したサーラは止まらない!
「ふ……」
ルーテルがルキオの髪を混ぜた
貴族の姫様?
サーラはわがままだよー!
カームは苦笑いしたのである
何処に大神官を父扱いする
女神があろうか?
「とにかく!今日はみんなでご飯!」
歌いましょ
ルキオ頭を抱えた
「神子様!」
神官達が笑顔
神殿をひっくりかえすかもしれない
カームは早速血統のよい……躾の行き届いた犬探し
「野良でいいのに……」
なりません
御手など噛まれたら
「べつにいいわ」
なりませーーーーん!
カーム受難のはじまりである