ネオンがLEDに変わって久しい。
それでもそこには昔の名残りがある。
形は昔のままだし、その下で人々がやっていることはたいして変わっていない。
隠されていることは無理やり見ない方がいい。
というのも、そこには隠されている事のよさがあるのだから。
若いときにはそういうことには無頓着でいられるが、歳を取ると隠されていてよかったなとしみじみ思うのだ。
私はそんなことを思いながら、繁華街を散歩する。
そして、きらびやかな店に吸い込まれていく人たちを眺める。
そんな雰囲気が私は好きで、そういう店に入ると意外にもつまらなかったりする。
やっていることは遊びで、要するに騒ぎ、くすぐり、酔うだけなのだ。
だから、年寄りは入れ込むなという。
しかし若者はそんなことは聞かない。
そして繰り返しが起こる。
しかし確実に時は進んでいる。
私はいまのような時代が来るとは信じられなかったし、想像さえしていなかった。
私も歳を取ったのだ。