気がつくと、自室のベッドの上で毒もすっかり抜けていた。
だいぶ眠ってしまっていたらしい。
サンドワームのコーラ煮!?
どうなったの!?
すると、ファルーク様が入ってきた。
「セフィラ、熱で倒れたとか?
大丈夫か?」
そう言うことになっているのか…
「え、えぇ、大したことはありません。
大丈夫です。」
私は話を合わせた。
「そなたが作ったサンドワームのコーラ煮な。
カリームから分けてもらった。
非常に美味かったぞ。」
「あ、あぁ、カリーム様が…?
ありがとうございます。」
「スラム区にレストランを作り、サンドワームのコーラ煮とレモンコーラ、それから普通のコーラを販売しようと思うんだが…」
「それはいい考えでございますね!」
「そうか!
では、早速手配する!
ところで、他にメニューはないだろうか?」
「ふふふ。
もう一つ思い当たる物がございますわ。」
「なんだ!?」
「コーラパンですわ。」
「コーラ…パン…?
まさか…」
「えぇ、パン生地にコーラを混ぜて発酵させて、焼くのです。
ほのかな甘さがとっても美味しいと思いますわ。」
「ふむ。
では、私はレストランの手配をするから、コーラパンを完成させておいてくれるか?」
「もちろん、お安いご用です。」
そして、ファルーク様は部屋を後にした。
私はシャワーを浴びて、今度は用心深く周りを確認しながら、城のキッチンに向かった。
「えーと、パン生地は…」
そして、手際よくコーラパンを作っていく。
そこに、第3王子ザイード様がやってきた。
身構える私。
「なんだ?
別に取って食おうとは思っていない。
暇だから見にきただけだ。」
ザイード様はそう言ってキッチンの椅子に腰掛けた。
「ザイード様にもお仕事があるのでは…?」
「そりゃあ、あるさ。
俺たち5人の王子はそれぞれ役割があるのさ。」
「待ってください…
今5人とおっしゃいましたか…?」
「あぁ?
ファルーク兄上、シャリフ兄上、俺、カリーム、そして、アキレスだろ?」
「アキレス様…
初めて聞きました…」
「あぁ、アイツは少し変わっているからな…
滅多に上には上がってこねぇしな。」
「上…?」
「あぁ、アキレスは自分を研究者と名乗っている。
地下に閉じこもり、不気味な研究をするのが奴の嗜好なんだよ。」
不気味な研究…?
よく分からないけど、第5王子までいるのね…
「そうなのですか…
あっ、パンが焼き上がりましたわ!」
「ほー?」
「一緒に食べませんか?」
「お招きに預かろうか。」