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第4話 次の日

次の日、目覚めると、シャワーを浴びて、砂漠のドレスに着替えた。

ゔっ、胸が見えすぎている気がするし、足にも大胆なスリットが…!

私は落ち着かない気持ちでドレスの布を手繰り寄せる。


「おはようございます、セフィラ様。

朝食のご用意ができております。」


「あ、ありがとう…

え、これは…?」


「太陽の実のはちみつ掛け、サンドワームの肉のソテー、風の穀物の薄パン、でございます。

どうぞ、お召し上がりください。」


侍女は丁寧に説明する。


私はフォークとナイフを取った。

太陽の実は地球の柔らかいグミのような触感と味の果物で、はちみつの甘さが口の中に心地よい。

サンドワームの肉は脂が乗っており、口の中で溶けていく。

風の穀物の薄パンと合わせると絶品だった。


そんな砂漠の国の食べ物を堪能していると、ドタバタと足音がして、扉がバァン!と開けられた。


現れたのは、ファルーク様と同じだが腰まである銀髪を高くポニーテールにした超美形の男性だった。

ファルーク様もかっこいいけれど、こちらも負けていないわ…

などと、見惚れていると、彼は私を睨みつけてこう言った。


「あなたが噂の美姫ですか…

ハレンチな格好で、兄上を惑わしたのですね…?」


え、ハレンチ…?

いや、着たくて着てる訳じゃ…!

彼の燃えるアイスグレーの瞳が私の深い谷間を汚い物でも見るように侮蔑して見ている。


「あの…」


私は胸元を腕で隠しながらそう言った。


「僕はあなたの外見などに惑わされませんよ!

この女狐が!

この城から出ておいきなさい!」


「あの…」


私がそれしか言えずに居ると…


「やめよ!!!」


低いファルーク様の声が響いた。


「兄上…」


「シャリフ、誰の許可を得て彼女を城から追い出す?

太陽の威光は私にあるのだぞ…?」


「兄上…

いえ、我が王…」


シャリフ様という長髪の男性がひざまづいた。


「下がれ、皆のもの。

彼女と二人に。

シャリフお前もだ。」


ファルーク様が言う。


「…ッ…!

覚えていなさい!」


私にそう捨て台詞を言うと、シャリフ様と侍女達は出ていった。


「大丈夫か、セフィラ…?」


「はい、あの、ごめんなさい…」


「そなたが謝ることは無いよ。

私の方が悪かった…

あいつは…

シャリフは私の弟で第2王子だ。

あいつなりに心配しているのだろう。

私が女子をこの城に置くなど初めての事だからな。」


「そう…なのですか…?」


「そのドレス…

とても良く似合っているが、少し目のやりどころに困るな…

別の物に着替えさせるように侍女に言っておこう。」


「はい、ぜひそうしてください…!」


私は切実にそう言った。

これでは、痴女みたいだ。


「着替えたら部屋から出ておいで。

連れて行きたい場所があるのだ。」


そう言ってファルーク様は部屋から出て行った。

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