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第20話 フライドポテト

舞踏会も無事に終わり、その日私は城のキッチンを借りていた。


じゃがいもを長細く切ってしばらく水にさらす。

そして、小麦粉を付ける。

熱したオリーブオイルに入れ、2度揚げする。


そう、私はオリーブオイルで作るフライドポテトを作っていたのだ。

これで、南のオアシスの街エリザのレストランは益々栄えるだろう。

岩塩をかけて味を調整する。

ハーブをかけても良い。


フライドポテト(塩・ハーブ)の2品が完成した。


「セフィラ、ここに居たのか。」


「ファルーク様。

えぇ、フライドポテトを作っていたのです。」


「フライ…ド、ポテト?

何だそれは?」


「じゃがいもをオリーブオイルで揚げたものですわ。

お一つどうぞ?

これをエリザのレストランで販売すれば…

益々街は活気づくかと…」


「ほぉ…

もらおうか。」


ファルーク様はフライドポテトを食べた。


「これは…

サクサクで油がわずかに染み出して…

塩が効いている!

うまい!

いくらでもいけそうだ!」


ファルーク様は一つまた一つと食べる。


「ふふふ。

お気に召していただけて良かったですわ。

ところでファルーク様、私に何か用でしたの?」


私は尋ねた。


「あぁ…

そうだ。

オアシスの街の一つリザラに視察に行かなければならないんだが、リザラを治る侯爵がぜひ水の女神を連れてきて欲しいと言うのだ。

一緒に行かないか?」


「え、えぇ、それはもちろんお供しますわ。」


「そうか。

では、明日朝7時に出よう。

太陽が高くなると大変だからな。」


そして、ファルーク様は去っていった。


♦︎♦︎♦︎


次の日、私たちはラクダーラに乗ってリザラに向かった。


「そう言えば第5王子を全く見かけませんけれど…」


「あぁ、気にするな。

アイツは私たちにも滅多に姿を見せない変わり者だ。」


「でも、テーラ城に滞在している以上、一度ご挨拶するべきじゃ無いでしょうか…?」


私はいう。


「うーん、まぁ、そのうち紹介するさ。

それよりも、もうすぐリザラの街だ。」


そして、リザラの街に到着した。


リザラの街は中央に大きな湖があり、その水面が穏やかに波打ってとても幻想的で綺麗だった。

所々に噴水があるところを見ると、水には困っていなさそうだ。


私たちはヤザーン侯爵家に向かった。


「これはこれは、ファルーク様。

そちらが噂の水の女神でしょうか?

噂に違わず美しい…」


「あぁ、2、3日世話になる。」


「はい、歓迎致します…!

ところで…」


「なんだ?」


「いえ、水の女神様がエリザやスラム区を特産品にて復興したのは聞き及んでおります。

ぜひ、この地にも特産品が欲しいのです。」


「うーん、そう簡単にはいくまい…」


「いえ、何か考えてみますわ。」


「ありがとうございます!!!

では、お部屋にご案内します!!!」





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