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第6話 星

夜、空を見上げると、見知らぬ星があるのが見える。

というのも、私は夜空を眺める習慣があるから、どこにどんな星があるのかということが、名前など知らずとも、わかっているからだ。

その星は回転しているのか、いろいろな光を点滅するように放っていて、私は「さては人工衛星だな」と思う。

私はそこで矛盾しているなとも思う。しかし、その星はやはり人工衛星ではないのだ。

かといって、UFOの類でもないのは、動いていないことからわかる。

いやあれは本当は光なのだと私は思い直す。

要するに人々は星のことを勘違いしている。

星はあるのではなく、向かってきているのだ。

こちらが見ているのか、それともあちらが何かを発しているのかは議論の分かれるところだが、星が向かってきているのは間違いない。

あの見知らぬ星もどこからこちらに向かって来ているのだろう。

そんなことを考えていると、足元がふらついて、私は酒を飲んでいたことを思い出す。

ビールを3本、ウィスキーを2杯飲んだのだった。

ところで、私はどこからきたのだろうか。

下を見れば、見知らぬ景色が広がっている。


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