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バトルステージ0114 VS「????を吸った????」

ー①ー


この場所は廃墟となってる魔剣者の亡き王国。

そこには歴代魔剣者達の墓がある場所である。

そう、彼も一度訪れたことがある場所だ。

彼は嫌がる弓戦士ホープ。

彼の元に木族達が集まる。

彼はそこを根城にして木族達に魔剣者達の墓を荒らして養分として吸わせるのである。

彼は戦いもせずに"チカラ"を得ていた。

実際に彼は戦いを嫌がるのではなくラクしたいからである。

彼は夢があった。

木族達に金を集めてどこか村を作りそこに可愛い女の子を貰って嫁に子を宿して畑や家畜を木族達にやらせて自分はネールとのんびり昼寝をする。

そんなささやかな夢。

しかし、そのためなら彼は手段を選ばない。

そしてホープの前に邪魔する彼らがやってくる。

魔剣者シャンペトル一行と賞金稼ぎ達が。

彼は深いため息をはいた。

彼はめんどくさそうにシャンペトル達と対峙する。


ー②ー


「なんだか物騒だね。君たち」


賞金稼ぎ達は眼光をするどく尖らせている。


「よー。にいちゃん、大人しく捕まってな。なーに俺たちが優しく痛くないよう首を刎ねるからよ」


賞金稼ぎ達はゲラゲラと笑う。

しかし、ホープは飽きられ顔である。

なぜなら彼らは力量が測ってないからだ。

ホープは彼らと事を構えようとしたくなかったが仕方ないと思いホープは片手をあげると1人の木族が細い尖った木の槍を投げて複数の賞金稼ぎに突き刺ささった。


賞金稼ぎ達は驚いた。


ーー見えなかったのだ。


木族が投げた槍の速度がついていけなかったからだ。


「もう一度言うよ?怪我や死にたくなかったら、あきらめて帰ってね」


ホープの発言に憤る賞金稼ぎ達は我これ先にホープの軍団に向かう。

ホープはただ何もせず立ってるだけである。

それもシャンペトル一行も同じであり、挑発に乗らず木族達の力量を測っている。

ただ一行の中にはヤキモキしてるメンバーもいるが……。

次々と倒されていく賞金稼ぎ達。

彼らの中にはAランクも複数いたがことごとく倒されてしまった。

賞金稼ぎ達は数刻の間で全滅した。

木族達は怪我もしてなく無傷である。

残るはシャンペトル一行のみになった。

そしてホープはあくびをして余裕の表情だった。

シャンペトル一行も各自戦闘態勢に取り掛かった。


ー③ー


「やれやれ、とんだ貧乏くじを引かされたぜ」


ロランは愛銃ランスガンをいつでも放てるように構えてる。


「アタシは好みのボーイを倒すには少々残念なところね」


マックスは常にタンクトップからはみ出る筋肉の胸を動かしている。


「ご主人様!!そろそろ命令くれょおおお!あたい斬り刻みたくて我慢できないよぉー」


紅髪の魔導人形ファーネがいまかといまかとうずいていた。


「お姉様。後先突っ走るのはやめてくださいよ?標的に当たりにくいですから」


ファーネの妹フィーネが姉を嗜める。


「やれやれ。まー、作戦通りにいくぞ。シャン、ワンコロに例のアレを頼む」


「……ああ」


シャンペトルはジェイドに指示をすると姿を変化して黒い霧を噴出する。

この場にいる全体が真っ暗な黒い霧が覆われた。


「おやおや、かく乱かい?あいにくだけどさ、木族にはきか……」


突如、木族の1人が遠くに吹っ飛んだ、

そしてまた1人やられていく。

どんどん的確に木族達が次々とやられていく。

ホープは察した。

この黒い霧は全ての者に見えなくさせる物ではない。

指定対象物に見えなくする"魔法の霧マジックミスト"。

どうやら木族達のみシャンペトル達の姿を見えなくする物だった。

ホープの表情に焦りを感じた。

ホープは木族達に指示して自分も戦いを始めた。


ー④ー


「今何体目だ?おまえら」


ロランは少しずつ木族仕留めてようやく10体狩った所である。

と、マックスは素手で木族を掴みとり一気に木族達に投げ飛ばす。


「……これで24体かしら」


と、してやったりするマックス。

ファーネは斬り刻むのが夢中で数を数える暇もないので省く。

そしてフィーネは短銃"ミスリルガン"で的確に仕留めており数をきちんと把握しているがきっちりと正確に確認するため戦闘後である。


「おい!シャン。おまえは?」


シャンペトルは白の大剣で一刀両断して木族達をまとめて斬った後言った。


