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第17話 ネオン

ネオンがLEDに変わって久しい。

それでもそこには昔の名残りがある。

形は昔のままだし、その下で人々がやっていることはたいして変わっていない。

隠されていることは無理やり見ない方がいい。

というのも、そこには隠されている事のよさがあるのだから。

若いときにはそういうことには無頓着でいられるが、歳を取ると隠されていてよかったなとしみじみ思うのだ。

私はそんなことを思いながら、繁華街を散歩する。

そして、きらびやかな店に吸い込まれていく人たちを眺める。

そんな雰囲気が私は好きで、そういう店に入ると意外にもつまらなかったりする。

やっていることは遊びで、要するに騒ぎ、くすぐり、酔うだけなのだ。

だから、年寄りは入れ込むなという。

しかし若者はそんなことは聞かない。

そして繰り返しが起こる。

しかし確実に時は進んでいる。

私はいまのような時代が来るとは信じられなかったし、想像さえしていなかった。

私も歳を取ったのだ。

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