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第23話 私の学校

私の自宅から10数分歩くと、昔通っていた高校があった場所がある。

というのも、いまは新しい校舎に替わり、古い校舎は壊されてしまったのだ。

昔の校舎は木造の二階建てで、体育館もトイレも教室も古かった。

あれくらいの古さなら、おばけが出てもおかしくなかった。

古さからいって、警報の類もついていなかったに違いない。

だから忍び込んで、肝試しなんかもできたろう。

そこには、女子高生のおばけが出る。そして、忍び込んだ男子生徒たちを誘惑する。

朝になって、先生たちが出勤するとそこには男子生徒の死体がある。

そして次の年には男子生徒のおばけが出る。

歴史は繰り返し、そして校舎の建て替えとともに終わる。

私は新しい校舎にも通った。そこはきれいで現代的でおばけの出る隙などなかった。

おばけたちはどこに行ったのだろう。成仏したのだろうか。

私はその道をたどりながら、そんな妄想をする。

春の午後のひとときに。

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