「……忘れた」


ロランは思わずため息吐いた。

しかし数を把握してないとは言え自分が最下位にいることを自負して気合いを入れてペースを上げて狩っていくことを決めたロランだった。


ー⑤ー


「クソ!この黒い霧じゃ、何もできない!」


ホープはこの黒い霧の中なかなか手だしは出来なかった。それどころか味方同士で相打ちしてまうのが多々あった。

やはり単純な指示命令では限界があった。

しかし、彼には奥の手があった。

それも2もだ。

そして奥の手であるひとつを披露する。

彼は早速言呪スペルを唱える。

そしてそこから、


「雨はいやだーーーーーーー!!」


彼の叫び声が天空まで届く。


その呼びかけに雲が集まり雨を降らした。


ー⑥ー


激しくふる雨。

そのぬかるみである地面がシャンペトル一行の動きを鈍らせる。

しかし、相手も同じだがホープ以外の木族達にとって雨の戦闘は得意分野である。

しかもこの雨は木族にとっては"癒しの雨"であり戦いの傷を癒してくれるのだ。

これが奥の手の1本である。

そしてもう一つの奥の手はーー。


「どうしたんだい?もう終わりかい。そろそろ帰ってくれないかな?僕お腹空いてきたんだけどさ」


ホープは援護や指示しながら木族達の戦闘を任せている。

シャンペトル達は木族達を攻撃しても雨のチカラですぐ傷を癒えてしまう。

そのため泥試合を繰り広げて彼らに疲労と焦りを感じるようになった。


「あー。このままじゃいつまでも戦い続けることになるぞ?」


「そうね。アタシもそろそろ定時なのよね。娘にごはん作らないといけないわ」


「はぁ。緊張感ないな。シャンどうする?やつの言う通りに一旦退却してあらためて作戦練り直すか?」


「……ダメだ。あいつを野放しすると他の村まで被害拡大する。手遅れないうちに仕留める」


と、シャンペトルは言った。

シャンペトルはたしかに仕留めると言った。

なら、切り札を出そうとシャンペトルは白の大剣をかざす。

彼の白の大剣に風車のような物が取り付けられている。

そうこの大剣は伝説級の魔剣である。

その名も"八星大魔剣エイトブリンガー"

魔剣者の英雄王が所持していた一振りの大魔剣。

白の大剣をかざすとき風車が回転した。

そして白の大剣の両刃が鋭く切れ味が増した。


ー⑦ー


「変わった魔剣だね。……どうやら厄介なモノだねそれ」


シャンペトルの斬られた木族から傷の再生は出来なかった。それどころか木族達の動きが鈍くなっていた。


この魔剣は斬られた相手どうやら"状態異常"を与えるモノらしい。

しかも中には石化したり、眠る者もいた。

ホープ達の手塩かけた精鋭達がどんどん減らされていくの見て彼は指で口を噛む。

彼の頭の中でイライラしていたが、少し頭を冷やして冷静になる。


「……ま、いいさ。また集めればいい。ストックはまだあるしね。それに……」


ーー僕にはとっておきの"奥の手"があるから。


そうつぶやいたホープは彼を呼ぶことにした。


ー⑧ー


あれこれ戦いから長い数刻の時が経過した。

そろそろジェイドの黒い霧を噴出する物が丁度切れかかったところである。

霧が晴れた同時にシャンペトルの白の大剣についてる風車の回転が止まり、彼らは戦況を把握すると残った木族達は数人のわずかしかいなかった。



「この程度なら、俺たちでもなんとかいけるだろ?よかったな。俺たちは定時に帰るぞ」


ロランは半分冗談言って笑ったが突如、彼の笑顔が消えていくつかズシンと地面が揺れてカラス達の集団が廃墟の城の中から飛び立つ。


「……まさか!"アイツ"を取り込んだのか!?」


冷静沈着なシャンペトルが驚愕するほどの圧倒的な魔剣者よりも超える魔剣者の存在。


ソイツは廃墟の城の中から出てきたーー。


シャンペトル達をうかがうとき黒い影が覆い尽くす存在は。


「まさか、君たちに奥の手を2本公開するとは、思わなかったよ」


そう、ホープの最後の奥の手切り札


魔剣者に眠る"歴代最強と謳われた魔剣者の王超越存在"


その名は"剣王"ーー。


「グゴォォォォォォォォン!!!!!!!!」


その木族よりも百人分あろうかという大きさを持つ巨人。


シャンペトル一行はこの剣王に匹敵する木族の巨人に立ち向かわなければならなかった。


0114 BattleWinner!

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