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第22話 秋

私は有能な科学者で発明家で、長年の研究の末、秋を再現できるエアコンを開発する。

私は一世一代の発明だと自負して、多額のお金を要求する。

そうだろう、なんといっても、時間と労力がかかっているのだ。それくらいもらってもバチは当たるまい。

しかし私の研究の成果を珍しがる人も、評価する人も、もっといえば、理解する人すらいない。

知り合いの研究者にそれを愚痴ると理由が判明する。

みな、秋のことを忘れてしまったのだ。

確かに私が秋を再現するエアコンを作ろうとしたのは秋が短くなったといわれてきたときだった。

しかし、いまでは秋は長らく来ていないのだという。

私は結局時代遅れになってしまったというわけだ。

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