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第7話

「冒険者ギルドから来られたアリサ様……ですな。

クロームズ子爵家にて家令を務めておりますバクチーニと申します。

ここからは私がご案内いたします」


「えっと、冒険者ギルドクロームズ支部所属、Bランク冒険者のアリサです!

ご丁寧にありがとうございます」


「いえいえ。それでは、こちらへ」


私相手にもわざわざ丁寧に頭を下げてくれるおじ様、バクチーニさんにそれよりももっと深く頭を下げてからついて行く。

門番さんは一緒には来ないみたい。


チラッと振り向いたら、軽く手を振ってくれたので、それに振り返してから急いでバクチーニさんの後を追い掛ける。


バクチーニさんの後ろを歩きながら、きょろきょろと周りの景色を眺める。


しっかしすごいなぁ。

お貴族様のお屋敷なんて初めて来たけど、これ庭園ていうの?


めっちゃピシーッて感じに花壇も整えられてて、町の花屋さんじゃ見たこともないような立派な花がたくさん咲いてる。


「うわぁ、すごい綺麗……」


「ほっほっ。お気に召して頂けましたかな?」


思わず漏れた呟きに、バクチーニさんが反応する。


「はい!名前とかはわからないですけど、すごく綺麗ですね!」


私も乙女の嗜みだって先輩の女冒険者達に言われて家で花は少し育ててる。

まぁ、咲いてる状態の鉢植えをもらっただけだけど。

あれはあれで綺麗だと思うけど、これはなんて言うの?

華やか?で良いのかな。とにかくすっごい!


「よろしければ、後ほど庭師に案内させましょう」


「え!?良いんですか?

あ、でもすごくありがたいですけど、お忙しいんじゃ?」


庭師ってあれだよね。この花壇とか全部管理してる人。

こんな広いところを管理してるんだから、めっちゃ忙しいと思うんだけど。


そう思って残念な気はするけど遠慮しようとしたんだけど、バクチーニさんはにこりと笑う。


「構いませんよ。私から庭師には話を通しておきましょう」


「それじゃあ、お願いします!」


ちょっと申し訳ない気もするけど、せっかくこうして言ってくれてるのに遠慮し過ぎるのも逆に失礼だよね?

それなら、好意に甘えさせてもらおうかな。


それに、お貴族様のお庭を任されてるくらいなんだから、庭師さんはきっと花の世話とかのスペシャリストに違いない。

それなら、自分でも咲かせてみろと言われて種を貰ったのに上手く咲かせられなかった花のこととか聞けるかも!


そうすれば、私が枯らせてしまったと言った時にものすごく残念な子を見るような目で観てた先輩達の鼻をあかしてやれる!


そんなことを考えているうちに、いつの間にかお屋敷が目の前に迫っていた。


遠くから見てもでっかいとは思ってたけど、近くで見ると本当にでっかいお屋敷だな。


バクチーニさんがこれまためっちゃ立派な扉の前に立つと、両開きの大きな扉が内側から開かれる。


え、なんで気付いたの?

私達の話し声が聞こえてたとか?

それとも、まさかの気配探知?

領主様のお屋敷なんだから、そのくらい出来る手練れが居ても不思議じゃないのかもだけど。


「さぁどうぞ。お入りください」


「はい……。お邪魔します……」

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